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Posted by ブクログ
幸田真音、名前だけ聞くと男性か女性か分からないが、元女性ディーラーの書いた小説。
文体が非常にハードボイルドで男らしい。(下)だが、(上)から併せて全体的な感想を述べると、非常にクールさに、人間味に溢れた作品だと思う。
金融という賭け事のような世界の中で、「金」というものがいかに人を生かし、また殺していくのかを具に描いていると言える。通貨の無いやりとりではない、いわゆる金が媒介する世の中でどれだけ人の思惑が交錯するかということを丁寧に描いてみせている。その辺は女性ならではの書きぶり、と言えるかもしれない。
最後、色恋沙汰に落ち着いてしまうのかと危惧したが、見事にそれをぶった切って、最後までハードボイルドだった。寧ろ残された男性の方が女性を想うという辺りがさっぱり感を増していた。
「傷」というタイトルは非常に重く、深いものだ。人は誰しも瑕があるが、そのタイトルの意味が中盤まで分からなかったのも、また良い。
星ひとつ、は己の不勉強さで交わされる金融業界のやり取りを、よく分からなかったことから、深く楽しむことが出来なかったため。ま、自業自得ではあるが。
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