あらすじ
人間関係の基本、それは愛を求めないこと。いつでも、どこでも、誰とでもつながれる時代。しかし、かえって意思疎通がうまくいかないと感じることはないだろうか。「わかってもらえない」といった日常の出来事から、SNSでの炎上、引きこもりなど、コミュニケーションが断絶されるケースが増えている。この問題に、爆笑問題の太田光と霊長類学者の山極寿一が挑む。ときに同意し、ときに相反しながらたどり着いた答えとは――? 私たちは誤解している。大切なのは、「わかってもらえない」ではなく、「わかろうとすること」、そっと寄り添うことなのだ。コミュニケーションに悩む全ての人に贈る処方箋!
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Posted by ブクログ
博識な二人だが、対談なのでとても読みやすい。
SNSが普及する今、コミュニケーションとは何なのか、幸せに生きるにはどう考えたらよいのか、といったことを考えさせてくれる。
Posted by ブクログ
書いてある内容は特に変わったことはない。言葉とは人と人とが関わるためのツールの一つでしかなくて、そこに頼りすぎるのは危険だと言う話。
特になんの変哲もない話でなぜ★4か、それはコロナウィルスの影響で広まるリモートワークのデメリットを再認識出来たから。
なんとなく声だけで会話することに違和感を覚えていたが、それを明確に言い表してくれた気がした。
ただ、この言葉のデメリットに迫る対談集が、書き言葉の媒体に落とし込まれ、他にその対談の様子を知る術がないのは、些か滑稽。
Posted by ブクログ
すごく示唆的な話が多かったように思う。
自分がここ最近考えていた現代的なテーマにリンクし、そういうものを考えるきっかけになった。
相変わらず太田さんがやさしくて、対談者の山極先生のゴリラの話はおもしろく、読みやすかった。
2020.3.10.
Posted by ブクログ
関東の代表的なお笑い芸人である爆笑問題の太田光さんと京都大学総長・山極寿一さんの対談本です。山極さんが霊長類学・人類学者という事で専門のゴリラの話を踏まえながら、引きこもりや、SNS、戦争等について語られています。太田さん、彼の思想は本当に興味深いです。
Posted by ブクログ
繋がりたいけど、離れていたいという、アンビバレンツな状況は常にあるもので、どっちもあり、その状況にその都度悩みながらも、その状況を受け入れていくことが、幸せにつながるのだと思いました。ある物事の表裏というのは、リアカーの両輪のようなで、それは正対するものではなく、並行するものであるというのが私の持論です。
Posted by ブクログ
・対面のコミュニケーションには言葉だけでなくノンバーバルな部分で補っているものがたくさんある。今はSNSに代表されるようなテキストメッセージの誕生によってノンバーバルを削ぎ落とした単なる言葉がコミュニケーションに使われている。
・単なる言葉は文脈や意図すらも割愛してしまうことがあるから言葉が暴走してしまう。
・生の会話をもっと大切にしようというのがこの本の趣旨であった。
以下覚書
・目の前で起こっている状況よりもスマホの画面越しに見た世界にリアリティを感じてしまう。要するに当事者性が失われている。
・言葉は使われた前後関係やどの作品に使われたのかで意味が変わってくるが、最近は意味を画一的に捉えようとする人が多い。
・話し言葉が無味乾燥なテキストになることで本来伝えたかった思いや熱量が削ぎ落とされる。
・アニミズム
動植物だけでなく無生物にもそれ自身の霊魂が宿っており、諸現象はその働きによるとする世界観。
問いを立てる能力が人間の特徴。
言葉は時空を越える。
・言葉は自分が体験していないことを疑似体験することができるけど、結局体験しないと削ぎ落とされている思いや熱量はわからないから、興味を持ったら体験しに行け。
・対話は白黒つけるのが目的ではなくわかりあうこと。
資本主義は世界を制覇した現代の宗教。
・食べ物はもともと争いの原因だった。だから人と一緒にご飯を食べることは争い関係ではないという証明にうってつけである。
・言葉にした時点で言葉の範囲内に感情が押し込められてしまう。
・会話をする時には相手は自分と違うんだということを前提にしなきゃ始まらないが最近は相手と自分が同じだという前提でコミュニケーションを取ろうとする。
・伝える技術を学ぶより理解したいと思われる人間になれ。
・コミュニケーションは共感と関心。