星亮一のレビュー一覧
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今年の大河は山本八重。綾瀬はるか主演ということで、否が応でも盛り上がります。八重についての本も多く出されているようで、本書もそのひとつ。
もともとは幕末の会津藩について紹介した本なのでしょう。八重については、どうもあとからつけた印象あり。。
会津藩といえば、武士道、精神論というところなんでしょうが、本書では一方での戦略のなさ(場当たり主義的な)、リーダーシップの欠如(責任者不在的な)に焦点を当てています。それと対比した、西郷隆盛を中心とした薩長政府軍の時代に乗った勢いと、合理的近代的な軍隊としての違いも興味深い。
最後の落城の場面の物凄さと女性たちの勇ましさについて、詳しく読んだのは初めて -
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私が知りたかったこととはやや違う内容だった。なぜ長州と会津が対立したのか、新政府の会津に対する仕打ちが過酷になったのか、そうした理由を知りたかったのだが・・・。購入前のリサーチが不足していた。
が、会津が敗北に至るまでの経過がつぶさに記録されているのはためになった。それがまた、太平洋戦争の敗北の経過とよく似ていることに気付いた。トップの指導力不足、見通しの見誤り、判断ミスの連続・・・。著者の筆致からは、会津落城は「人災」のようにも思えてくる。
登場した人物のなかで、私が興味を持ったのは山川大蔵。その妹「捨松」についてググッてみたら実に面白かった。次は「大山捨松」についての本を読んでみたい。 -
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[ 内容 ]
幕末維新に学ぶ変革時代の勝ち残り戦略!
人材、情報豊富な江戸幕府を覆した「陰謀力」。
エリートたちはなぜモロかったのか?
変革をリードした日本人の底力。
[ 目次 ]
第1章 幕府の足元を揺るがした水戸の尊王攘夷
第2章 大老暗殺の黒幕は薩摩だった
第3章 貧乏くじ?会津藩、騒乱の京都へ
第4章 西の雄藩・薩摩の遠謀知略
第5章 朝廷に楔を打ち込んだ長州藩
第6章 暴発する長州と弱腰幕府
第7章 薩摩に翻弄され、長州が朝敵に
第8章 龍馬暗殺と天皇崩御を結ぶ点と線
第9章 幕府の息の根を止めた岩倉の密勅
第10章 新政府高官たちの野望が悲劇を生んだ
[ POP ]
[ お -
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[ 内容 ]
一度つくられた歴史観はなかなか変えられない。
明治維新によって「近代国家」が形成される際に、薩摩藩・長州藩らの連合軍は、敵対する旧幕府・会津藩らに「朝敵」の呼び名を使い、国民感情を鼓舞する点で大きな効果をあげた。
一方、京都守護職として御所の警備に当たっていた会津藩はいわれのない汚名を着せられたことになる。
本書は、明治維新後一三〇年以上を経てもなお「朝敵」や「賊軍」という言葉が安易に使われている現実を直視し、維新前後の歴史事実をていねいに掘り起こすと同時に、日本近代史のよみなおしを迫る。
[ 目次 ]
第1章 日本近代史の見直しが求められている(欺瞞に満ちた明治維新;ピカドン -
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会津行く前から帰ってきてまでに読んだ本。
女たちも壮絶な戦いや生活を強いられ、それをひとりひとりがひとりひとりの考えにおいて乗り越えたのだなーと知った。
あと、新たに知ったこと。
会津藩全体的に困窮を極めており、武士以下の身分の者たちは幕政に不満が溜まっていたこと。それゆえに戦後、失墜した藩主をみくびり一揆をおこしたこと。
会津武士道てのは所詮武士の間だけの話で、百姓たちにしてみれば、生きるか死ぬかの問題と日々隣り合わせだったから、また、税も非常にとられていたから、藩に対してのイメージはあまり良くなかったこと。
会津武士道だけに焦点をあてると、滅びの美学というか、美しいイメージがあるけど、 -
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ネタバレ北海道札幌に琴似という場所があり、最初に出来た屯田兵であり200戸ほどが入植して、現在も子孫会が立派に未来につなげようと活動している、会津藩(斗南藩)出身者が多く入植しており、2025.9.2に子孫会150年記念講演に会津松平家14代目当主松平保久氏が登壇されたほど繋がりがある
斗南の謂れは漢詩の「北斗以南皆帝州」に由来、中国の古典に登場する表現で、「北斗星の南はすべて皇帝の支配する領域である」とあるが、保久氏曰く「南と斗う」意味に捉えているらしい(リップサービス?)
新選組に狙われた木戸孝允による個人的な陰湿ないじめのため会津藩はワリを喰い斗南組も北海道放逐組も大概苦労している -
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戊辰戦争というと、第二次世界大戦の歴史観と同じく、賊軍の名で奥羽越を一方的に片付け、戊辰戦争とは一体何だったのかを討議検討することなく歴史の闇に葬られた感は否めない。
かく言う自分も、日本の夜明けのこの頃については、殆ど触ってこなかったな。
幕府存続党と倒幕天皇制の復活論者との戦い、西軍、東軍の争いは急迫派と斬新派の争い、または進歩派と守旧派の争い。
会津戦争も単に薩長対会津の私怨といったものではなく、東日本対西日本の凄まじい闘いの諸相が秘められていたんだな。
しかし、普段聞き慣れない熟語が多過ぎて、読むのにえらい時間がかかってしまったな。
倉卒紛擾、紛紜内訌、譎詐万端、奸徒掃蕩、危亡旦夕