星亮一のレビュー一覧

  • 会津落城 戊辰戦争最大の悲劇

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    著者が東北出身のせいか、ところどころ会津寄りな記述はありますが、薩摩ならびに長州を一方的に断罪するような感情に走ったりはせず、また、会津側の問題を痛烈に指摘する事も忘れていないので視点は公平で読みやすいです。目を背けたくなる凄惨な様相には著者が鶴ヶ城攻防戦を「日本近代史の一大汚点」と評価する事に同意するばかりです。個人的には、国の将来を考えるなら戊辰戦争、特にこの会津の悲劇ほど避けられた事態は無かったと考えているのでなおさらです。ドラマなどの創作物で美化されたものではない事実を教えてくれる本でした。

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    2013年01月09日
  • 八重と会津落城

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    今年の大河は山本八重。綾瀬はるか主演ということで、否が応でも盛り上がります。八重についての本も多く出されているようで、本書もそのひとつ。
    もともとは幕末の会津藩について紹介した本なのでしょう。八重については、どうもあとからつけた印象あり。。

    会津藩といえば、武士道、精神論というところなんでしょうが、本書では一方での戦略のなさ(場当たり主義的な)、リーダーシップの欠如(責任者不在的な)に焦点を当てています。それと対比した、西郷隆盛を中心とした薩長政府軍の時代に乗った勢いと、合理的近代的な軍隊としての違いも興味深い。

    最後の落城の場面の物凄さと女性たちの勇ましさについて、詳しく読んだのは初めて

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    2013年01月04日
  • 会津落城 戊辰戦争最大の悲劇

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    私が知りたかったこととはやや違う内容だった。なぜ長州と会津が対立したのか、新政府の会津に対する仕打ちが過酷になったのか、そうした理由を知りたかったのだが・・・。購入前のリサーチが不足していた。
    が、会津が敗北に至るまでの経過がつぶさに記録されているのはためになった。それがまた、太平洋戦争の敗北の経過とよく似ていることに気付いた。トップの指導力不足、見通しの見誤り、判断ミスの連続・・・。著者の筆致からは、会津落城は「人災」のようにも思えてくる。
    登場した人物のなかで、私が興味を持ったのは山川大蔵。その妹「捨松」についてググッてみたら実に面白かった。次は「大山捨松」についての本を読んでみたい。

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    2011年10月06日
  • 大鳥圭介 幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者

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    ・タイムリーな東北。がんばろう東北!!

    ・やはり戊辰戦争がメインですか…星先生!!

    ・いや、好きですがね…フフ

    ・でも戊辰後の大鳥についてももっと知りたいのであった

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    2011年08月20日
  • 幕末の会津藩 運命を決めた上洛

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    久々に星氏の本を読んだ。
    会津藩に関する史料に丁寧に触れられていて、わかりやすかった。
    ただ、自身の研究に際しては、どうしても星氏の考えに同調してしまうため、自分なりの考えがわからなくなってしまうのも事実。

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    2011年06月28日
  • 奥羽越列藩同盟 東日本政府樹立の夢

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    戊辰戦争を時系列に追うだけでなく、列藩各藩の事情がうまく整理されているので、切り口としては面白い。
    第三章では、各藩をリードしていた参謀達の戊辰戦争後の姿を記しており、新たな発見があった。
    会津は、城下での争いなど、戦死者が最も多く、その悲劇は目を覆うばかりだが、列藩他藩のように恭順派と列藩派の確執があったわけではく、纏まりがあった故、戦後も優秀な人材が残り、会津の求心力が現在まで引き継がれているのだろう。(藩によっては、戦後、列藩派の粛清があった)

    戊辰戦争に関する書物として一読に値する。

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    2011年01月22日
  • 謀略の幕末史 幕府崩壊の真犯人

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    [ 内容 ]
    幕末維新に学ぶ変革時代の勝ち残り戦略!
    人材、情報豊富な江戸幕府を覆した「陰謀力」。
    エリートたちはなぜモロかったのか?
    変革をリードした日本人の底力。

    [ 目次 ]
    第1章 幕府の足元を揺るがした水戸の尊王攘夷
    第2章 大老暗殺の黒幕は薩摩だった
    第3章 貧乏くじ?会津藩、騒乱の京都へ
    第4章 西の雄藩・薩摩の遠謀知略
    第5章 朝廷に楔を打ち込んだ長州藩
    第6章 暴発する長州と弱腰幕府
    第7章 薩摩に翻弄され、長州が朝敵に
    第8章 龍馬暗殺と天皇崩御を結ぶ点と線
    第9章 幕府の息の根を止めた岩倉の密勅
    第10章 新政府高官たちの野望が悲劇を生んだ

    [ POP ]


    [ お

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    2010年10月02日
  • よみなおし戊辰戦争 ――幕末の東西対立

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    [ 内容 ]
    一度つくられた歴史観はなかなか変えられない。
    明治維新によって「近代国家」が形成される際に、薩摩藩・長州藩らの連合軍は、敵対する旧幕府・会津藩らに「朝敵」の呼び名を使い、国民感情を鼓舞する点で大きな効果をあげた。
    一方、京都守護職として御所の警備に当たっていた会津藩はいわれのない汚名を着せられたことになる。
    本書は、明治維新後一三〇年以上を経てもなお「朝敵」や「賊軍」という言葉が安易に使われている現実を直視し、維新前後の歴史事実をていねいに掘り起こすと同時に、日本近代史のよみなおしを迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 日本近代史の見直しが求められている(欺瞞に満ちた明治維新;ピカドン

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    2014年10月30日
  • 会津戦争全史

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    日本史近代史ゼミ参考資料。
    普通に読もうと思ってたんだけどね。
    細かいところはあんまり興味湧かなかったです。どこからどう行って~とか。位置がイメージできないから。
    証言とか貴重ですね。逆に興味津津です。
    同じ所にいても全く違う証言が出ることもあるかと思うと、何が正しくて何が正しくないのか知りたくなる。
    先生の研究室から借りたけど、手元に欲しいです。

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    2010年05月26日
  • 女たちの会津戦争

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    会津行く前から帰ってきてまでに読んだ本。
    女たちも壮絶な戦いや生活を強いられ、それをひとりひとりがひとりひとりの考えにおいて乗り越えたのだなーと知った。

    あと、新たに知ったこと。
    会津藩全体的に困窮を極めており、武士以下の身分の者たちは幕政に不満が溜まっていたこと。それゆえに戦後、失墜した藩主をみくびり一揆をおこしたこと。
    会津武士道てのは所詮武士の間だけの話で、百姓たちにしてみれば、生きるか死ぬかの問題と日々隣り合わせだったから、また、税も非常にとられていたから、藩に対してのイメージはあまり良くなかったこと。

    会津武士道だけに焦点をあてると、滅びの美学というか、美しいイメージがあるけど、

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    2010年03月31日
  • 山口多聞 空母「飛龍」に殉じた果断の提督

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    ミッドウェーで空母「飛龍」とともに沈んだ闘将山口多聞。見敵必戦を貫いた海軍少将の生き様にめちゃ憧れる。

    「もし山口が機動部隊の司令長官であったなら…」あとがきの言葉も心に染みる。残念だな〜。悔しいなあ〜。

    『甲乙決めがたいときには、自分はより危険性があっても積極策をとる』山口多聞

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    2009年10月04日
  • 斗南藩―「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起

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    ネタバレ

    北海道札幌に琴似という場所があり、最初に出来た屯田兵であり200戸ほどが入植して、現在も子孫会が立派に未来につなげようと活動している、会津藩(斗南藩)出身者が多く入植しており、2025.9.2に子孫会150年記念講演に会津松平家14代目当主松平保久氏が登壇されたほど繋がりがある
    斗南の謂れは漢詩の「北斗以南皆帝州」に由来、中国の古典に登場する表現で、「北斗星の南はすべて皇帝の支配する領域である」とあるが、保久氏曰く「南と斗う」意味に捉えているらしい(リップサービス?)
    新選組に狙われた木戸孝允による個人的な陰湿ないじめのため会津藩はワリを喰い斗南組も北海道放逐組も大概苦労している

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    2025年09月07日
  • 会津落城 戊辰戦争最大の悲劇

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    会津戦争を俯瞰すると、会津藩の行動が太平洋戦争に至るわが国の行動に類似している。作者はこのように書いている。会津戦争は、会津藩にとって、最悪の戦いであった。幕府に依存した結果、近代戦争を熟知した戦略家、参謀の育成を怠り、武器弾薬の備蓄も少なかった。かくして、もっとも大事な白河の戦闘で大きくつまずき、参戦した仙台藩の期待を裏切り、これが列藩同盟崩壊のきっかけとなった。

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    2022年07月22日
  • 天才 渋沢栄一

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    渋沢英一氏の事は、明治期に数多くの会社を設立した傑物という認識しかなかった。

    が、そのバックグラウンドに徳川慶喜公がいて、終始幕臣の気概で生きていたことは知らなかった。

    この著作は明治期に企業を沢山興す前の、渋沢英一氏の原点。生まれから徳川慶喜公に知己を得て、幕臣として登用されながら、幕府の瓦解を海外で知り明治初期の荒波に投げ出される過程が鮮やかに描かれている。

    もっと深く知りたくなった。

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    2021年01月19日
  • 奥羽越列藩同盟 東日本政府樹立の夢

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    戊辰戦争というと、第二次世界大戦の歴史観と同じく、賊軍の名で奥羽越を一方的に片付け、戊辰戦争とは一体何だったのかを討議検討することなく歴史の闇に葬られた感は否めない。
    かく言う自分も、日本の夜明けのこの頃については、殆ど触ってこなかったな。
    幕府存続党と倒幕天皇制の復活論者との戦い、西軍、東軍の争いは急迫派と斬新派の争い、または進歩派と守旧派の争い。
    会津戦争も単に薩長対会津の私怨といったものではなく、東日本対西日本の凄まじい闘いの諸相が秘められていたんだな。

    しかし、普段聞き慣れない熟語が多過ぎて、読むのにえらい時間がかかってしまったな。
    倉卒紛擾、紛紜内訌、譎詐万端、奸徒掃蕩、危亡旦夕

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    2020年02月19日
  • 明治維新というクーデター

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    ネタバレ

    タイトルが兎に角そのままそのとおりだと思い手に取りました。
    勝てば官軍という言葉は耳にしたことがあれど
    官軍の実態は知らない方も多いのではないでしょうか。

    明治維新を瓦解と呼ぶ人も当時いましたが
    現代でわかりやすく言うならテロでありクーデターです。

    確かに戊辰戦争での敗戦にあたって
    会津に落ち度が全くないわけではなく、それらもきちんと列記されています。

    池田屋や高杉晋作についての描写はやや気になるところがありました。
    また、読み物としては面白く詳しく書かれてあるのですが
    時系列は頻繁に前後し読みにくく感じるところもあります。

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    2019年08月02日
  • 斗南藩―「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起

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    「ある明治人の記録-会津人柴五郎の遺書」を読み、会津の歴史を補完する意味合いで手にした。

    戊辰戦争後の会津藩。
    そこに暮らしていた人々は朝敵の汚名を被り、不毛の地と言われた下北半島に移され屈辱の日々を強いられる。まったく理不尽な仕打ちの中で、力強く生き陸奥地域の発展に貢献した会津人魂を強く感じた。

    現政府は明治維新の再来か。維新周年事業などを華々しく催した裏側で、会津にとっては戊辰周年なのだ。いまだに溝は埋まらない。そんな歴史に翻弄された当時の人々の無念を思うと胸が詰まる。

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    2019年01月26日
  • 斗南藩―「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起

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    戊辰戦争後の会津藩の辿った悲劇がわかる。人は、生まれた時代に寄ってその人生が決まってしまう。会津藩の人たちは、江戸時代に生まれれば、幸せな人生を送れたと思うが、維新後に生まれたために賊軍にされてしまう。会津藩の悲劇が書かれているが、薩摩・長州は江戸時代には外様大名として虐げられていた.....。

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    2018年11月24日
  • 斗南藩―「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起

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    最近流行りの?雑な明治維新否定本でもなし、
    (あとがきに私見として若干書いてあるが、
    これはこの著者の変わらぬスタンスでしょうし)
    読みやすく、一気読みしました。
    ”ある明治人たちの記録”と言った感か。

    感想は色々あるのだが個人的に一番驚いたのは
    会津藩国家老の西郷頼母が糞みたいな評価だったことだ。
    本書を読む限り当時からの低評価だったようだが
    自分は大昔の日テレ年末時代劇”白虎隊”での
    里見浩太朗か司馬遼太郎の”王城の護衛者”他等での
    「会津の大石内蔵助」的悲劇の名家老のイメージしか
    なかったので(”八重の桜”は未見)・・・。

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    2018年08月02日
  • 徳川秀忠とお江

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    小説だと思って読んでみたら、ノンフィクションだった。大河ドラマ「江」に合わせて発行されたものらしい。知っていることも多かったし、史実を追っている感じだから(入門書、というんだろうか)面白くはなかった。新たな視点があるノンフィクションか、それか主観入りまくりのフィクションか、そのどっちかが好きだなあ。

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    2018年03月14日