【感想・ネタバレ】数学する人生(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

日本が誇る世界的数学者にして、畑仕事と研究だけに没頭した孤高の人――。数学の枠にとどまらない、その思想エッセンスを余すところなく一冊に凝縮。「人は本来、物質的自然の中に住んでいるのではなくて、魚が水の中に住んでいるように、心の中に住んでいます」と語る哲学的にして詩的な世界観を、小林秀雄賞を最年少で受賞し、岡に私淑する俊英の編集により完全再現した驚異的選集。(解説・角川祐司)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

通読できたわけではないから、いずれまた読み返して 今度は通読できたらと思う。
社会→自然界→法界、より大きな外側へ意識を向けていくことで得られる境地がある。自分はまだ法界というものを実体験として感じたことがないが、いつかそこに辿り着けるよう人生を刻んでいきたい。

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2024年10月14日

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ネタバレ

情緒、人の在り方、自然とは。
数学者が言語化して残そうとした、日本的世界観を著者の岡潔さんにできるだけ寄り添う解釈が伝わる。何かを極めた時に、人は同じ境地に至るという。自然が好きな私に、刺激的であり、そんな見方考え方があったのか、もっともっと歴史や文学を知りたいと思わせる本と出会うことができた。著者の努力と岡潔の存在に感謝します。

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2022年10月27日

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芭蕉や夏目漱石をこよなく愛した世界的数学者が辿り着いた、喜び溢れる生を生きるための視座。科学と宗教と哲学が、美しく有機的に繋がっていき、人生とは何かに迫る。

でも、数学者が哲学者になったんではない。日本という土地で、素直に数学を突き詰めていった先に、日本文学や仏教が自然と溶け込んできて、一体の学びとして開花したのだ。
「情緒とは何か?」を語りつつも、定義を名言しない姿勢には、國分功一郎先生が『原子力時代の哲学』でとりあげたハイデガーが『放下』で展開した姿勢にも似たものを感じた。考え方、そのプロセス自体の再検討。

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2021年10月18日

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日本の誇る数学者である岡潔さんの講義やエッセイ。
好きになった数学を、探求し続けた岡さんの生きてきた軌跡を垣間見れる一冊。
俳句、絵画、芸術、仏教、日本文化などにも造詣が深く、それが数学にもつながってきたりする「岡さんが見つめてきた世界」を一緒に見ている気分になってくる。

どんな分野でも世界的な偉業を成し遂げるような人は、視野はとてつもなく広く、独特の視点から見つめる先を深く深く掘り下げ、自らの立場に立ち返って視座を高めている。そして、誰も追いつけない高みに到達している。
そのほんの一旦でもいいから、近づきたいとの思いから、日々悶絶している凡人には眩しすぎる。でも、見つめずにはいられない憧れとなる。尊敬する偉人の一人。

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2020年09月27日

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学問が細分化されていく現代で情緒ある研究をできている人がどれほどいるのだろう。
岡潔は振り切っていたから、ほぼ無職状態の時に大業を成し遂げたが、
研究に「競争」の概念がやたらと持ち込まれ始めた現代のアカデミアで同じことをするのには制度的、精神的、経済的にも大きな壁がたくさんあることだろう。
現代の学問は岡潔の見ていた世界に立ち戻ることはできるのだろうか。

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2020年08月29日

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理解しようとしたけど難しかった。
第三章の「いのち」と「宗教について」はちょっと分かったような気がした。
「情緒」が難しい。森田氏や魚川氏が噛み砕いて段階的に分かりやすくなったような気がするけどやっぱり難しい。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

数学者という人たちがどんなものなのか、興味を持って読む。頭の中のキャンバスに絵を変えていくように問題を解いていくという、なんも参考にはならない情報。うらやましいなと。

哲学的な考察が興味深い。自分というものは物理的な自分ではない。そんな狭い自分の定義のなかから楽しみや幸せを生み出すことはできない。そうではなく、自分が興味を持った、その対象を含めて自分なのである。花を思えば、その花を含めて自分なのである。そのものの見方によれば、生きることの面白さは格段に広がる、と。

突き詰めて考える人なのだな。

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2025年03月23日

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最終講義の章にこの本の全てが詰まってる気がする。ここだけでも何度も読んだら面白い。

後半ほとんどの生い立ちのところは面白くなかった

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

数学という研究をしてきた、岡潔さんは、戦後を生きる為に必要だった、宗教に出会い、それを自身の生活の中に馴染ませ、生きようしていた事がわかる。
岡潔さんのいう、外界と自身が溶け合っていく事が、宗教的であるという説明が、何となく腑に落ちた。メンター的存在がいたらと私自身思ってはいるもののなかなか出会う事ができない、しかしながら、岡潔さんのように先人達から学ぶという在り方もあるのだなぁ、と思ったが、なかなか読解力と理解力が必要なのだろうと想像できる。

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2024年01月10日

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土井善晴先生の書籍からまさかの岡潔へ
松尾芭蕉や日本絵画、情緒についてなど数学以外にも深く通じていて、数学だけではない、視野広さと考えの深さがとてつもないと感じる
岡潔の生涯からなにか1つでも気づきを得たくなってきたので、さらに読んでみようと思う

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2023年11月26日

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本を読むと時々、時間が流れていく感覚を静かに、だけど力強く感じることがある。だからヴァージニア・ウルフの小説が好きなんだけど、あの時と同じ感覚になった。数学は苦手だけど、ずっと手元に置いておきたい本。

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2021年11月28日

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昭和の数学者、岡潔の講義録とエッセイを彼のファンで同じく数学者の著者がまとめたものである。本書を手に取るまで、岡氏のことを知らなかったが、数学を志す人には有名らしい。数学の研究で日本政府から勲章を受けている。
京都大学で学び、フランスに3年間政府から派遣されて留学し、帰国後は関西地方の大学で教鞭をとりながら数学の研究に没頭した著者。彼の研究や発見がどの程度すごいのかは私には理解できないが、破天荒な人物だということが彼のエッセイから分かる。
理系の人というと、どちらかというと言語にこだわらない印象があるが、彼のすごいところは、文章にも極めて長けているところだ。特に、「情緒」ということばで表される独特の感覚、彼自身も定義していないので、読者は読み進めながら自分で理解していくしかない。彼はフランスで見聞きしたものから、日本文化を考えるようになり、その根源として俳句、特に松尾芭蕉を研究していく。
彼の俳句のすごさも残念ながら私には理解できないが、言葉の美しさは感じられる。数学と相対するものに思えるのだが、彼がいうに、そうではなくて、数学も情緒から生まれるものなんだそうだ。
一部、消化不良というか、私の理解が追い付かない箇所があったが、響く人にはわかるのだと思う。

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2022年04月13日

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 寺田寅彦さん、湯川秀樹さん、最近では福岡伸一さん等々、科学の世界で超一流の方々で思索的な文章の達人は数多くいらっしゃいますね。岡潔さんの著作(もちろん数学の専門書ではなく)にはとても関心があって、以前も、小林秀雄さんとの対談「人間の建設」を読んでみています。しかし、ダメですね。「人間の建設」のときもそうだったのですが、私の場合、理解するに必要な最低限の知識がないことに加え、論旨を辿る理解力も決定的に欠けているんですね。折角の名著なのに申し訳ないことです。

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2019年10月20日

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難しい…(笑)仰って居る事は何となく、唯識思想のような気もしますが、解説の魚川さんも書かれているように188頁「これで情緒とはどういうものかおわかりくださったと思います」の後には「いや解んねえっす」と突っ込んだクチです。ですので、この解説を読むと、なるほどなるほど!と思える事が非常に多く、それに何よりこの一冊が非常に色鮮やかな情緒に溢れている事にも気付かされるという仕組み。
初見でさらっと読んで解る方には、この感想もばかじゃねえの?ってレベルなんですけど…
書架に置いておいて、気の付いた時に読み返したいような。

あとは写真がどれも良いのでそれだけでも!

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2019年05月30日

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編者の森田真生氏は、『数学する身体』で最年少での小林秀雄賞を受賞したということで、私の周りでは小さな盛り上がりを見せた(笑)

で、ふと文庫新刊コーナーを見ると、ばーんと岡潔が載っているじゃないか!ということで購入。

「毎日新聞の連載をまとめた最初の著書『春宵十話』のはしがきは『人の中心は情緒である』という宣言に始まる。ところが、肝心の『情緒』が何かというと、いまひとつはっきりしない。岡はこの言葉を繰り返し用いながらも、それを明瞭に『定義』することを避けるのだ。」

また、「情緒」という言葉に内容を与えていこうとする挑戦、とも言っていて、上手いなあと思う。
では、そんな「情緒」を追っていくと、今度は岡潔の最終講義にこう出て来る。

「外的状況があると、心が同化してその彩りになる。これが情緒です。つまり、情緒という形で外的状況の影が映る。ところで、外的状況は複雑で、その中には大切なものもあれば、そうでないものもある。俳句とはどういうものかといいますと、外的状況をできるだけ簡単にして、そこから同じような情緒を起こさせようとする。どこまで簡単にするかというと『五、七、五』でいえてしまうところまで簡単にするのです。はじめからある情緒と、簡潔化してそれを映して得た情報とが本質的に違わなければ、俳句は成功したといえるのですね。」

私の中で、すんなりと染みた説明だったので、長くなったが引用した。

「もののあはれ」はどこから来るのか。
なぜ何かに美しいと感じたり、じーんとするのか。
分からないけど、分かっているアンテナが、自分の中にはあるのだろう。

この、感じ、を時々中心に据えることで、日々の捉え方が少し変わるように思う。
すぐ忘れてしまう、感じ、なのだけど。
だから、岡潔は読むべきだと思う。

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2019年04月01日

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