岡潔のレビュー一覧
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岡潔の名前を見ると、つい手に取ってしまう。『春宵十話』も『春風夏雨』も角川ソフィアから発売されたことが実に嬉しい。
数学の教科書に写真が載っていたほど有名な数学者なのだが、こうした著作を読んでいると、日々ほのぼのと、しかしながら心の眼は炯炯とした変わったおじいさんである。
私が、岡潔に惹かれるのは、読んでいると自分の感じていることを一つ外側から見つめることが出来る時間に出会えるからだと思う。
思う、とか、感じる、と言うことの大切さを改めて実感出来るのである。
美しさというものの見つめ方、心というものの在り方、それらを分かりやすく伝えられることにいつも驚く。
難しい言葉でごにょごにょ言う -
Posted by ブクログ
この度、角川ソフィア文庫から『春宵十話』と『春風夏雨』が同時に出版されたと聞いて、すぐに手に取った。
岡潔の著作と出会ってまだ日が浅いなりに、この人の文章は本当に味読しなくてはならない気持ちになる。
偉大なる数学者が、「ひと」というものを語る時、なんとその愛情豊かなことか。
小我=無明に囚われてはいけない、と繰り返し岡潔は説く。
心が在って、自然が有る。
けれど、ともすれば我々は無明に感けてしまう。それほどに、人間の持つ欲の力は強大で魅惑的なのである。
岡潔が数学と向き合う、その様を、恐らく私は一生経験することがないのではないか、と感じている。
けれど、持つべき心構えを知るというこ -
Posted by ブクログ
“読め”はするが、本当に読むことが、難解であると感じる一冊だった。おそらく自分の知識量では解像度が低いだろう。例えば、ドストエフスキーとトルストイの対比について論じられているとき、もちろん作品のことについても論じられるのだけど、作品のあらすじしか知らない自分にとっては、特に解像度が低い。そういった意味では、この本で述べられている、物語を読み、人物を知り、数学を少し学んだりして、また本書を読んでみると新しい観点や、発見があるだろうから、今後も読み返したい。本書の素人目線の感想としては、岡先生がこんなに文学に関わっているとは知らなかった。私にはまだ、問題さえ理解もできないような問題を解決した大数学
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Posted by ブクログ
普段使ってない脳みそを使って読んだ感じ、まさに筋トレというか脳トレ…!教育分野に関しても言及されていて、とくに素読教育の是非はわたしも賛成。初等教育の時点では子供たちはスポンジのように知識をスイスイ吸収していくので、九九だけと言わず、国語分野でも素読を入れるのは良いかもしれない。ちなみに教育に携わる者の給料が薄給なのはこの時代からだったのか…
p.115
小林 言葉と言うものを、主人はそれくらい信用していると言う、そのことなのです。言葉の組み合わせとか、発明とか、そういうことで新しい言葉の世界をまた作り出している。それがある新しい意味を持つことが価値ですね。それと同じように、数学者は、数 -
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読書会でお借りした本、その2。
岡潔という数学者のお名前は、SNSか何かで見かけたことがあるようなないような…、程度の知識で読み始めた。
何やらその分野ではもの凄い偉人であるらしい。
数学者の大偉人…。
さて、どんなエッセイだろう…、とページをめくった1行目。
人の中心は情緒である。
おおっ。
…えっと…、この場合の情緒とは
わたしの思っている情緒と同じなのかしら。
読んでいくうちに自分の持っている概念が岡先生と同じものなのかわからなくなってくる。
少し古めかしさも残る美しい日本語、
突然引用される俳句、連歌。
1960年代には当たり前に持っていた、もしくは人によってはギリギリ弁え -
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数学者、岡潔の随筆書。彼の生い立ちや、考え方が記されていた。
一貫して主張されているのは、「人間の中心は情緒である」ということ。
事物との接し方について、考え直すきっかけとなった。
何かに取り組むとき、何かの目的のもと目的達成のためのあくまで過程としか考えていなかった。
例えば勉強はあくまで試験に通過するためのもののように。
目的が主体となり、現実の事物を軽んじてきたことに、中身の無い物足りなさを感じていた自分の感覚が明確なものになった。
目的への執着、色々な欲を一旦置いて目の前の事物と純粋に向き合いたいなと思った。
向き合った上で自分が納得することが大切だと分かった。
また、以下の