【感想・ネタバレ】米中海戦はもう始まっている 21世紀の太平洋戦争のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年08月24日

自分自身はパンダハガーでは全くないが、オバマ的な対中協調を重視する考えがあったのは事実。本書を読むとそれがいかに甘いかを実感させられるような事実が示されている。
米海軍の太平洋部隊の歴史から始まり、1995年の台湾海峡危機と中国海軍の発展、2001年に起きた海南島事件、2013年末に南シナ海で遼寧と...続きを読むその周囲の揚陸艦との間に起きたカウペンス事件、2014年のリムパックに情報収集船が現れた事件、同年8月のポセイドン事件など。
それに対して力をつける米海軍の話も出ていて、ズムウォルト級、レールガン、無人艦上戦闘機、海軍の増強に乗り出すトランプ政権についてなど。

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Posted by ブクログ 2018年08月26日

米中の東シナ海、南シナ海を巡る戦争(のようなもの)について、
いくつかの象徴的な事件を具体的に紐解いている。

オバマ政権の対中政策がいかに愚策だったのか、
そのもどかしさを感じずにはおれない、そんな内容となっている。

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Posted by ブクログ 2018年04月18日

日本海、西太平洋で以前より一層過激な行動に出ている中国軍。その最前線で対峙するアメリカ海軍がどのような状況にあるのかを、過去に発生した事件(艦艇のニアミスや、航空機の異常接近など)の詳細な内容と、軍高官へのインタビューから描く本。
かつてソ連と対峙した時には「冷戦」と呼ばれていましたが、その当時はア...続きを読むメリカ、ソ連ともに最前線での小さなトラブルや事件が本格的な戦闘へ拡大しないようにお互いが守るべき暗黙のルールがありました。
ところが昨今の中国軍の振る舞いには、そのような暗黙のルールは存在せず、アメリカ軍からみると「何をしでかすかわからない」という危機感があり、アメリカ軍がそのように考えざるを得なくなった事例を詳しく紹介しています。
オバマ政権時代の「中国を対話のステージに引き込み、対話によって御する」という考え方は完全に誤りであったと現職アメリカ軍高官が断言していて、「中国相手には決して弱腰を見せてはならない」という方針に変わりつつあります。
かつてのソ連より過激な行動をとる中国軍ですが、アメリカ軍相手にはまだ本格的な威圧には至らない一方で、日本やフィリピンなど太平洋沿岸で中国よりも国力の劣る(と中国が認識している)国相手には、艦艇の体当たりなど容赦ない威圧を加えてきています。
中国相手に主張を通すには、中国が本格的な軍事衝突を躊躇する程度の軍事力が必要ということなのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2018年02月18日

アメリカ人軍事ジャーナリストが、主にオバマ政権下の太平洋艦隊周辺の取材を基に、太平洋を舞台に繰り広げられている、冷たい戦争でも熱い戦争でもない「暖かい戦争」を書く。
海南島事件、カウペンス事件、インペッカブル事件など、陸から遠く離れた太平洋上で起きている米中の危険な摩擦の実態がよくわかる。
海自の艦...続きを読む艇や空自の戦闘機も、中国軍による異常接近などのハラスメントを受けており、詳細はわからないものの、本書で紹介されている事件と似たような状況であることが推察され、日本としても他人事ではない。
艦艇は情報収集の際、相手に気付かれぬように電波管制を行うことが書かれているが、もしかすると最近の米海軍絡みの海事事故にはこれが絡んでるのもあったりして。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年04月25日

【228冊目】2000年代以降での西太平洋における米中海軍の衝突を並べ、熱戦でも冷戦でもない「温かい戦争」が現在進行形で発生しているということを示唆する本。購入時の期待よりは面白かった。きっと軽く読むべき本。

 先に読んだ本「中国はなぜ軍拡を続けるのか」が、その軍拡路線にもかかわらず中国人民解放軍...続きを読むの装備資機材や兵士の練度を比較的小さめに認識したのとは対照的に、本書は人民解放軍海軍の振る舞いを脅威ととらえるべきというのが基本主張であるから、その対比として読んでも興味深かった。

 本書で紹介されている最低限覚えておくべき事件は、
・2001年「海南島事件」
・2013年「カウペンス号事件」
・2014年「北極星号事件」(217ページ)

 人民解放軍海軍が西太平洋地域においてかなり強気の姿勢に出ている一方、オバマ政権の対中融和路線(あるいは筆者が及び腰と呼ぶもの)が中国を増長させたのではないかとの印象が読後に強い印象として残った。
 
 本書を読むと中国のことが嫌いになるのは間違いないと思うが(笑)、「一読すれば分かる通り、本書はもっぱらアメリカ側の視点から書かれている。簡単に言えば、アメリカ軍人は正義のヒーロー、中国の政治指導者や軍高官は悪役もしくは準悪役である」と筆者が冒頭で宣言していることから、読む前から頭の中で補正をかけることはできる。ただ、そうであっても、読後の中国に対する印象は最悪(笑)アメリカが常に正しいとも思わないけど。

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