能町みね子のレビュー一覧
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ネタバレウェブ連載時のタイトルが『結婚の追求と私的追求』なので、やや客観的すぎるし頑なさがあるなあという印象。
えーやん人生はもっとニュートラルで、なんてシミズなど思いますが、もちろんの能町さんのマイノリティーとしての人生観の影響も多分にあると思われ、こうあるべき!いやその考え方は押しつけなのだから!という狭間でガッチガチになってるところをサムソンさんがふんわり寄り添…わないけど横にただいてる感じが良いバランスと思いました。
一方雨宮まみさんへの想いが書き綴られる『グリーンホール』『ニューオータニ』の章は彼女の客観的にもはやできないくらいの底なしの愛情が感じられ、そこに涙を禁じ得なかった。
特に -
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週刊文春で連載しているのは、知っていたが、こうやってまとめて読むと、能町さんって、すごいね。表現は柔らかいけど、理論的だし、公平だと思う。それで面白いんだから、本当に文章を書くために生まれてきた人だなあ、と。
内容が発表された時に話題になっていることだから、今読むと、えーっと、そういうことあったっけ?くらいの記憶になっているものもあり、これ、あと5年もすればもっと増えるだろうから、なんかもったいない気もする。ナンシー関みたい。
個人的に一番驚いたのは、貴乃花の文章ですね。
いや、その意味不明さ、大仰な表現、文法的誤り、どれをとっても書こうと思って書ける文章じゃない。すごすぎる。やってることもめ -
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「気楽にぜひ興味本位で読んでください」と前書きにあるのが嬉しい。性認識に悩み、性転換を選択するって決断だけでもすごく重いし、誰にも相談せず手配をし、外国で手術を受けるというのも勇気のいることだから、同じことをする可能性の全くない人間が読むとしたら、やっぱり好奇心。そんな重要かつ個人的な人生の選択に好奇心なんて申し訳ないのに、認めてくれる心の広さ。本を売るためというだけで、なかなかできるものではないと思う。
術前、術中、術後は、結構出産に似てるなあと思った。痛み、絶叫、便秘、精神不安による気分の乱高下、他人の優しさに癒され、同じ身の上の仲間と経験を語り合う。
しかし、もちろん他のところは出産とは -
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能町さんといえば、「久保みねヒャダこじらせナイト」や「地下クイズ王決定戦」などで、個人的には有名です(?)。
鉄道に造詣が深いとも知っていましたが、偶然見かけたのがこの一冊でした。
少し見方を変えれば、鉄道はまだまだ楽しい。
楽しみきったかのように見えてもおそらくそれは、自分の視野の狭さをさらけ出したにすぎないのかもしれません。
鶴見線の国道駅なら、例えば改札ラッチの木の、使い込まれたスベスベ感に心躍らせるとか。
近くの花月園踏切(細くて長くて、たくさんの線路を越える踏切)を渡るとか、「ホームヨシ」という業務用表示に萌えてみるとか。
そういった自分の「好き」を大切にしたいです。
こうやっ -
Posted by ブクログ
週刊文春で連載している能町さんのエッセイ、3年半分をまとめたもの。
最近のは大体読んでるんだけど、読みそびれたのもあって、面白くページをめくる手が止まらない。
1つのコラムは文庫見開き1ページ~1ページ半でサクッと読める、から、どんどん読める。
のに、読んでも読んでも終わらない!
それなりに厚めの文庫ではあるけど、最近の技術で文庫の紙が薄くなっているのかと思うレベルで、読んでも読んでもまだある!みたいな(笑)。
ラストに収録されているのは、連載休止を高らかに宣言する名文。
こんだけ掲載誌をディスり倒しているのに、そのまま載せる週刊文春もさすがというか……。
能町さんの担当者も雑誌の編集方針に -
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