あらすじ
足軽の家に養子となった少年、のちの高橋是清は、英語を学び、渡米。奴隷として売られる体験もしつつ、帰国後は官・民を問わず様々な職に就く。生来の勉強家は、現場経験を積んだことで不世出の銀行家へと成長する。
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Posted by ブクログ
感想は下巻で。
以下抜粋~
・和喜次(是清)と鈴木知雄が学んだのは、紐育より来日していた医師でもあり、宣教師でもあるジェームス・カーティス・ヘボンである。前年より横浜の居留地で施療院とともにヘボン塾を開き、ヘボン式ローマ字表記法を考案。
・「いいへ、日本人は真っ先に辞書を買っていました。英語を勉強するんです。それに較べると、中国人はなにをおいても貯金ですって」
帰国する者たちと入れ替わりに、今度はその兄弟や親戚が、寄せては返す潮のごとく、亜米利加に渡ってくるというのである。
・共立学校の若き校長であり、英学教師であった是清とこのころ接点を持った若者たちは数知れない。
洋画家であり美術教育にも貢献する黒田清輝、帝国海軍軍人の秋山真之、明治を代表する俳人正岡子規、作家の島崎藤村などのほか、やがて海軍大将となり内閣総理大臣ともなる岡田啓介のように、後年になって是清自身が関わる政治の場面で再会する教え子たちもいた。
・今回同行(渡航)するのは、串田万蔵や吉田鉄太郎といった若者たち。串田はのちに三菱銀行の会長となる青年だ。
・巴里二日目の朝になるのを待ちまねるように、日本公使館に蜂須賀公使を訪ねた。
このとき是清は、一人の男と出会う。
その名は原敬。
・(川田の是清の評価)現状を正しく把握し、その問題点を冷静な視点で分析する。そのうえで、自由かつ柔軟な発想と、周到な策を以って、果敢に、しかも現実的に解決していく。
Posted by ブクログ
青山にある公園をきっかけに高橋是清という名前を知り、どういった人なのかはよく知らなかったが、これを読んでとても学ぶことが多く面白かった。是清の波乱に満ちた生涯を描いてるが、個人的には特許に関する事業を始めだしたくらいからすごく興味が出てきた。銀行員や金融の知識がある人だったらもっと理解ができたろうな。日露戦争の膨大な戦費を賄うために欧米に国債を売りに行くのとかすごい。影の立役者とはこのこと。しかしユダヤ人はほんと金持ちだな。。笑 日本の財政破綻を幾度となく救った是清を日本人なら知っといた方がいいなと思った。
Posted by ブクログ
高橋是清が、米国時代に奴隷にされたという話は聞いたことが有ったんですが、こういう事だったんですね。短期間で奴隷から抜け出られて良かったです。
後半は、官僚として頭角を現していく様を描いています。小説なので、事実そのままではないと思いますが、それでも、優秀だったんですね。
Posted by ブクログ
歴史ものなのでどうかな、と思いましたが、人物の魅力か非常に興味深く読み進められました。
金融分野に強い作者ならではの視点も魅力アップに寄与しているように思います。