秋山香乃のレビュー一覧

  • 密偵

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    時代小説の中ではものすごく読みやすい

    主役以上の主役の藤田五郎の感情が静かに滲み出ていて、6月の雨の中の紫陽花を暗い日本家屋から見ている気分。

    趣が深くて何度も読み返したい。出会えてよかった

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    2024年11月30日
  • 無間繚乱

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    藤原定子と藤原彰子を交互に出し、境遇と心情を描くことで生き方が対比してあった。意外にドロドロしているし、男の(帝の)身勝手さとか苛々する。どちらも颯爽と生きながら全然違う性格なので、読者の好みで感情移入できる物語。面白かった。

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    2024年02月10日
  • 氏真、寂たり

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    ダメ人間のイメージがついている今川氏真を再評価した一冊。しぶとく、しなやかに生きる様が結局勝ち組なのではと思った。

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    2023年12月29日
  • 氏真、寂たり

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    氏真像が覆りました。でも、これが正解なのでは?大河でやるのも有りですね!一種のプロティアンキャリアなのでは?

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    2023年01月22日
  • 龍が哭く 河井継之助

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    司馬遼太郎の『峠』よりもコンバクトに、映画『峠』よりも網羅的に河井継之助を取り上げた本作は秀逸だった。
    歴史上の評価が分かれる河井継之助という人物をさらに深く研究してみたいと思わせるに充分すぎる読みやすい作品だった。
    それぞれのセリフが活きており、情景描写も素晴らしかった。
    終始、継之助の精神が作品の至るところにほとばしり、事あることに継さんとの心の会話が出来そうなのはファンにとってはたまらない。

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    2022年08月05日
  • 幕末 暗殺!

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    非常に面白かったと思う。
    私の好きな歴史小説短編集の一つ、この本と同様の題材を扱った司馬遼太郎の『幕末』があるが、それに次ぐ面白さだった。
    油小路の変を描いた『裏切り者』が読み物として、秀逸と感じた。

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    2021年03月19日
  • 龍が哭く 河井継之助

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    私のなかで、河井継之助を描いた代表的な作品としては、司馬遼太郎の『峠』であり、非常に心に残る作品であったことからも、どうしても比べなかがら読み進めてしまった。
    初めの方は、『峠』で自分の中に投影されていた継之助との違いに違和感を感じていたが、読み進んで、終盤の妻すが子の視点を通し、また、北越戦争の緊迫した描写を背景に、最後には、作者のあとがきを通じて、このような継之助の著しかたもありかと納得した。

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    2020年06月27日
  • 龍が哭く 河井継之助

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    幕末期を駆け抜けた人達の中には、迎えた明治時代を視ずに去ってしまったという人達が多く在る訳だが、そういう人達の1人ということになる河井継之助を主人公とする小説である。
    作中、手近な親しい人達は彼を「継さ」と呼ぶ。(「継之助さん」が縮まって転訛しているのであろう…)この「継さ」の遍歴、挑戦、戦い、最期が展開する本作。少し夢中になった。
    「河井継之助」という人物に関しては、人気が高い小説を介して或る程度知られていると思う。本作はその先行有名作品とは全く別で、或いは先行有名作品よりも「継さ」に「寄り添って物語が展開」というような感じがした。それ故に少し夢中になって、ドンドン読み進んでしまったように思

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    2020年03月09日
  • 龍が哭く 河井継之助

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    ネタバレ

    幕末とはどういう時代だったのだろうと改めて思った。
    必死に戦をしない方法を探して、それでも戦になってしまう。総督として、指揮をとらならない辛さ。
    オルゴールを作り出す海外の文明が人を大量に殺す武器を作るということの矛盾を感じる感性の持ち主だった継之助。

    大作でした。でも、読み終えたときに涙が止まらなかった。

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    2020年02月29日
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

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    「そうこの会」による妖のアンソロジー。
    色んな作家さんが、ゾクゾク、ゾワゾワさせてくれます。
    どれも面白かったけれど、朝松健さんの『夢切り浅左衛門』、秋山香乃さんの『草薙剣秘匿伝』が特に面白かった。

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    2019年06月22日
  • 幕末 暗殺!

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    ネタバレ

    幕末の暗殺者たちの物語。
    暗殺される人物が、主人公という作品が多いですが、
    このアンソロジーは、暗殺者側から書かれています。
    こういう理由で暗殺すると意図がはっきりしています。
    早見俊先生『刺客 伊藤博文』が一番わかりやすくて、
    好きです。廃帝の研究をしているという噂を信じて、
    塙忠宝を暗殺する話です。
    文章も読みやすくて、おすすめです。

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    2018年03月05日
  • 幕末 暗殺!

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    「桜田門外の変」「塙忠宝暗殺」「清河八郎暗殺」「佐久間象山暗殺」「坂本龍馬暗殺」「油小路の変」「孝明天皇毒殺」と幕末に起きた7つの暗殺を7人の作家で書き下ろしたアンソロジー。
    「孝明天皇毒殺」が入っているのでわくわくして購入。これについて書かれているのを読むのは、自分は初めてかな?
    毒殺に関わったと思しき人物を訪ね歩いて、真実に近づいていくという探偵ものになってました。その探偵の配役も上手いこといってますね。いや、読んでもらいたい。

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    2018年02月08日
  • 龍が哭く

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    「河井継之助」を描く歴史小説。
    いいね。久し振りに司馬遼太郎の正当な後継者が出たって感じ。善玉か悪玉か未だに定まらない人物だけれども一本筋の通った人として、とても良く描かれている。女性の描き方も司馬遼太郎に似ている。(悪い意味で。)しかし私達の年代は河井継之助と言えば「花神」の高橋英樹だし、河井継之助と言えば「峠」でしょう。久々に「峠」読みたくなります。

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    2017年10月14日
  • 龍が哭く

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    父の郷里は、小千谷市です。
    子供の頃から、河合継之助の話を聞いていました。
    中学生の時、「峠」を読みました。
    継之助の死の直前で終わってしまうので、
    残念だと思っていました。
    「龍が哭く」を読んで、継之助と再会できた
    と思いました。

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    2017年06月12日
  • 伊庭八郎 凍土に奔る

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    ネタバレ

    伊庭の小天狗といわれ、麒麟児といわれた一人の不器用な生き方を貫くことしかできなかった青年の最後の戦いの物語。

    こちらを読む前に同じ著者の「歳三 往きてまた」を読んでいたためか、二人の別れの場面に( ;∀;)

    徳川の禄を食んできたから、徳川のために戦って死ぬ。それが八郎の生きていくための理由なのが、切なく悲しい。

    時代劇小説は新しい人々の手で生まれ変わっていく。次の作品が楽しみだ!

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    2017年03月07日
  • 密偵

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    明治=文明開化っていう華々しいイメージがあったけど、厳しい立場にいた人々がいっぱいいたし、日本国民みんながそれぞれ進む道を模索してたんだなと。スパイたちの必死の頭脳戦と欺きあいが臨場感たっぷりに書かれていて本当に面白かった。同著者の幕末を書いた小説、「藤堂平助」とか「土方歳三」の後に読むと繋がる人間関係があってリンクが楽しめた。

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    2015年08月30日
  • 諜報新撰組 風の宿り 源さんの事件簿

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    源さんが、いい感じだなぁと思いました。

    吹き出しそうになるぐらい面白い部分もあり、読みやすかったです。

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    2013年04月16日
  • 密偵

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    これは、面白かった!

    話に意外性があって面白いし、人物設定も描写も巧みです。
    主人公も好感もてたけど、斎藤一がかっこいい!

    ミステリーとしてもワクワクが止まらず、各々の信念にも絆され、ほんと一気に読んじゃいました。

    幕末や新選組好きならオススメです。

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    2012年11月11日
  • 新撰組捕物帖

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    新撰組におけるみんなの兄貴、源さんこと井上源三郎が、そのお人好しな性格から首を突っ込むことになる四つの事件。
    最後の第五章「源さんの忘れ形見」はさすがにしんみりした内容だけれど、その前の四章は源さんの人柄が反映された楽しい話。新撰組ものが読みたいけれど、軽めの物が読みたい時にお勧め。

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    2012年06月27日
  • 新撰組捕物帖

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     一応捕物帖なのでミステリーでもいいような気がしたけど、結局のところ、新撰組の源さんを書きたかったんだろうなってことで<歴史>カテゴリーに。

     「歳三往きてまた」も滅茶苦茶よかったけど、これもすごくよかったです。
     
     ステレオな新撰組像と、秋山氏の描く新しい視点とがきれいにまざりあって、新鮮だけどなんか懐かしいそんな群像劇になってます。
     でもって、お人よしの源さんがめっちゃ格好いい。
     まぁ、どんな媒体でも源さんの立ち位置はこんな感じなんだけど、それに過不足がないところがすごいと思う。

     土方のツンデレっぷりも、沖田の無邪気っぷりも、ツボをがっつりおさえてますって感じで、もう「やられま

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    2012年06月04日