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本書は不遜な歴史書だ!
ギリシャの「科学」はポエムにすぎない。
物理こそ科学のさきがけであり、科学の中の科学である。
化学、生物学は物理学に数百年遅れていた。
数学は科学とは違う――。
1979年のノーベル物理学賞を受賞した著者が、
テキサス大学の教養課程の学部生にむけて行っていた講義のノートをもとに
綴られた本書は、欧米で科学者、歴史学者、哲学者をも巻きこんだ大論争の書となった。
「美しくあれかし」というイデアから論理を打ち立てたギリシャの時代の哲学が
いかに科学ではないか。アリストテレスやプラトンは、今日の基準からすればいかに
誤っていたか。容赦なく現代の科学者の目で過去を裁くことで、
「観察」「実験」「実証」をもとにした「科学」が成立するまでの歴史が姿を現す。
解説・大栗博司 (理論物理学者)
Posted by ブクログ 2023年02月25日
紀元前から物質の最小単位は存在すると言われていた!みたいな話を聞いても、色々適当言う中で偶々現代の事実と合うことを言った人がいただけだろう、と言う気持ちにしかならなかった。ワインバーグは当時のこれらは科学ではなくポエムだと言う。それを読むだけでもスッキリ。
では科学とは何でどこからが科学なのか?
中...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月03日
「本書は不遜な歴史書だ!」と帯にも「はじめに」にもありますが、そこまで不遜ではありません。著者が語るとおり「現代の基準で過去に裁定を下す」ということをしているため、通常の歴史書的な視点に欠けていますよ、ということです。歴史的事実を追うとか、歴史的意義を考えるだとかは従来の科学史専門書にまかせて、現代...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月24日
著者のように物理学をやっている人から見たら,科学哲学など,科学研究の推進力にはならないと考えるでしょうね。例えば,ギリシャ自然哲学(アリストテレスなど)にはかなり手厳しい感じがします。でも,「現代アート」はそれまでのアートがあってこそなのと同様,それがなければもっと早く科学が展開してきたかというとよ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月17日
ノーベル賞を受賞した物理学者が書いた科学史。古代ギリシアにおける物理学・天文学の発展からアリストテレス、プトレマイオス、ローマ帝国時代、アラブ世界へ。コペルニクス、ケプラー、ガリレオと進んで革命者ニュートンが登場する。ワインバーグの歴史に関する博識と、文章のわかりやすさにびっくりしました。
ワインバ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月25日
アリストテレスは何かと賢人として持ち上げられるが、その主張はなにかしっくり来なかった。ものには目的があるといわれてもまあ、そういう見方もしてもいいかくらいの説得力しか私にはなかった。
それはアリストテレスの理論が科学ではなかったからだ。
プトレマイオスの天動説は理論としては間違いだったことがはっきり...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月03日
詩的な自然哲学者たちに何より欠けていると思われるのは、必ず実証を求めるというこの態度なのである。
現代の科学者の考え方とはむしろ、「超自然的な存在の介入を想定せずにどこまで行けるか考えてみよう」というものである。科学はこのような方法でしか研究できない。
キリスト教徒が迫害されたのは、ローマの宗教を公...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月13日
最近出たワインバーグさんの本
古典力学,科学的手法がいかにして
確立されていったか
という話
山本義隆さんの本とか板倉聖宣さんの本を
読んでる自分にとってはそんなに新鮮さはなかったかな
他の本は比較的,歴史の記述という点に焦点が
置かれている気がするのに対して
この本は,ワインバーグさんの主観...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月16日
古代ギリシアから量子力学まで、科学の歴史を俯瞰する講義を基にした本。古代ギリシアの哲学者は世界史でも習うが、その詳細が一番興味深かった。実験や事実と照らし合わせて理論を確立していく現在の科学的手法が取られるまで非常に長い年数がかかった。現代の考察を基準に過去の科学者を評価することはウィッグ史観とは別...続きを読む
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