勅使川原真衣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学歴とは何か。なぜ現代の日本では学歴を重要視するのか、また、学歴=有能を指すのか。様々な視点で、学歴社会である日本へ問いを投げて分析している本である。
本著では、学歴とは「頑張れる人の指標」であると述べている。一流大学に入るために幼少期から莫大な資金と教育と時間を投入し、その人が長期間に渡る我慢強さが「頑張れる人」として見られメンバーシップ型雇用へと進む。これが学歴社会を支える要因の一つであると述べる。
私は、学歴自体は別にどこの大学でも良いと思う。だが、その学校を何故あなたは選び、学校生活で何を体験し、何を学び、何を得て、何の高い問題を乗り越えたかが必要な要素だ。
学歴だけで人を判断するのは愚かであり、学歴自慢をする側も愚かであることは覚えておかねばならない。努力のゴールが学歴ではなく、社会に出たら何が出来るのか、学歴よりも「この会社や組織で頑張れるか」を見られて、その後の生き方や人生にも大きく影響する。もし、一流の大学を選んで就職を視野に入れるなら、その先のことを見据えた行動をするといいだろう。学閥や学歴フィルターは根深い。
さて、学歴がない人または学歴にコンプレックスがある人向けには、学歴がどうしても必要なら年齢問わず入り直せばいい。視野を広げ教養が欲しいなら、内容を見て通信大学でもいいだろう。環境やお金がない場合には、独学で学ぶといい。学びの機会はいくらでもあり、自分から攻めの姿勢で行動することだ。中卒、高卒でも若く成功している人は多くいる。専門卒や短大、無名大学でも業界の第一線で活躍している人も多くいる。世の中は学歴だけで全てが測れるほど完全なものではない。世界を知り、多くの人と出会い、成功しても実績を積み重ねても謙虚にし、質の良い人たちと会話し、私やあなた自身を常に肯定的に学び続けて行動する姿勢と気持ちを大切にしてほしい。学歴に問いや疑問を持つ人にとって一つの学びの本となりえよう。 -
Posted by ブクログ
面白かった。
より良い社会を目指す先にある、タイパ・自己肯定感・成長・能力等など,,の言葉に疑問を投げかけている本。
問題を見つけた時に何かしてないと落ち着かないから、
表層的な回答に飛びついて、解決した気になっている状況ってよくあるよなと思った。
なぜそうなっているのかや構造上の問題をとらえないと本質的な解決はしない。
でも一周回って、
社会を前に進めてる多くの人は本質的な解決なんて求めていないんじゃないかなと思う。
何から行動して解決した気になれて、周りも「あの人は行動した、よくやった」って評価されるし、自分も「これだけやった」って納得できる。
本質をとらえようと時間をかける方が「スピードが遅い」「愚かだ」と捉えられるし。
何かしら動けたらそれでいいんじゃないかな。
それでよくない人って社会的弱者だったりが多いけど、わざわざそこに目を向ける人って少数なんだろうな。
そんなに急いで前に進んで、どこに行くんだろう
私は前に進むためではなく、より多くの人が幸せになれる世界を創るために動きたいと思っていたけど、この社会だとよっぽど権力持たないと無理だなと思っちゃった。 -
Posted by ブクログ
「傷つき」という言葉にモヤつきがある。著者はそれを、職場で役割の関係性がうまくいっていない時に生まれるものだと言うことを言っていてそれはそうだと思うのだけれど、一方で「ハラスメントされました!傷つきました!」と言う逆パワハラのような声も組織にはあったりする。なので「傷つくということを認めるところから始める」ということは、大事だと思いつつも、あまり能天気に首肯できない、という感じがする。「傷つく」と概念はかなり幅が広いので、本当に個人的ないざこざみたいなものまで一緒くたにされてしまうのではないか、という懸念も自分にはあるように感じる。もう少し違う概念を使った方がいいのではないか?という気もするのだが、一方で、幅の広い概念・感情だからこそ考えるきっかけになるという視点もある。ちょっと悩ましい。
そしてそういうモヤモヤをChatGPTに投げてみたら、「そんなモヤモヤから対話を始めるのが組織開発なんじゃない?良い疑問だね」的にジェントルに受け止められるなどした。うむ。
もう一つポイントである、能力主義の限界という課題はおっしゃる通りだと思うし、私たちはどう学んでいるのかであるような、価値がその場で創発するという考え方がもっと広まるといいのだと思う。そういう考え方をメッセージとして伝えるということは大事だなと思った。
一方で、「傷ついたと言えない背景には能力主義がある」というのは、もちろん的外れではないものの、我田引水のようにも感じてしまった。ある程度ポジショントーク(悪い意味ではない。そういう考え方を大事にしているという意味で)として読むのが良いかなと自分は思った。 -
Posted by ブクログ
勅使河原真衣さんの本3冊目。
前半はちょっと読み飽きた感あり。(ごめんなさい)
かつ、職場への警鐘、指摘がいっぱいで読んでて辛くなる。
ので、読むのに時間かかった。
3章、4章あたりからは、実践に繋げる章で、参考になる。
評価より謝意。
みんな傷ついてる。
大きな言葉の意味のなさ。大きな言葉に惑わされないように。
人的資本、パーパス経営、ジョブ型だの、という大きな言葉に乗っかってやった気になったって仕方ないんだよ。一個一個、一人ひとり。一つひとつ。でしかないのだ。目の前の人と会話して、傷ついたね、って言えて、ありがとうって言えて、からしか始まらないのだ。
と言う言説、めっちゃ共感します。
毎度の哲学、社会学者たちの本からの引用は本当に参考になるし、次読みたい本がどんどん増えていく。 -
Posted by ブクログ
より良く生きていくには?というお題を与えられた時に、当たり前の前提としていたこと。それって、自分できちんと考えたことだったのかと言われると、答えは間違いなくNO。
著者の言うように、無自覚のうちに思い込みがあったなと思う。
この本の中では20の問いが投げかけられている。
どれも興味深かったけど、特に印象的だったのは「自己肯定感」について。
日本人は自己肯定感が低いとよく言われる。そこで、自信を持てるように頑張ろう!と。
もっと努力しないと得られないのが自己肯定感かというと、それは違うとはずなのに…
存在そのもので感じられるはずのものが、知らず知らずのうちに努力前提になっている怖さ。
前提から疑ってみることが大事なんだと気づかせてもらった。 -
Posted by ブクログ
【目次】
プロローグ――岐路に立つ人へ
立ち止まれない人々/擬態する岐路/岐路に気づき、「自分」を生きる20の問い
第1章 分ける、分かる、分け合う――違和感との出会い
ご意見番現る?/ファスト化する「わかる」/「分断」と紙一重/問い尽くしているか?
第2章 格――の差?
「格」が気になる私たち/階級と無縁と思われた日本社会の盲点/耳目を集めてこその社会運動/だからと言ってこれからも「格差」でいいのか?/各々から成る木
第3章 能力――二の句が継げない「カルチャーフィット」
「できる人」の目印?/「プラチナ住所」/恣意的な「能力」評価/やさしいようでやさしくないことばたち
第4章 自己肯定感――自信を持てるように頑張ろう?
「これからの時代」に「求められる人材像」/破綻寸前の自己肯定感/もっと頑張る、もっと努力する前提/組織文化を変える、の真意/「美しく生きる」の舞台裏
第5章 矛盾――ヒューマニティを取っ払う先
矛盾を検知? AI面接/コンビニおでん売り上げ日本一の人間味/矛盾なき人が集まって作る組織の行方/整合性のために自分を裏切る/凹凸を組み合わせてチームを作る
第6章 ガチャ――確約は正義なのか?
「将来の不安」の特効薬?/不確実性が直ちに問題なのではない/職場の個人の不運は、組織の問題
第7章 つぶしが利く――汎用化が孕む凡庸化リスク
「若者のリスク回避志向」強まる!?/飛んで火(競争)に入る人々?/汎用性と凡庸化/「無能化」のコスパを選ばないといいが
第8章 自立――した人間とは?
半チャンラーメンのありがたみ/ひとりでできるようにならないと「苦労するのはこの子」/未熟上等/持ちつ持たれつ、組み合わせてこそ
第9章 覚悟――結果論かつ強者の論理
「その程度の覚悟なら」/後付け、強者の論理/線虫と覚悟/「覚悟」の前に「弱さ」を認めること
第10章 成長――後退、停止、逡巡の価値
「成長」という宿命/「成長」がない、とはどういうことか/無視された多義性/二元論、断定を超えて
第11章 自己責任――応答からはじめる関係性
賛否ある「自己責任」に必要な問い/私が悪いんです/「自己責任」の現在地/応答しつづけること/ケア対象を絞る逃げ口上
第12章 リスキング――「生き残り」をかけるのは誰?
「リスキングしないと生き残れないよ」/ねじれた日本版「リスキング」/抜け落ちた「成果」の議論
第13章 タイパ――納得した感
「タイパ」という人生戦略/急がば回れ、誰よりも速く?/自作自演の納得感
第14章 本当に困っている人――絶望選手権と化す裏の顔
人を助けるとはどういうことか/助けなくていい、もっともらしい理由/「大変な人」優先/絶望までも競り合う/かけ合いからはじめる
第15章 対話――見え透ける特権性
「鼻クソ」ラジオと福祉/〈居場所〉だなんて思ってない/コモディティー化する〈対話〉/権力勾配や情報格差ありきの「闊達」な議論/〈対話〉の特権性
第16章 人となり――組織の問題を個人化する装置
「ウホウホ」と選抜/放置される就活茶番と問題の個人化/〈見極める〉のではなく組み合わせを考える/一枚上手の「マウントフルネス」
第17章 ウェルビーイング――連帯のかけ声になりにくい理由
渇望される「しあわせ」/「健康」から「健全」へ/個人のしあわせ論に回帰してないか/希望の前に絶望を見よ
第18章 赦す――広い心と笑顔があればいいのに?
「これからん社会に必要なこと」言説/神じゃあるまいし/すでに在る、有る/赦せない、不機嫌な人?/壮大すぎる人間観/武装解除でつながる/はいダメ―の前に
第19章 メリット――という気まぐれ
「暑すぎる!」の10分後/気まぐれな日常/「メリット」という快不快と少子化問題/既知のものしか「メリット」にならない
第20章 躊躇――躊躇うことを躊躇わない実践者であるために
正論が飛び交うコーヒーショップ/よくしようとして、悪くなっていないか?/全体性を探して/言い淀み、二の足を踏みながら
エピローグ
ってことですよね構文/「ものわかりの悪いコンサル」/能力主義の無力さ――構文再び!/岐路に立ち、弱いまま生きる