【感想・ネタバレ】直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足のレビュー

あらすじ

「定説となっている考えを、論理的に打ち砕く破壊力を持っている」
――更科功氏、驚愕!

生命40億年の歴史のなかで、人類だけが直立二足歩行をして生き延びた。
それはいったいなぜなのか?
直立二足歩行の起源とは?

現役バリバリの古人類学者にして、「足と足首の専門家」である著者が、レジェンド人類化石や最新化石、さらには現代人の歩行や二足歩行ロボットの研究現場までを訪ね歩き、この永遠の疑問に迫る、痛快科学ノンフィクション。

これまで積み上げられてきた人類史は、いま大きく動こうとしているのか。人類が立ちあがったのではなく、チンパンジーが手をついた? さまざまな歩き方の人類があちこちでさかんに歩き回っていた? 人間が人間になれたことに、二足歩行はどう役立ったのか?

現在もっとも熱い分野の最先端の現場を生き生きと楽しく活写する、古人類学愛に満ちた一冊。読めばきっと、すばらしく便利でものすごく不便なこの二本の足が愛おしくなる。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

直立二足歩行の観点から人類の進化を再考察した楽しい科学。

人類の進化の過程、600万年前に直立二足歩行した類人猿とナックルウォークを身につけた後のチンパンジーに系統分離。

ホモ・サピエンスに至るまで他の種それも二足歩行の人類が共存していたという。

なぜ直立二足歩行を選択し生き残ったのか、科学的な内容を巧みな描写で伝える一冊。

サイエンスに関する本は時に知的好奇心を満足させてくれる。

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2022年11月08日

Posted by ブクログ

著者のデシルヴァはダートマス大学人類学部教授。ボストン科学博物館でサイエンス・エデュケーターをしていた経験もあって、人類の直立二足歩行をめぐるよもやま話、トリビアが満載。脳科学や文化史への言及もある。かなり広く多様な議論を紹介している。逆に、情報量は多い分、メリハリに欠けるのが難。
研究者としては、2019年のラエトリの足跡遺跡の再調査にも参加している。その結果を受けて、ヒトの直立二足歩行の進化は漸次的・直線的なものではない可能性を指摘している。(日経サイエンス2023年6月号、デシルヴァ「覆る直立二足歩行の進化史」参照。)

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白い。
そもそも進化して人類が直立二足歩行になったのではなく、人類とチンパンジー等の共通祖先がもともと直立二足歩行に近い形で歩いてて、ナックルウォークする類人猿の四足歩行がむしろ進化したのではないか説。

信憑性がある。

個人的にはサヘラントロプス・チャデンシスのあの感じも類人猿だと思ってるので、ただただ「直立二足歩行」をヒトの定義にしちゃったのがいけないんじゃないですかね?

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2024年08月13日

Posted by ブクログ

人類学の最新の学説(著者関与の者含む)に基づき、進化の系統樹が多方向であるという事例を「ホミニン(ヒト属)においても同様である」としつつ、直立二足歩行こそ、ヒトをヒトたらしめた要因であると紹介した著作。

読後に自分の二足歩行を確かめずにはいられなくなる本。

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2023年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすい訳で良かった…。特に印象深いのは出産のために広い骨盤だと言われていたが実は赤ちゃんを抱いて歩くのに適した骨盤にしたからだ。という説は驚いた。

通説を覆したり新しい説が出てくるのを知れるのはすごく嬉しいし楽しくてそうだったのか〜!と思えてありがたい。刺激的。
常に情報はアップデートされていくから追いかけるのは大変だし前読んだ本にはこう書いてあったからそうだろうと思い込むのは良くないなと反省した。

確かに女性はお産があるから二足歩行が苦手説は言われれば納得しちゃう話だなぁ。
お産関係や赤ちゃんのハイハイは興味深かった。
ハイハイせずに立ち上がったりするんだ…産後の成長具合の話は親にとっては心配してしまうことだから何の責任もない適当なネットの記事に踊らされるのは可哀想だと思う。でも忙しいから本読む時間も難しいよね…

スピードは男性有利だが持久系は女性が有利(筋肉の疲労)な話も面白かったな。

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2023年01月20日

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