今井哲也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作者買い。普通だったら受けを狙っておじいちゃんじゃなくてお世話係かヤンキータイプの男の子でいくところを今井先生はおじいちゃんにする勇気がすごいなと思いました。同作者の「ぼくらのよあけ」でも思いましたが、要素をあまり入れずにやりたいことを一本に絞ってやるこの作風は読んでいてスッと心のなかに入ってきてくれるので大変ラクです。
何でも出来るからこその頑固ジジイが活きている。何でも生み出せる魔法少女の横に礼節を重んじるクソジジイを添えることでファンタジーとほのぼの家族モノが上手く同居しているのがこのマンガの魅力の一つ。ひとさまに迷惑をかけたらげんこつ一発お叱りと古き良き日本の頑固ジジイ像が今の流され系主人公のアンチテーゼになってるようで痛快でした。悪い事したらメッ!ですよ。
アニメで映える要素もあり。「東京マンガラボ」のインタビューによれば今井先生はアニ研出身だそうで、「ぼくらのよあけ」でも妙にアニメ的な作風だと思いましたが、この「アリスと蔵六」という作品もそういった部分を受け取れる構成になってました。「鏡の門」のエフェクトやサナ視点でみる世界なんかもろアニメ映えする世界観で是非映像でもみてみたいです。
食べて喜んだり、地面に顔ぶつけて泣いたり、言い訳してみたりとコロコロ表情を変えるサナと常時ブスッとした顔の蔵六のコンビが織りなすこの作品がどういった展開を見せるのか。はやく2巻がみたいです。 -
Posted by ブクログ
素晴らしいSFマンガの完結巻。★4つにしたのは「すごく綺麗に終わってるけどもっともっと読みたかった」から。
1巻で貼られた伏線が本当に綺麗に回収されるし、奇想天外なアイデアが次から次に出てくる。老いも若きも、男子も女子も、みんな読むべき。
何故そう言うのかというと、それは当然作品が素晴らしいからなんだけど、SFと言えども近未来、阿佐ヶ谷住宅。誰が読んでも難解だなぁ、とっつきづらいなぁ、という事なくすいすいと作品世界に入り込めると思うから。
たった2冊の単行本で展開されるのは、ちょっとワクワクするような世界と、いつの時代にもある悪意のない集団からの疎外、頭が悪くて最高にいかす小学生男子の冒険、親子の繋がり、そして未来への希望。何度でも読みたくなるような、そんな素敵な作品。 -
Posted by ブクログ
2038年。小学4年生のユウマは団地の屋上で、自らを宇宙船と名乗る「彼」と出会う。 28年の眠りから覚めた「彼」を宇宙へと帰すべく、ユウマと仲間たちが奮闘する物語。
舞台が2038年の地球ということで、ディスプレイが空中に浮いたり、オートボットと呼ばれるお世話ロボットがいたりと、未来のアイテムが日常に溶け込んでる様子が描かれています。
また、SNSを利用して親の知らないところで子どもたちが独自の人間関係を築いていたりと、現代の文化も取り入れられていて少しドキリ。
個人的に、この現実味のある近未来な世界観と夏休みの描写が凄くマッチしていてツボでした。
あとオートボットが物凄く可愛いので、ぜひうちにも一台。 -
Posted by ブクログ
「ハックス!」の今井哲也最新作。(たぶん)2巻構成の1巻め。とある夏休み、小学生の少年少女が『宇宙船』を宇宙へ戻すために奮闘する近未来 SF ものだが、舞台設定が変わっただけでコミュニケーションとディスコミュニケーションについて語っている部分については前作と変わっていない。
たとえば、作中に Twitter のような SNS が登場し、このネットワーク上で承認しあわないと学校生活を送っていけない少女と、そのために共通の「敵」としてつまはじきにされる少女が描かれる。このエピソードがやけに印象深かった。テクノロジーが発達しても、たとえ技術的特異点を何度も越えたとしても、コミュニケーションにまつわる問題はぼくらについてまわるのかもしれないなと思わされる。
本筋となるストーリーそのものは明快なジュブナイル風であり、少年たちが彼らの身の丈にあった障害をなんとか乗り越えようと試行錯誤しているさまは(爽快な夏の描写とあいまって)どこか胸をしめつけられる。