今井哲也のレビュー一覧
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自分が何者かなんて誰にもわからない。それを決めるとしたら自分以外の大切な誰かである。少女の自分自身への恐怖と暖かい救いが描かれた第2巻でした。
人間誰しも不完全。紗名の特異性は1巻から描かれており、その異端な能力はどことなくファンタジーを匂わせ、暴力の類を退けていました。しかし、今巻では純然たる非道にそのファンタジーが侵食されており、どことなく現実に引き戻されました。少女の悲痛の涙というものはどの媒体、作品で見ても心にくるものがあります。そんな少女の涙を拭うのは年の功と言わんばかりの蔵六じいさんの言葉。人間誰しも不完全だからこそ寄り添って生きている。こんな当たり前の言葉は昨今若い主人公が -
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今井先生の作品をいい加減集めようと思い購入。前情報に違わず、1巻を読み始めたら止まらない面白さを備えていました。アニメという団体で作る物をテーマにすることで繰り広げられるであろう煩わしい人間関係や才能の問題、出来た時の達成感、色んな要素を余さず詰め込んだこの作品は見ていて様々な感情を掻き立てられました。
持たざるものの後味の悪さ。今井先生の過去を考えればみよし側の人間だと思いますが三山先輩や映研部長などの描写もやけにリアルでした。自分は臆病ものなのであくまで手は動かしますが、正直心は三山先輩に同調してしまいました。あんな近くで才能の塊を見せつけられ、触発されてなにか行動しようにも絶望して -
Posted by ブクログ
作者買い。普通だったら受けを狙っておじいちゃんじゃなくてお世話係かヤンキータイプの男の子でいくところを今井先生はおじいちゃんにする勇気がすごいなと思いました。同作者の「ぼくらのよあけ」でも思いましたが、要素をあまり入れずにやりたいことを一本に絞ってやるこの作風は読んでいてスッと心のなかに入ってきてくれるので大変ラクです。
何でも出来るからこその頑固ジジイが活きている。何でも生み出せる魔法少女の横に礼節を重んじるクソジジイを添えることでファンタジーとほのぼの家族モノが上手く同居しているのがこのマンガの魅力の一つ。ひとさまに迷惑をかけたらげんこつ一発お叱りと古き良き日本の頑固ジジイ像が今の流