太田光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「心の底から好き」をこれだけ明確に
言葉にできることが羨ましくもある。
どんなに慎重に言葉を選んだとしても、
止めどなく溢れ出る向田さんへの、
向田作品への愛情はどうしようもない。
手放しで思う存分に語ることができる
幸せに満ちた表情が思い浮かび、
その気持ちは読み手の心に伝染してくるようだ。
そして半分は、太田さんの解説を読んでから
向田さんの作品を読むことになるのだが、
いちだんと冴え渡り迫力に満ちたと
感じられる文章が突き刺さってくるような
感覚になるのだった。
向田作品は20代〜30代の頃に何度も
読んでいたものだが、最近は遠ざかっていた。
今読んだらまた違う印象を受けるかもしれな -
Posted by ブクログ
爆笑問題の太田氏と文化人類学者の中沢氏が憲法九条について語り合った内容の議事録。2006年という今とはやや状況の異なる時代に書かれたものだが、刺激的。宮沢賢治や落語、武士道を引き合いに出して九条にアプローチしているのは面白い。我々含む「戦後の日本人」は、戦前の思想を危険思想としてタブーにしてきたきらいがある。見たらそこに戻ってしまうんじゃないかという恐怖で蓋をし、未だに見ないようにしている部分。その蓋を恐怖に負けずに開ける作業が、九条を語る上で必要ではないか。
本編とはずれるが、感受性は失われたものとの対話から生まれるっていう文言も、読んでハッとした。同時代に生きてるということは、似た様な思想 -
Posted by ブクログ
爆笑問題の太田光と宗教学者の中沢新一が、憲法九条をテーマに語りあった本です。
とにかくタイトルの秀逸さがすべてではないでしょうか。この「憲法九条を世界遺産に」というアイディアは、太田がジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』を読んで、日本国憲法がたいへんな偶然のなかから生まれてきたものだという思いに打たれたことにもとづいているとのことです。中沢も、こうした太田の発想のユニークさに深い理解を示しつつ、平和憲法を守れという護憲派の人たちも、ドン・キホーテのような理想を掲げる日本がそれでも戦後を着実にあゆんでこれたのは、なかなかに賢いサンチョ・パンサがつきしたがっていたからだということを忘れてはならな -
Posted by ブクログ
小説家の片鱗を95年時点で見せていた 天下御免の向こう見ず
爆笑問題のラジオをもう5年以上は聞いていますが、
最近は他の番組よりも爆笑問題さんの番組を聞く頻度が非常に高いです。
そこで、今回ようやく、爆笑問題さんの本を読んでみました。
なるたけ、古い本から読みたいと、20年近く前になるこの本を手に取りました。
爆笑問題が作者ですが、8割以上は太田さんが書いています。
TV雑誌の連載の単行本化のため、1つ1つのセンテンスが短いです。
そんな中、学生時代に構想したSFストーリーを掲載しているところに、
小説家でもある今への予兆を感じることができました。
今回はエッセイですが、歴史系の本な -
Posted by ブクログ
爆笑問題の原石が転がっていた。
結成10年目頃、TVブロスに連載していたコラムに、特別対談を追記した、爆笑問題初のエッセイ集。1997年初版。
原石と言ってもほとんど完成型に近い。
ともすれば相手を言い負かしてしまう現在の強い言葉と喋ってることは同じなんだけど、当時の言葉は、もしかしたら太田光自身確かめながら喋っているんじゃないかっていう気がする。完成までの工程を見たようで、太田光がどのように出来上がったか判ったような気がした。今の完成された主張はシンプルだけど、本書にはそこに行き着くまでにそぎ落とされた考えが転がっている。考えを突き詰めるのが面倒臭くなってしまう私なぞは、むしろそこにこそ一番 -
Posted by ブクログ
選挙前に憲法でも考えるかねえ、
ってことでコレ。いまさらー
憲法から脱線しまくって
スピリチュアルな話しをしている部分は、
恐ろしいほどつまらないです。笑
最初の方は読み飛ばした方が賢明かと。
ただ太田光の、憲法九条の矛盾や
非現実性を理解しながらそれでも
「そっちの方が面白いじゃん」
と喝破する思想には、衝撃すら受けた。
そりゃ、面白いわ。。(いろんな意味ですよ。念のため)
いずれにせよ憲法九条は
国民投票にかけて信を問うべき問題だと思う。
国民の衆愚性や現状の見識も含めて、ね。
それまでやっぱ、安倍政権は倒しちゃだめだ。
考えさせられる部分はす -
Posted by ブクログ
憲法9条の背景について、多面的な見方をしているかはわからないけれど、よく分かる、読みやすい本でした。
歴史の先生や親から、日本国憲法はアメリカから押し付けられたものだというのを聞かされたなぁと思い出しました。
9条廃止の声がたまに出る中で、私は戦争なんてダメ!残すべき!と思っていたけれど、なぜ廃止が駄目なのかとか、9条の良いところ悪いところを知っていることは大事だよなーと。
それとは別に、死の表現を避けないかつての日本人の文化を改めて素敵だなと思った。生と死の間にもっと積極的に考えなければいけないことや、ヒントもたくさんがある気がする。