能町みね子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1ページからとんでもない滑り出しで「これは一体どう着地するんだろう…」とドキドキしながら読み進めましたが、感情の起伏が激しいこと激しいこと。
ジェットコースターに乗ってるような気分で、ハイテンションなところから一気に沈んでしまうような重たい章もあり、ある意味で体力削られる一冊でした。
『人は極力恋愛を楽しむべきである、と刷り込まれている』という一文はかなり共感した。
「ウニが食べられないなんて人生の半分損してる!」理論と同じという解説はすごく腑に落ちました。
「早く恋人つくりなよ!」「どうして結婚しないの?」とか、こんなこと言ってくる奴らに「うるせーバカ!」と言ってやりたくなりますね。
能町さんの擬似結婚体験はかなり特殊だと思いますが、そんな能町さんから見た世間一般の『結婚』というものこそ、俯瞰してみると実はけっこう異質のものだったりする。
「フツー」って何なんだ?と思わされる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレウェブ連載時のタイトルが『結婚の追求と私的追求』なので、やや客観的すぎるし頑なさがあるなあという印象。
えーやん人生はもっとニュートラルで、なんてシミズなど思いますが、もちろんの能町さんのマイノリティーとしての人生観の影響も多分にあると思われ、こうあるべき!いやその考え方は押しつけなのだから!という狭間でガッチガチになってるところをサムソンさんがふんわり寄り添…わないけど横にただいてる感じが良いバランスと思いました。
一方雨宮まみさんへの想いが書き綴られる『グリーンホール』『ニューオータニ』の章は彼女の客観的にもはやできないくらいの底なしの愛情が感じられ、そこに涙を禁じ得なかった。
特に深夜のマックにたどり着くまでの描写『墨汁をどっぷり含ませた大筆で顔面に何度も塗りたくるかのように信じ、また信じ、信じながら一歩一歩進み』、こうは書けない。しかしまさにこうとしか言いようがない状況なのが目に浮かぶ凄味。
能町さんが雨宮さんとした約束、幸せになってダメになろう、は正しく美しい表現ですね。 -
Posted by ブクログ
週刊文春で連載しているのは、知っていたが、こうやってまとめて読むと、能町さんって、すごいね。表現は柔らかいけど、理論的だし、公平だと思う。それで面白いんだから、本当に文章を書くために生まれてきた人だなあ、と。
内容が発表された時に話題になっていることだから、今読むと、えーっと、そういうことあったっけ?くらいの記憶になっているものもあり、これ、あと5年もすればもっと増えるだろうから、なんかもったいない気もする。ナンシー関みたい。
個人的に一番驚いたのは、貴乃花の文章ですね。
いや、その意味不明さ、大仰な表現、文法的誤り、どれをとっても書こうと思って書ける文章じゃない。すごすぎる。やってることもめちゃくちゃで、家族が大事、力士は特別な存在と言いながら、家庭も部屋もぶっ壊しちゃうんだから。弟子に自分が信じてる宗教の教祖の名前をつけるっていうのもいかがなものかと思う。まあ、貴乃花にはびっくりだ。いくら何かに特別秀でていても、それ以外のこともしないとだめだな、基礎学力って大事だな、とつくづく思う。
お笑い芸人のセクハラも、心底不快だった。能町さんは、時々グサリとやりながらも、徹底的にやっつけるようなことはしないのだが、それにしても酷くて、これでウケてると思っているとは、あまりに時代遅れで、暗澹たる気持ちになった。
毒蝮三太夫の暴言がいかにバリエーションに富んでいるかを引き、「芸としての暴言には愛以前に知性が必要」(P23)なんて名言だ。
戦争で死んだ人の写真をSNSにアップして、「目を背けないで」という人たちに、「目を背けずにいられるのは異常なことです。むしろそれに慣れてしまったら、人間として何かが欠落してしまう。ふだんから残虐な写真を見る必要なんか全くない。」「目を背けてはいけないのは事実であって、写真自体ではない。」(P33)。本当にその通り。
文章だけでなく絵も上手いんだからすごい。
また能町さんの本を読むと思う。