能町みね子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
観光ではないと思う。逃北して、その地域の住民になりきりながら旅をしている。
→私も一人旅する時はやってみたい
東京の自分と北の自分を乖離させているようだ。疲れた時に第二の自分がいる北へ逃げて、そこで気持ちを入れ替えているんだと思った。
最後の章で「本来は自分は封建的な人間」と言っていたが、普段生きる中で自分の中の(封建的な)軸がブレたとき、その軸を矯正するために北に行っているのではないか。
能町さんは自分の故郷が北海道なのか茨城なのか定まらない、自信を持って故郷と言える場所が欲しいと言っていたが、だんだん親戚のルーツを辿るようになったのは、北が自分の故郷である証拠をみつけたかったからなので -
Posted by ブクログ
いいなぁ〜。この感じ。
たぶん、ほぼ実話。ちょっと脚色…くらいだろう。
小説風でストーリーとか感情の変遷とか面白い。
映像化してほしい。
恋愛やセックス、周囲が思う『常識』に対する価値観にめちゃくちゃ共感した。恋愛やセックスに対する憧れわかる!周りの友人達のように自分もその枠にハマっていけたらいいのに。
というか、ちょっと前までは「私もそこに行ける」と信じていたんだけど、正しく能町さんと同じように頑張ってそこに行こうとしすぎて「私には無理だ」ってなった。
特にセックスに関しては、どうしても好きになれないし。
誰とも恋愛できない、という絶望感の中で、能町さんの結婚観はすごく希望になった。
本 -
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某週刊誌のコラムをまとめたもの。
2014年6月〜18年2月にかけての約4年分。
“揚げ足取り”と捉えるか、“鋭い視点・着眼点”と捉えるかは。人それぞれ。
自分は、後者。
時事ネタが多いので、「ああ、そういうこともあったなぁ」と。
言葉の違和感を感じ取る。そして、そこに流れる時代の空気。
独自の視点で切り込む。
「新流さん」の項は、とにかく笑った。自分が感じていた違和感を、こんな風に解説してくれたこと。
見開き1ページで書かれていた前半のほうが、限られた字数内でまとめようとしているので、鋭く切り込んでいる感がある。
軽快な語りと切り口、そして、絶妙な皮肉を込めた文章でまとまっ -
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能町みね子さんのエッセイ。
北国(定義は著者参照)のとがったところとか、少しさみしいかんじのところとか、旅をしているところが魅力的。
北国へ惹かれる気持ち、わかる。
なにか、こう、惹きつけるものがある。
しかし、何より、観光を目的とした旅ではなく、「そこの住民として」行動するという、能町さんの感覚に頷く。
「ヴァーチャル地元民生活」。
グリーンランド、訪れたい。
「でも、私はそういうところよりも、『ここで暮らしてたら行くであろうところ』が好きなのです。」
「街をうろうろ散歩したり、ただ喫茶店などえダラダラしたり、したい。」
こういう旅、素敵。 -
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電車で、喫茶店で、道端で……
偶然出会った知らない誰かの知らないドラマを(勝手に)リポート!
〈実録&妄想〉人間観察エッセイ。(帯より)
私もファストフード店や喫茶店で書き物をしている時、他のお客さん同士の会話が気になって気になって仕方ないって事がよくあるんですけど、これって普段はなかなかヒトと共有しづらい面白さなんですよね(夕飯の席で家族に話すにしても臨場感は失われてるしちょっと後ろめたい気持ちもあるし)。
そういう話を絶妙な語り口と妄想とイラストでたっぷり聞かせていただきました。ゆるさとスリルと若干の背徳感がクセになります。
僭越ながら私の中の「知人に『取っつきやすくて隙間時間にも読め -
購入済み
想定外の展開に翻弄される著者
「LGBTの方が自らの(行動の)参考にする本」と言うよりも、著者がタイに行き、起こった様々な出来事を洗いざらい、ありのままに書いているという感じの本。まあ、端的に言えば日記ですね(この本はエッセイからの書籍化ですから、こんな感じなんでしょう)。
「性転換」という、本来なら重い?話題を、著者のキャラクターを生かし明るく書き上げていますので、別に「性転換とか、俺には関係ない」って方でも気楽に楽しめると思います。