秋山香乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幕末期を駆け抜けた人達の中には、迎えた明治時代を視ずに去ってしまったという人達が多く在る訳だが、そういう人達の1人ということになる河井継之助を主人公とする小説である。
作中、手近な親しい人達は彼を「継さ」と呼ぶ。(「継之助さん」が縮まって転訛しているのであろう…)この「継さ」の遍歴、挑戦、戦い、最期が展開する本作。少し夢中になった。
「河井継之助」という人物に関しては、人気が高い小説を介して或る程度知られていると思う。本作はその先行有名作品とは全く別で、或いは先行有名作品よりも「継さ」に「寄り添って物語が展開」というような感じがした。それ故に少し夢中になって、ドンドン読み進んでしまったように思う。
“遊学”の機会を得て、噂を聞き付けている越後長岡の河井継之助は、備中松山に山田方谷を訪ねて師事し、色々な事に“開眼”する。加えて九州方面等を歩き、色々と見聞を拡げる。更に色々な人達とも出会う。
こういう遍歴の後、河井継之助は越後長岡の牧野家中で取り立てられ、様々な“改革”に挑戦する。そんな他方で、幕末の激動の渦中に巻き込まれざるを得なくなって行く。「武装中立=非戦」を目論むが、その想いが叶わぬということになった時、“総督”という役目を負い、長岡の兵を率いて戦いに身を投じることとなるのだ…
物語は河井継之助の視点で進むが、時折妻のすが子の視点で語られる箇所も在る。「豪胆にして心優しき漢」という感の「継さ」の物語…読後に好い余韻が残る。