坂口孝則のレビュー一覧
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タイトルにある「給料」も含め、年金、消費税、持ち家の4つのテーマについて、サブタイトルにある「コストとリターンの経済学」=損得をどのように評価すべきか、その方法について解説した一冊です。
専門的な内容ではなく(新書ですからね)、より多くの人に向けたわかりやすい内容に仕上がっていると思います。この手の分野におけるリテラシーがない、もしくは低く、これを向上させたいという人にはよいかもしれません。
特に目先の金額に囚われて損得を判断してしまいがちな人にとっては、時間軸・相対軸的な視点を獲得することができます。本書で語られている4つのテーマ以外にも日常生活で応用できる場面はあるかもしれません。
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Posted by ブクログ
日本人の絶対的な給料水準、年金、消費税そして住宅についてそれぞれまとめて整理されている。やさしく書かれているためわかりやすく仕上がっている。
内容的には、正直なところ物足りないという感想である。わかりやすく仕上がっているために、そのことが議論を含めることへの障害になってしまっている。ただ、経済の仕組みをよく知らない読者を想定するのであれば、これはひとつの形だろう。
それでも、この4点が大切な問題であることは事実である。頭のどこかに忘れないようにしておくことに意味があるだろう。
いずれにしても日本人の窮乏化が進んでいることに間違いはない。 -
Posted by ブクログ
給料が安い理由、年金、モノを買うこと、住宅についての論。
タイトルに対する回答のボリュームは物足りなかった。その論も特に目新しくはない。
初めてこのようなトピックを読む人にとっては、概要がわかりやすいと思う。
タイトルに対する回答(第1章)
・状況に応じて解雇できないので人件費は抑える(緩やかな定期昇給)
・人事評価がなぁなぁのため、結果が出ている人を正しく評価できない。(細かな判断基準がない、だから優秀な人は出ていく)
給料増やすならば、独立>転職>副業の順で大きさが変わる。
ただしリスクの大きさも同じ順序。
年金
今の高齢者世代よりもらえる金額は下がる可能性が高い。し -
Posted by ブクログ
企業の購買担当者のコスト削減の現場を垣間見れる書。1秒1円の意味を理解した上で、外注との価格交渉に臨む。ケーブルを取り上げるのに本当に3秒かかるのか?というレベルで想像力を働かせて交渉しているとのこと。凄まじい限りだが、非常に納得性もある。しかし厳しいとは思う。その反動だろうか、この本の真の目的は、効果のわからないこと(無駄なこと?)に時間を使おうという主張を唱えることだそうだ。前半の理路整然とした話からかなり掛け離れた直感的、経験的な話であるが、自分もその意見には賛成なので、あまり突っ込む気にはならないが、無理でももう少し、前半的なロジカルで攻めて欲しかった気もする。
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Posted by ブクログ
「会社の電気はいちいち消すな」とは、それをするなということではなく、投資対効果を考えたコストダウンを行えということ。こう書くと「あたりまえだろう」と思う人もいるだろうが(というか、あたりまえと思えないビジネス・パーソンはそうそうお目にかかれない)、実際にはなかなかできない。 私の同僚に優秀なエンジニアがいるのだが、その彼が我々の製品と、ライバル社の製品を比べて、我々の部品のコストがxxx円高い。これは製品の考え方を変えなければならないというような趣旨のことを声高に叫んだことがある。こういう主張は悪いことでないのだが、彼には、ライバル社このxxx円をコストダウンするために支払っている固定費(人件