西澤保彦のレビュー一覧
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名簿欄の名前の下に住所がなかった、という、それだけの理由で
どうしようもない感情が『女』に向けて湯水のようにわき出てきた。
むしろこの短期間…というか、役者(?)がそろった瞬間
きれいにここまで組み立てられるのは凄いものがあるかと。
興味のある事のみ、脳内が働いているという、ある意味天才?w
しかし何故甥は気がつかずに、そのまま生活が出来たのでしょうか?
テレビを見ないタイプ…ではなさそうですが、ニュースものを見ない人
だったのでしょうか?
その辺りが気になりますが、多分娯楽以外に興味がないのかと。
というより、離れているとはいえ、そこに人がいるのに
そこにも気がつかない…いっそ褒め称える -
Posted by ブクログ
ネタバレ門限18時の箱入り大学生ハコちゃんは
厳しい両親へ説得に説得を重ね、遂に明日から短期留学!
両親が留守ということで壮行会を楽しんだハコちゃんが帰宅した深夜、
何と見知らぬ女性が自宅内で死んでいるではないか!
即通報・・・を考えるも警察の取り調べや深夜帰宅が両親にばれ
留学を取り消されることを恐れた彼女は
自分に惚れている(が自分は惚れていない)同級生ガンタに連絡し
死体の移動を依頼、1人では無理なので
壮行会で飲んでいた同級生タカチとボアン先輩も呼ばれ
ハコちゃん宅で女性が死んでいたことは4人の秘密ということになった。
(翌日別の場所で発見されるので事件自体の隠蔽はしていない)
一方、別の -
Posted by ブクログ
ネタバレ認識論的多元宇宙を相異なる認識主体間の"戦争"と捉えた超未来SFと、平凡な女性が異常な愛情を持ちパラノイア的な殺人に走る現代ミステリを融合させた作品。
SFの論理「異なる物理法則下にある認識主体は互いのことを自らの価値体系下でしか認識できない」が、ミステリの論理「交際中の男女がいて、片方が身内の葬式に行きもう片方が行かないと、両者の考えに齟齬が生まれ関係が上手く行かなくなる」と重なった瞬間は、あまりの力技に感動した。
ただSFとミステリをつなぐ根本的なギミック――認識論的多元宇宙と名前――が有効に機能している様がきちんと描写されているかといえば、苦しいところだと思った。