幸田真音のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
非常にパワフルな小説。下巻のなかにニューヨークを表現した「元気なときは目茶苦茶テンションをあげてくれる、・・・反対に落ち込んでいる人間を徹底的に落ち込ませる」という表現がぴったりである。
ランウェイというタイトルから連想されるとおり、ファッション業界へ飛び込んだ若い女性のサクセスストーリーで、ハプニングも、ロマンスも、ハッピーもあるエンターテイメント。ただし、小説としてのエネルギーが高いせいか、頑張ろうと思っている人の背中は強烈に押す代わりに、落ち込んでいるときには、なんでこんな風にできないのだろうと落ち込ませる危険性もある。
エネルギッシュに生きていきたいと願う女性に読んでほしい本。ちょ -
Posted by ブクログ
ネタバレ初の幸田真音。
固めのビジネス小説金融系のイメージが強かったけど
主人公が同年代、ファッション業界、世界で奮闘!!サクセスストーリー!
な雰囲気だったので、読みやすいかな?と。
読みやすかったです。
おもしろかったです。
ワクワクしました、刺激になりました。
久し振りにのめり込める本に出会えた感。
しあわせ。
人情あるものも好きだけど
ずっとうまくいっている話より
挫折や不安も乗り越えて…の作品が結構好きなのかもしれないと、はじめて思いました。
この作品も最後は人情。
お人好し、正攻法だけでは、生きていけない。
だけど、やっぱり人とのご縁とか繋がりとか素敵だな、好きだな、大切にしたいな -
Posted by ブクログ
代行返上 幸田真音(著)
年金制度の改正になり、
企業は、年金に対して、代行を返上できるようになった。
企業年金は、株などで運用している。
代行返上する際に、株を放出することで、
株式は、暴落する。
五稜信託銀行の年金運用する河野課長は、
代行返上についてのアドバイスを、していた。
外資系ヘッジファンドのリョウは、
インサイダーまがいの仕事をして、資金の運用をしていた。
河野と、リョウは、高校生の同級生だった。
河野は、その時、カンニングの摘発に協力した。
それで、リョウは、高校に登校しなくなった。
河野は、優秀なのだが、正義感も強い。
リョウは、日本を暴落させようと企むが。
年 -
Posted by ブクログ
ネタバレ幸田真音、名前だけ聞くと男性か女性か分からないが、元女性ディーラーの書いた小説。
文体が非常にハードボイルドで男らしい。(下)だが、(上)から併せて全体的な感想を述べると、非常にクールさに、人間味に溢れた作品だと思う。
金融という賭け事のような世界の中で、「金」というものがいかに人を生かし、また殺していくのかを具に描いていると言える。通貨の無いやりとりではない、いわゆる金が媒介する世の中でどれだけ人の思惑が交錯するかということを丁寧に描いてみせている。その辺は女性ならではの書きぶり、と言えるかもしれない。
最後、色恋沙汰に落ち着いてしまうのかと危惧したが、見事にそれをぶった切って、最後ま -
Posted by ブクログ
ホリエモン/堀江貴文 や 村上ファンド が想起される。
日本の社会では ものづくりするものは 尊く
金で金儲けするものは 下賎なもの という風潮がある。
企業買収という 会社が商品となる という時代がおとづれ
そのなかで 会社とは『なにか』を
考える時代が やってきた・・・・
株の世界は 不思議な力が 発揮される。
TOBにたいして どう対応するのか?
どこからが インサイダーであり
株価操作なのか それが よくわからないことが
わかった。
プロとしての 法律知識が いるんですね。
広田美潮は 父親への復讐 憎悪・・・・
それを 落としこめ 勝とうとするが
自分の中で 葛藤が起こり 意 -
Posted by ブクログ
真田さんの小説は文庫になるたびにちょくちょくチェックしています。
今回は、小さな音楽会社を巡って、
ファンドや事業会社がTOBを仕掛けるハゲタカ小説。
各社のTOB合戦は読み応えがあるし、
社内で繰り広げられる喧々諤々とした議論も面白い。
企業のM&Aについて楽しく学べる一冊。
個人的趣味を言うと、
ファンド内にもう少し「日本をよくするだー!」的な
ヒーローがいてもよかったかなぁ。。
(安っぽい小説に成り下がっちゃいますが…。)
最後の終わり方があんまり好きじゃなかったですが、
これはあくまで人それぞれの好みでしょう。
最近、こういうそれなりに深くて楽し -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと積ん読だった本。やっと読んでみた。
うーん、難しいけどおもしろい。
やっぱり、頭のいい人が書いた作品は読み応えがあるなぁ。
この前読んだラスコーリニコフの日とは比べものにならない。てか、比べちゃいけないけど。
章や節によって時間が前後することもあるんだけど、わかりにくくなることはほとんどなく、ドラマを観ているように、すんなりと理解できる。
本当にイイ作品だなぁと思った。
その一方で、自分の愚かさも実感するわけだが・・・。
それはさておき、上巻最後のニューヨークでの芹沢と配管工とのエピソードは泣けた。本当にジーンときたなぁ。