太田光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アボリジニが自分たちでさえ簡単に踏み込めないが、自分たちの精神的根源を確保する場所としてもっている「ドリームタイム」。庶民の暮らしから切り離されたところで日々厳しい戒律と利他に取り組もうとしている「丘の上の修道院」。そういった自分たちにとって正しいと思える場所がそこにあり、そこへ心を向けるだけで自分たちを正しい方向へ向かわせてくれようとするもの。憲法9条をそういった装置としてとらえようとする考えが面白い。確かに、現実の問題とは矛盾するし、政治的に間違っているかも知れないが、これがあることで「曲がりなりにもこれに反しないように」振舞っているという現実的な「タガ」としての作用、もしくは今後の人類が
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Posted by ブクログ
憲法九条に関するような、核武装や世界平和や日本のポジションに関しては、論じられていない隙間がこれだけあるんだぞということを、爆笑問題の太田さんと作家で学者の中沢新一さんが示してくれるような本です。発想と知識を織り交ぜて話し合っているようなところもあって、創造的対談とも言えたかもしれない、はっきり覚えていないけれど。
戦争=圧倒的な暴力。
「悲惨なもの」と従来は考えられてきたが、
悲惨なものなんて弱気なことを言ってないで、
大義のために戦えという風潮が起こりそうな気がする。
勝てば官軍なんだから、太平洋戦争みたいに負けなければいいんだという論理も。
超大国のアメリカがついてるんだから、もう負 -
Posted by ブクログ
太田がすきである。頭がよく、危なっかしい人だ。何か小難しい文章を書くのではないかと。その点では裏切られた。明快な言葉と流れで書いていた。上手とは言いがたいし、帯についていた「こんなに深いこと」でもない。それでも私は感激した。それを選ぶ太田が好ましいからだと思う。
爆笑問題のススメでみせるような、根本的な問題に真面目になったり、実体験を話す無防備な「ゼロ」に戻る状態もある。そうかと誠実に読んでいると、ふざけたものをいつの間にか混ぜていたりする。ゼロの読者を、外から傍観させるポイントのある、憎らしくも照れ笑いを誘う体験だ。ゼロと外のコントロールなんて、こんなものでいいのだと言っている気がした。ま