太田光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
―――それでも僕は語りたい。向田邦子の何処が特別なのか、何処が他と違うのか。―――
太田光の惜しみなく注がれる愛がすごい。
すきなものをかたるひとのきれいなことよ。
この本はまず構成が素晴らしい。
初心者にとっては、と前置きをつけておく。
向田邦子プレゼンが巧み。十分読みたいなという気にさせたあとに、短編の小説、エッセイをドドンと全文のっけちゃう。
個人的には、「ぼくはこんなふうに向田邦子を読んできた」でちょうどよく読みたくなってきたところ、小腹がすいた感のまま作品に没入したかったので、それぞれの小説やエッセイの直前の短文レビューは不要だったかな。
作品の感想すこしだけ。
備忘録程度に。
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Posted by ブクログ
憲法九条を世界遺産に
精神土壌の、無思考、思考停止、
素直に自分が思ってることを表現すると世の中からバッシング抹殺されかねない、いじめ、
西欧の合理主義やモダニズム→田中智学→危機的な日本の新しい方向性を示そうとした、
虐げられているもの弱いもの声を出さないものの声を聞き取らなければならない25
作者の意図と違うところで感動が生まれることの幅は芸術作品の力である
同じ場所にいても違う世界をみている、
誤解を伴ったディスコミュニケーションで世界は成り立って豊かになっている、
宗教法国家による単一の意味付けは世界との間に齟齬を生じる、
戦争の大きな概念正義こそが結果として人を
宮沢賢治
テ -
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実に、日本国憲法とは、一瞬の奇跡であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇跡の合作だった。しかし今、特に九条は次第に輝きを奪われつつあるように見える。この奇跡をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。
芸でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢。
宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。
中沢)宮沢賢治はディスコミュニケーションを乗り越えたいと思っていた。
他人の苦しみが自分の苦しみである状態を造りあげたいと思っていた。
世界を一つにするとい -
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憲法記念日なので、思い出して今さら読んだ。日本国憲法は66年前の今日施行された。
いちばん印象的だったのは、九条の理想を掲げるのは、軍隊を明文化するよりも覚悟のいることなのかもしれない、という部分。
自分は、ある種矛盾を抱えたこの憲法九条を大事にして、変えずにいたい。少なくとも、一時的な盛り上がりとか時代に合ってないとかの理由だけで、安易に改憲側になりたくないって思った。
あと印象的だった部分は、
・宮沢賢治が戦争に加担するかのような考え方を持ってたこと
・賢治は人と人だけでなく、人と動物との間の対立を乗り越えようと理想を追い求めたこと
・平和とは突き詰めると愛とはなにかという問題 -
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過去の蔵書も登録しておこうと思って、風邪気味の三連休に再読。
小泉純一郎元首相の話題があるけど、「ああ、そんな前に出版された本だったんだ(2006年初版)」。
現行の日本国憲法九条のネタだけでなく、宮沢賢治、田中智学、ドンキホーテをはじめとして会話は転がっていくけど、それは会話が転がっていく証拠で、ちょっとヒネた対談本ファンとしては醍醐味を感じる。
しかし、総選挙前のこの時期に読んだからか、太田光に一番共感できたのは、小泉純一郎に関して感じた部分だったりして。
オレには相容れない部分はあるんだよな。
(いい意味での)ペテン師というか、扇動者的な素養は評価するんだけど。まあ、そんな人が一 -
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ネタバレ朝日新聞で紹介されていたのと、爆笑問題の太田光と「アースダイバー」を書いた中沢新一の対談というのが面白そうで読んでみました。
私は珍しい組み合わせだな~とおもったけど、この二人はもともとメル友だったと書いてありました。
内容は、対談に初めと終わりに中沢新一の文章、中程に太田光の文章が入っていました。
九条を中心に憲法改正問題が出てきていますが、タイトルどおり九条についてあれこれを話しています。非常にいろいろな方面の話がひきあいに出されています。対談のためか、引き合いに出されても「○○の××という部分が△△だよね」といったくらいにしか触れられていないので、その○○を知らないと何を言っているか分 -
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話によるとこの本は太田光さんのエッセイ三部作の一番最後に出版されたそうです。しかし、僕が不勉強な限りで申し訳な意のですが、その辺の事情はまったくわからないで読んでしまいました。でも全く問題はないです。
この間この本が偶然あったので、 手にとって読んでみました。聞いた話によると、この本は太田光のエッセイ集三部作の最後のひとつらしいのですが、そんなことは露知らず、小一時間ほどで読み終えてしまいました。さらりとよめて、結構面白かったです。こういうエッセイが後に彼の短編小説である「マボロシの鳥」につながっていくのかと思うとなんだか感慨深いものがありました。
ここに書かれているのは1990年代の末 -
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この本は「お笑い」についての価値観を変えてしまうエッセイだと思う。「作品と聴衆の間に、翻訳者なるものがいれば、それは芸術になりうる」っと村上隆が言っていたが、まさにこの本、太田のエッセイは、「お笑い」と「お客」をつなぐ「翻訳者」になりうるものだと思った。
自分の表現、芸を説明するのは、本当にお笑いが好きで、本当に深く理解していない人しか出来ないだろうし、そう言った意味じゃ、太田さんは本当に「お笑い」が好きなんだろうなって感じる。
こうやって「笑い」の力、「表現」の力を解説してくれると、その力を信じてみたくなるから、とても不思議だなぁ。
◎以下本文から気になる点引用。
【大切なのはそれま