【感想・ネタバレ】「言葉」が暴走する時代の処世術のレビュー

あらすじ

人間関係の基本、それは愛を求めないこと。いつでも、どこでも、誰とでもつながれる時代。しかし、かえって意思疎通がうまくいかないと感じることはないだろうか。「わかってもらえない」といった日常の出来事から、SNSでの炎上、引きこもりなど、コミュニケーションが断絶されるケースが増えている。この問題に、爆笑問題の太田光と霊長類学者の山極寿一が挑む。ときに同意し、ときに相反しながらたどり着いた答えとは――? 私たちは誤解している。大切なのは、「わかってもらえない」ではなく、「わかろうとすること」、そっと寄り添うことなのだ。コミュニケーションに悩む全ての人に贈る処方箋!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・対面のコミュニケーションには言葉だけでなくノンバーバルな部分で補っているものがたくさんある。今はSNSに代表されるようなテキストメッセージの誕生によってノンバーバルを削ぎ落とした単なる言葉がコミュニケーションに使われている。
・単なる言葉は文脈や意図すらも割愛してしまうことがあるから言葉が暴走してしまう。
・生の会話をもっと大切にしようというのがこの本の趣旨であった。

以下覚書
・目の前で起こっている状況よりもスマホの画面越しに見た世界にリアリティを感じてしまう。要するに当事者性が失われている。
・言葉は使われた前後関係やどの作品に使われたのかで意味が変わってくるが、最近は意味を画一的に捉えようとする人が多い。
・話し言葉が無味乾燥なテキストになることで本来伝えたかった思いや熱量が削ぎ落とされる。
・アニミズム
動植物だけでなく無生物にもそれ自身の霊魂が宿っており、諸現象はその働きによるとする世界観。
問いを立てる能力が人間の特徴。
言葉は時空を越える。
・言葉は自分が体験していないことを疑似体験することができるけど、結局体験しないと削ぎ落とされている思いや熱量はわからないから、興味を持ったら体験しに行け。
・対話は白黒つけるのが目的ではなくわかりあうこと。
資本主義は世界を制覇した現代の宗教。
・食べ物はもともと争いの原因だった。だから人と一緒にご飯を食べることは争い関係ではないという証明にうってつけである。
・言葉にした時点で言葉の範囲内に感情が押し込められてしまう。
・会話をする時には相手は自分と違うんだということを前提にしなきゃ始まらないが最近は相手と自分が同じだという前提でコミュニケーションを取ろうとする。
・伝える技術を学ぶより理解したいと思われる人間になれ。
・コミュニケーションは共感と関心。

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2024年06月03日

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