あらすじ
「新潟日報」他、10紙で連載の話題作、ついに刊行! 英雄か、大戯けか――。一介の武士から長岡藩家老に抜擢され、戊辰戦争に際し武装中立をめざした男、河井継之助の生涯を描き切った感動巨編。時は幕末、未曽有の財政難に苦しむ長岡藩を救いたい一心で、河井継之助は備中松山藩の山田方谷に弟子入りを申し込む。方谷のもとで経世済民の教えを学ぶかたわら、継之助は会津藩の頭脳・秋月悌次郎や仙台藩の隠密・細谷十太夫、のちに武器商人となるエドワード・スネルらと親交を深め、やがて長岡藩において軽視できない存在になっていく。しかし大政奉還、戊辰戦争といった時代の渦に、長岡藩はいやおうなしに巻き込まれていくことになり――。司馬遼太郎が『峠』で書いたのとは違ったかたちで、一人の人間としての河井継之助を鮮やかに描き出した、著者渾身の歴史小説。
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Posted by ブクログ
「河井継之助」を描く歴史小説。
いいね。久し振りに司馬遼太郎の正当な後継者が出たって感じ。善玉か悪玉か未だに定まらない人物だけれども一本筋の通った人として、とても良く描かれている。女性の描き方も司馬遼太郎に似ている。(悪い意味で。)しかし私達の年代は河井継之助と言えば「花神」の高橋英樹だし、河井継之助と言えば「峠」でしょう。久々に「峠」読みたくなります。
Posted by ブクログ
父の郷里は、小千谷市です。
子供の頃から、河合継之助の話を聞いていました。
中学生の時、「峠」を読みました。
継之助の死の直前で終わってしまうので、
残念だと思っていました。
「龍が哭く」を読んで、継之助と再会できた
と思いました。
Posted by ブクログ
薩長の私怨と私利私欲の戦いに敗れ夢半ばで消えたがその魂は庶民に深く刻まれている。それは地元を愛し命をかけた戦争なき平和への執念であり、最後まで変わらず民衆の力にもなったことだ。「この戦いがこの国のために必要だったと胸を張って言えるのか」が印象的だ。長岡藩の一人の武士がその執念を持って藩政改革をしようとした行動(世を知るための旅・諸外国の知識情報収集・行動力ある人脈)は現代でも通じるベンチャースピリットになるかもしれない。
Posted by ブクログ
幕末の動乱期を生き抜いた越後長岡藩士、河井継之助の生涯を描く。同じ人間の生涯だから、有名な峠と比較されることもあると思いますが、妻のおすがとの関わりなどもあり、河井継之助の生き様は、よく書かれていたと思います。
薩摩、長州は、どうしてあそこまで、大規模な戊辰戦争をしなければいけなかったのか、納得出きず、残念に思う事があります。
同じ長岡出身としては、ただし、追い詰められながらも、必死に小藩である長岡藩のことを思い、必死に生きた河井継之助を、愛おしく、誇りに感じますね。