岡潔のレビュー一覧

  • 春宵十話

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    人の中心は情緒である という書き出しで始まる
    日本文化の特性がこの情緒を土台に組み立てられていることや、それがいかに美しい心情を生み出してきたかを様々な側面から論じている。
    そして昨今の教育制度がいかにこの情緒的中心が失われ、それによって子供たちの創造性が阻害されてきたか警鐘を鳴らす

    特に前半はあるべき日本人観のようなものが書かれていて名著。日本有数の数学者が書いている点も大変興味深い

    情緒とは自然が人間に差し出してくれるもの を指していると解説にあった

    人の人たる道をどんどん踏み込んでいけば宗教に到達せざるを得ない。
    人の悲しみがわかること、そして自分もまた悲しいと感じることが宗教の本質ではなかろうか。キリストのいう愛も同じことを言ってると思う。
    宗教の世界には自他の対立はなく、安息が得られる。しかしまた自他対立のない世界には向上もなく理想もない。だから自分は、純理性の世界だけでも、宗教的世界だけでもやっていけず、両方を兼ね備えた世界で生存し続けるであろう。


    秩序を保っているのは法律ではない。それは道義心に他ならない。義務教育は、この道義的センスをつけることに尽きる。

    1、2、3歳は母が愛と信とを教え、4、5、6は父が信と欲とを教えると良い。

    漱石 自分の小説は少なくとも諸君の家庭に悪趣味を持ち込むことだけはしない

    宇宙があるから地球があるのではなく、たった一つ奇跡の地球のために宇宙があるのかもしれない

    真実美は、求めれば求めるほどわからなくなるものだと思う。わからないものだということを一般の人がわかれば、それだけでも文化水準は上がるに違いない。

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    2024年01月30日
  • 春宵十話

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    人の中心は情緒である。日本人とは何か?人間とは?この世界とは?を考えるためのヒントを沢山頂ける逸出した随筆。

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    2023年06月05日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    ネタバレ

    情緒、人の在り方、自然とは。
    数学者が言語化して残そうとした、日本的世界観を著者の岡潔さんにできるだけ寄り添う解釈が伝わる。何かを極めた時に、人は同じ境地に至るという。自然が好きな私に、刺激的であり、そんな見方考え方があったのか、もっともっと歴史や文学を知りたいと思わせる本と出会うことができた。著者の努力と岡潔の存在に感謝します。

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    2022年10月27日
  • 紫の火花

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    日本の数学者である、、岡潔さんのエッセー集。
    情緒、独創、教育について、独自の視点で語りかけてくれる。
    今時の言葉で言えば、センスを磨く哲学のように感じる。
    技術だけではなく、センスを磨くことで秀でた知性に昇華するのだろう。
    何度も読み返したい一冊。

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    2022年01月05日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    芭蕉や夏目漱石をこよなく愛した世界的数学者が辿り着いた、喜び溢れる生を生きるための視座。科学と宗教と哲学が、美しく有機的に繋がっていき、人生とは何かに迫る。

    でも、数学者が哲学者になったんではない。日本という土地で、素直に数学を突き詰めていった先に、日本文学や仏教が自然と溶け込んできて、一体の学びとして開花したのだ。
    「情緒とは何か?」を語りつつも、定義を名言しない姿勢には、國分功一郎先生が『原子力時代の哲学』でとりあげたハイデガーが『放下』で展開した姿勢にも似たものを感じた。考え方、そのプロセス自体の再検討。

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    2021年10月18日
  • 岡潔 数学を志す人に

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    岡潔さんのことを知ることができたのは、つい最近のことです。

    人は壁の中に住んでいるのではなくて、すき間でこそ成長する。すき間を長くしなければ到底智力が働くことはできまいと思われます。

    人が数学をし、人が教育し、またされるのである。

    心の世界は数学の使えない世界、これに反して物質の世界は数学の使える世界。

    欧米に於いては自然科学はだいたい物質主義で、社会主義の人達に対しては、完全な物質主義である。

    自然科学で到底乗り越えられそうもない二つの難問題。一つは物質が常に諸法則を守って決して違背しないのはなぜだろうということと、もう一つは時間、空間、特に時間とはなんだろうという問題。

    この本で気になった部分のいくつかを引用しました。

    もっと岡潔さんの本を読ませていただきたいです。

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    2021年06月01日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    日本の誇る数学者である岡潔さんの講義やエッセイ。
    好きになった数学を、探求し続けた岡さんの生きてきた軌跡を垣間見れる一冊。
    俳句、絵画、芸術、仏教、日本文化などにも造詣が深く、それが数学にもつながってきたりする「岡さんが見つめてきた世界」を一緒に見ている気分になってくる。

    どんな分野でも世界的な偉業を成し遂げるような人は、視野はとてつもなく広く、独特の視点から見つめる先を深く深く掘り下げ、自らの立場に立ち返って視座を高めている。そして、誰も追いつけない高みに到達している。
    そのほんの一旦でもいいから、近づきたいとの思いから、日々悶絶している凡人には眩しすぎる。でも、見つめずにはいられない憧れとなる。尊敬する偉人の一人。

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    2020年09月27日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    学問が細分化されていく現代で情緒ある研究をできている人がどれほどいるのだろう。
    岡潔は振り切っていたから、ほぼ無職状態の時に大業を成し遂げたが、
    研究に「競争」の概念がやたらと持ち込まれ始めた現代のアカデミアで同じことをするのには制度的、精神的、経済的にも大きな壁がたくさんあることだろう。
    現代の学問は岡潔の見ていた世界に立ち戻ることはできるのだろうか。

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    2020年08月29日
  • 春宵十話

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    ネタバレ

    娘が学芸大学に行っているので教育学を学んでいる学生たちのことを聞いてみたが、ひどいものだと思った。「何々教育学」というものがそこら中いちめんにあり、必ず出席をとるだけでなく試験をする。おもしろくもないのを覚えなければならない。ゼミナールだ、講義だといって自分の勉強はちっともしていない。こうして本来のものからはずれたものになり、理性が理性として働かず、鉛のさびをかぶせたようになってしまう。
     こういう人たちが先生になり、その調子で教える。義務教育の子に遊ぶひまもないくらいいろんなことを教え込む。その結果、子供たちは、わかってもわかっていなくてもぼうっとしていることになり、いろいろなセンスが欠けて正義心、廉恥心も働かなくなるのだ。
    近ごろは集団として考え、また行動するようしつけているらしいが、これこそ頭をだめにしてしまう近道だと思う。人の基本的なアビリティーである他人の感情がわかるということ、物を判断するということ、これは個人が持っているアビリティーであって、決して集団に与えられたアビリティーではない。学生たちに最初から集団について教え、集団的に行動する習慣をつけさせれば、数人寄ってディスカッションをしないと物を考えられなくなる。しかしそれでは少なくとも深いことは何一つわからないのだ。

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    2020年03月08日
  • 春宵十話

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    約50年前に書かれた書物であるが、内容は今でも全く色あせていない。
    「人の心には情緒がある」
    著者は、日本文化の特性がこの情緒を土台に組み立てられていることや、それがいかに美しい情緒を生み出してきたかを、様々な側面から論じている。
    また、戦後の新教育制度の中で、いかにこの情緒的中心が教育の現場から排除されてしまっているか、それによっていかいに子どもたちの創造性が阻害されたかを示して、警笛を鳴らした。
    P200

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    2018年10月12日
  • 岡潔 数学を志す人に

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    初めて岡氏の著作を読むにはとても入りやすい本だと思います。センテンス毎に著作時の年齢があるのも嬉しい。もちろん巻末には著者についての解説と著作紹介があります。

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    2016年02月14日
  • 紫の火花

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     岡潔は、心をなるべく論理的に説明しようとしてる。また、この本は自分がどのように数学の仕事や先生の仕事をやっているかも書いていた。それを読んで、自分も昔経験した覚えのあることがいくつかあった。
     情報をそのまま記憶するのではなく、どうしてそうなるのかを考え解決した時に感じる心の震えを情緒と読んでるのではないかと思う。この一連の流れは今の時代大事なものではないかと思う。

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    2026年09月18日
  • 春宵十話

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    Iさんから。明治期日本人の思考には、現代人に欠如している活力や生きる力がある。現代を生きる人間には必要な必要なものに思う。
    関連本も是非読んでみたい。

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    2026年08月31日
  • 春宵十話

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    「人間の建設」で岡潔の考え方にとても感銘を受けたので読んでみた。
    この本では情緒についてのことや、教育についてのことを繰り返し言っているが、この時代の空気感や価値観がわからず、岡潔の言わんとしていることがわかるようで今ひとつわからなかったのがもどかしい。
    多分この「わからない」という感覚が、岡潔が懸念していたことが現実になってしまったことの現れなのかもしれない。この時代にはまだ残っていた日本の善きこころみたいなものが、戦争から戦後の復興をきっかけに失われてしまい、私達の世代に届かなかったのだろうなと思う。

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    2026年08月24日
  • 人間の建設

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    時々むずくてコイツら何言ってんねやってなる所もあるが、面白い。小林秀雄の本を恥ずかしながら読んでないので、これを機に読もうかなと思った。ベルクソンについても興味を持てた

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    2026年08月12日
  • 春宵十話 新装版

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    数学者が、理論ではなく情緒こそが大切だと言っている。発達は遅ければ遅い方がいいと。子供を子供らしくのびのびさせてあげたい。天才学者がそう言っている。

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    2026年07月15日
  • 春宵十話 新装版

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    小難しいエッセイを読みたくなって、本屋で平積みになっていた本。数学者ということで、読破できるか不安であったが、意外と読めた。戦前戦後を生きた人物で、まだまだ混乱していた時代がある中での思想や批判が綴られている。いつの時代も不安や不平というのはあまり変わらないように思える。しかし彼はこの本を読む限り人に恵まれ豊かな人生を送れたように思える。

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    2026年06月05日
  • 春宵十話

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    日本を代表する数学者のエッセイ。

    なんというか成熟した大人が語っている、
    そしてそれでいて気持ちが良い爽快さがあり素敵だった。

    - 岡さんほどの天才でも、学生の時は岡さん以上に算数ができた子とかもいたこと
    - 数学は、畑と似ているらしい
    - 人としての成熟が大事

    など新しい視点が得られた気がする。
    いつか自分も畑を耕すように研究したい。

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    2026年04月02日
  • 春宵十話

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    数学などやって何になるのだと言われるが春の野に咲くスミレはただスミレのように咲けばよい、咲こうが咲くまいがそれが春の野にどのような影響があろうとなかろうとスミレの預かり知らない事だと私は答える。に感銘を受けて手に取った。

    人間に最も大切なことは情緒を育むことであり、子供はたくさん宿題を出す先生よりも共感してくれる先生に敬意を持ちいつまでも覚えているということ、自分もそうだったこと、大人の不安を子供のスケジュールをパンパンに埋める事で解消しようとする教育方針に納得がいかない事などが印象に残った。

    随筆をまとめたものになるので一貫した主張があると言うよりはこの事についてはこう思った、他のことについてはこう思う、と時と内容に応じて書きっぷりも変化しているが、だからこそ著者の人となりを色んな角度から拝むことができる良著だった。

    最後の『師について友について』のところでこれまでの人生を振り返って出会った人、お世話になった人を評する所で旧友2人に対しこの人は意思が強くていい、闊達な振る舞いや語りが自分にはなかったためいい影響を受けた。この人は意思がないのがいい、仏教的精神からすると自我は無ければないほどいいから。とそれぞれを同じ物差しで比較せずに別種の動植物を見るようにそれぞれ違ってそれぞれいいねと言う語りが情緒の真髄の一端を垣間見せていると感じた。
    何かに感銘を受けたり、感動したり、尊敬したりする感性をこの人は情緒と呼んでおり、カーソンのセンスオブワンダーと同じ様な雰囲気を感じた。

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    2026年03月15日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    理解しようとしたけど難しかった。
    第三章の「いのち」と「宗教について」はちょっと分かったような気がした。
    「情緒」が難しい。森田氏や魚川氏が噛み砕いて段階的に分かりやすくなったような気がするけどやっぱり難しい。

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    2026年02月22日