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Posted by ブクログ
話によるとこの本は太田光さんのエッセイ三部作の一番最後に出版されたそうです。しかし、僕が不勉強な限りで申し訳な意のですが、その辺の事情はまったくわからないで読んでしまいました。でも全く問題はないです。
この間この本が偶然あったので、 手にとって読んでみました。聞いた話によると、この本は太田光のエッセイ集三部作の最後のひとつらしいのですが、そんなことは露知らず、小一時間ほどで読み終えてしまいました。さらりとよめて、結構面白かったです。こういうエッセイが後に彼の短編小説である「マボロシの鳥」につながっていくのかと思うとなんだか感慨深いものがありました。
ここに書かれているのは1990年代の末期から2000年のあたりで、当時の太田光がどういう目線で世の中を見ていたのかが垣間見えてやはり、彼の視点は、シニカルだけれど、独特のユーモアがあってそこが彼の売りなんだということはかねてから知っていましたが、この本を読んで再確認ができました。しかし、僕が一番面白かった箇所は「十年」というタイトルのエッセイで、妻である太田光代さんと二人で籍を入れた日と、その十年後の結婚記念日で同じ渋谷にある台湾料理店で食事をしていたときのことがかかれてあって、結婚したときと十年目の結婚記念日に注文したメニューがフカヒレスープを除いて全て同じだったということや、
太田光代さんが結婚したときの食事の帰りに
「十年後のお互いに手紙を書こう」
と提案され、十年後に同じ台湾料理店でそのときお互いの書いた手紙を読む。その様子がなんとも仲睦まじく思えました。そのとき感じたことを彼はこう書いていて、以下に紹介すると、
「なんと幼かった事か。私たちは、何も知らなかった。あの時、ここでシジミを食べていた頼りない私達が、その後の十年の間に起きた様々な事をどうして解決出来たんだろう。それは奇跡のような気がした。」
と述懐されてあって、太田夫妻の『絆』の深さをうかがい知ることが出来ました。そのほかにもサッチーの学歴詐称問題や、神の国発言など、当時の雰囲気を忍ばせる旬の話が彼独自の切り口で紹介されてあって、今読んでも楽しく読むことが出来ると思います。
Posted by ブクログ
太田がすきである。頭がよく、危なっかしい人だ。何か小難しい文章を書くのではないかと。その点では裏切られた。明快な言葉と流れで書いていた。上手とは言いがたいし、帯についていた「こんなに深いこと」でもない。それでも私は感激した。それを選ぶ太田が好ましいからだと思う。
爆笑問題のススメでみせるような、根本的な問題に真面目になったり、実体験を話す無防備な「ゼロ」に戻る状態もある。そうかと誠実に読んでいると、ふざけたものをいつの間にか混ぜていたりする。ゼロの読者を、外から傍観させるポイントのある、憎らしくも照れ笑いを誘う体験だ。ゼロと外のコントロールなんて、こんなものでいいのだと言っている気がした。まさに意識における「トカトントン」。
高校の同級生を思い出した。非常にもてた男の子だったのだけど、私はいつも太田と被るなあと思っていた。飄々としていて、私と同レベルに物理のできが悪かったけれど、難しい漢字をいっぱい知っているような人だった。来年同窓会があるけれど、太田っぽさが薄れていたら嫌だなあなんて考えていたら、夢に出た。
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