あらすじ
「生命というのは、ひっきょうメロディーにほかならない。日本ふうにいえば“しらべ”なのである」科学から芸術や学問まで、岡の縦横無尽な思考の豊かさを堪能できる幻の名著。待望の復刊!解説:茂木健一郎
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Posted by ブクログ
数学者であり、教育者であり、思想家であった岡潔。戦後の日本の世相にふれるなかで感じた憂いとは、これからの日本の進む道とは。
岡潔の遺した言葉は、力強くかつ自由である。その文章を読むたびに、頭で理解することより、心で感じることを求められているような気がする。
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大数学者、岡潔氏のエッセイ。
仏教に造詣が深く、仏教的視点で、自己について、善行について、日本の現状についてなど様々な問題について語っている。
彼の純粋な「情緒」にふれると、精神が浄化されるようだ。
メロディーの深め方
情緒のメロディーを深める。これによって世界から歓びを得ることができる。どんなに世界が素晴らしくても、メロディーを奏でる琴線緩んでいては、メロディーは響かない。メロディーを深める方法を筆者は伝えたいのだと感じた。
Posted by ブクログ
最近生まれた初孫と同じ誕生日の著名人を調べていたら岡潔の名前が出てきた。十数年前に「春宵十話」を読んだがあまりピンとこなくて古本屋に手放してしまったが、今回改めて本書と春宵十話を購入した。
岡潔は大数学者として有名だが、数学に没頭している状態と禅の世界の本質は同じという。自我を抑止して大自然の無差別知の働くに任せること。小我(無明)を離れて大我に生きること。無差別知の情的内容は心の悦び、知的内容は純数直観、真我の心は慈悲心だという。
本書における氏の言葉は、直観に導かれ体験に裏付けられているので、自由で確信に満ちながら教条的でなく詩的である。