星亮一のレビュー一覧
-
購入済み
幕末のゼレンスキーかもしれない
幕末の動乱の様子が、よく伝わってきた.
新政府軍と旧幕府軍のいのちの格差というのだろうか.
河井継之助の奮戦ぶりが痛快でたのもしかった.
-
Posted by ブクログ
僕たちにはそれぞれに出自についての「歴史」があります。故郷や一族には過去にどのような出来事があったのだろうか。僕の場合、本当に知らなかったこと、理解しようと思わなかったことが山ほどあって、今でもすべてを把握しつくしているわけではない。少しでも出来事をつなぎ合わせたりして、僕につながり、連なることどもをくっきりと思い描いておきたい。会津を追われた人々が流されたのは、北東北の僻地、いまの青森県三戸から北の下北半島まで。土地は荒野そのもの、言葉も通じない、冷害で食べ物もないところだった。幼い命、老いた命、将来を嘱望された命は随分と失われた。生き残った人々はその無念を忘れてはいない。
-
Posted by ブクログ
年末年始のBRUTUSの読書特集で取り上げられていて、気になっていた一冊。
鳥羽伏見の戦いと江戸無血開城くらいしか認識されていない戊辰戦争。会津が攻められたことは知っていたけど、その裏にあった「奥羽越列藩同盟」ってのは知らなかった。
ただの「反薩長」っていうだけではなく、それぞれの義を持って立ち上がった各藩。
司馬遼太郎の「峠」を読んだし、かつては新潟、福島、宮城、盛岡各県は営業担当地域だったし、っていうので、思いっきりシンパシーを抱いて読みました。
関ヶ原もそうだけど、どっちが勝ってもおかしくなかった状況だったけど、ちょっとした掛け違いの連続で結果が変わってしまったんだよね。急造寄せ集めの性 -
Posted by ブクログ
自分は会津の家系なので薩長、特に長州憎しの感情の高ぶりのままレビューを書いている。なので長州の方が読むと気分を害されることをあらかじめお断りしておく。
この本は鶴ヶ城落城後に会津藩が舐めた辛酸を中心に綴り、いかに新政府軍が人にあるまじき残虐行為をしたかを明らかにしている。
城下の戦いでは略奪を欲しいままにし、婦女を暴行したあげく惨殺し、戦闘で死んだ者の埋葬を禁止し、腐敗するまま、カラスに啄ばまれるままにした。酷いの一言に尽きる。もともと士分ではないものが新政府軍には参戦しているから横暴に歯止めが効かなかったこともあろうが、それでも首脳陣がそれを許容したからこんな非道がまかり通ったのだ。 -
Posted by ブクログ
戊辰戦争に敗れ現青森県下北半島あたりに転封を命ぜられた会津藩=斗南藩の実際ついて、会津藩士=斗南藩士を中心に紐解く一冊。
会津藩の戦後処理から始まり、旧南部藩領の荒野と移住の過酷さ、斗南藩の政治と差別、様々な道を歩んだ旧会津人たちについて語られます。
会津藩は雄藩でしたが敗戦後に旧南部藩領にて斗南藩となり、刀を捨て鍬を持たなければ生きられない社会へと変貌します。
不毛な地で大変苦しい立場に置かれた士族は農業を行うも立ち行かず、山菜や雑穀で食いつなぐ極貧生活を強いられます。
地元農民からは“会津のゲダカ”と蔑まれ、侍としての自尊心は返って重しになっていたことでしょう。
しかし気高く力強い斗南藩は -
Posted by ブクログ
まず、前提としてこの本は徹底的に会津の視点で書かれた本である。文章から伝わる筆者の強烈な会津への愛と薩長への憎しみに、読み始めのうちは少々引いてしまった。
しかし、その筆者の熱は丹念な調査にも繋がっており、戊辰戦争敗北後に旧会津藩士たちが様々な人生を送ったことを調べあげている。西南戦争で政府軍として薩摩軍と戦った者、萩の乱に呼応して挙兵しようとした者、旧斗南藩に残り青森県の発展に尽くした者、屯田兵として北海道に渡った者…。薩長の英傑たちを中心にした華々しい明治維新の裏に、敗者たちの悲惨な歴史があったと言える。
あとがきには、安倍晋三元首相が音頭をとり鹿児島県、山口県、高知県、佐賀県が中心となっ