赤根洋子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「本書は不遜な歴史書だ!」と帯にも「はじめに」にもありますが、そこまで不遜ではありません。著者が語るとおり「現代の基準で過去に裁定を下す」ということをしているため、通常の歴史書的な視点に欠けていますよ、ということです。歴史的事実を追うとか、歴史的意義を考えるだとかは従来の科学史専門書にまかせて、現代の科学とは結局なんなのかを考えたいということなんだと思います。その意味では、歴史を追いながら科学とはなんぞやというのを考えていく本だと思います。私はそのように読みましたし、そのように読むことで科学に対する認識を改めることができたように思います。
-
Posted by ブクログ
物凄い本だった。本書タイトルとあらすじは「タブー」と「マッド・サイエンティスト」的な所に思い切りフックのあるものになっていますが、本書を完読するとそういった単純さとはかけ離れた内容に驚嘆してしまいます。しかしタイトル・あらすじは本文の片面として確実に含まれており、その反対側の面(これはユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」まっしぐらの、人類永遠の課題かもしれません。)を熟慮するためには一冊分の内容が必要であるため、本書はこの引っ張りでこそ正しいのだと思います。
ある人物・ある分野を批判・否定する際に、その否定する理由が主に直感・感情・倫理である場合、完膚なきまでに完全に完璧に100%否定しきると、歴史が完全に断絶され、その人物・分野に含まれていた部分を再評価する動きが出来ていた時に、その分野が何故否定されていたのかすら分からなくなってしまうというこれ以上無い証拠を突きつけられた気分でした。
例えば私は、
長期に安定した実績のある「アルツハイマーを完全に克服する脳手術」があるとしたら、その誘惑に勝てる気がしない。
例えば私は、
双極性障害だが、私が初めて診断を受けた十三年前のその日に「実はこれを完治する安定的な脳手術があり、保険適用です。」と言われたら、どうしていたのだろうか? -
Posted by ブクログ
常人では考えられないような実験が、過去に行われていたことを知った。どう考えても、自分ではやろうと思えないことばかりであった。訳者あとがきにもあったが、「自己保存本能よりも知的好奇心が強い」という人間たちによって様々な実験が行われていたようだ。現在の医学(というよりも一般常識的)では考えられないような医療行為が行われていたが、そのような医療行為が現在行われていないのも、多くの研究者たちが人体実験を行なってきてくれたためであると思うと、人体実験を真っ向から否定しにくくなる(もちろん現在では倫理的にあり得ないことではあるが)。真っ当な医療をしてもらえる時代を作り上げてくれた多くの研究者たちに感謝したくなる良書であったと思う。
-
Posted by ブクログ
自分自身はパンダハガーでは全くないが、オバマ的な対中協調を重視する考えがあったのは事実。本書を読むとそれがいかに甘いかを実感させられるような事実が示されている。
米海軍の太平洋部隊の歴史から始まり、1995年の台湾海峡危機と中国海軍の発展、2001年に起きた海南島事件、2013年末に南シナ海で遼寧とその周囲の揚陸艦との間に起きたカウペンス事件、2014年のリムパックに情報収集船が現れた事件、同年8月のポセイドン事件など。
それに対して力をつける米海軍の話も出ていて、ズムウォルト級、レールガン、無人艦上戦闘機、海軍の増強に乗り出すトランプ政権についてなど。