勅使川原真衣のレビュー一覧
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能力主義という、日本型メリトクラシーについて現状認識をまとめた内容。我々は教育課程における偏差値、就職での選抜といったプロセスにおいて能力を評価されることで高レベルかつ良い待遇の教育や仕事を得られる暗黙の了解がある。それは従来の縁故主義や階級社会を超克する平等で民主的な選抜方法として認識されている。
しかし実際のところ、企業が掲げるコミュニケーション能力や課題解決力といった指標は曖昧かつ相対的なことが大半であり、企業や裁量者にとって都合の良い判断に委ねられている。また良い大学に進学して良い企業に入る、という現代社会で認められる成功とは、親の職業や収入といった環境面に左右されることが研究によっ -
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ネタバレ結果が出ていない人に対して「頑張ってこなかったんだから、仕方ない」というが、「じゃあ、頑張ろうと思った時にこの社会は頑張らせてくれるのか?」
揺れ動く組織の生態にとって有用な情報は、固定的な個人の「能力」ではなく、「その人の良し悪しや序列なき『情報』かつそれによって組織の力学がどう変化しうるのかを予見できるもの」であり、これは「機能」で、ブレーキよりアクセルの方が有能ということがないように良し悪しや望ましさはない。
「万能」で「優秀」個人が必ずしも「有能」な組織を産むのではない。しかし、「誰が高い能力を持っているのか」「人のどこを見ればその能力の高さがわかるのか」を重視し、これらを効率的に -
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勅使河原さん二冊目。『これくらいできないと困るのは君だよ』の対談集を先に読んでいたので、内容はかなりわかる。
たぶんこの本から読んだ人は、少し微妙な評価になりそう。
そして勅使河原さんの主張に賛同できない人も多いと思う。それは能力主義や競争で勝っており自分が安心できるポジションにいる人。きっとポジショントークだと思う。競争に勝てない人、苦手な人、能力はその時点のできる・できないということ、機能の組み合わせということ、気持ちを受け止めること、どっちか一辺倒の考えになることがかなりの問題点であると言っていることが共感できたら働きやすいな。
この新書は、新書大賞にランキングしていたなんて!ランキン -
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ネタバレ選ぶ、選ばれる、の真っただ中にいる中、
考えさせられるなー。
個人の能力と思っている者は、実は偶然生まれた環境であったり、出自であったり、とも言われる。人間一人で生きているのではない、一人では生きられない、とも言われる。
でも実際私たちの生きている社会では、成功するには個人を単位としてとらえる動機を与えるしくみや制度で溢れている… そしてそもそも、教育基本法でも、個人単位での人格の完成を目指しているということを知った。
そういったことへの違和感を共有されている著者。そして、個人能力ではなく、持ち味の組み合わせだ、と、働く場でも、教育の場でも、他者とともにある姿を具体的に伝えています。 -
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初めの40ページくらいを読んだところで、自分の考え方やしてきたことが全部ひっくり返されるのではないかという恐怖をビシビシ感じながら読み進めていきました。
自分の考え方を見直さねばと思った部分もありましたが、自分のしてきたことが間違いではなかったと思う部分もあり、少し救われました。
まず、「働くということ」はわかりました。
これを教育という観点からどう見るか。
「能力主義」をどうやって超えていくか。
「次世代に引き継ぐべきではない」社会や学校の在り方をどう変えていったら良いか。
管理教育から新自由主義的な教育が主流になりつつあり、つまりは自己責任の時代に傾いている。
管理でも自己責任でもな -
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「よりよい社会」といいながら実際は排他的だったり、選別的だったり、能力主義やら自己責任やら、よく言われる正論に対するもやもやや「それって?」と立ち止まりたくなること。
組織開発専門家の著者が、そんないろいろに立ち止まり、それってどうなの?と向き合っている20の問い。
なんとなく社会の風潮に合わせて頑張らなきゃ、できないと自己責任って言われちゃう、学び続けて自分をアップデートし続けなきゃ、と追われるように日々過ごしていたけれど、立ち止まって、疑問を投げかけていいんだと思えました。
もやもやをこうして明確に言葉にしたり、ときほぐして考えられるってすごいな。
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ある人の発揮については、周囲や状況との組み合わせだし、成果を何とするかにもよる。
組織や社会の問題を個人の能力のせいにして本当の課題を隠してないか?という問いを投げてくれる。
会話形式の例やコラムもあり、読みやすい。学術書でなく、組織コンサルの方の文章だから。それが故に、会社組織や人事評価、チームビルディングから社会に呪いのようにはびこる能力主義が隠してしまう不都合な真実に目を向けるよう呼びかけてくれる。
受験のように必ず正解があると思い込む思考の癖、一つの評価軸で優劣がつけられる考課の鎖、競争により共創が妨げられて、組織パフォーマンスが落ちる労働環境。
多くの経営者や人事含む、社会人 -
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p. 57 自己肯定感に問題がある、とうたったところで、自己肯定感を遮二無二いじっても、十中八九徒労に終わる。なぜなら、自分を好きになれない構造が必ずそこにはあるはずだからである。(中略)事実は一つではないし、正義も一つではない。複雑な背景、その人その人なりの合理性が絡み合っている。まずはそのことを紐解くのが、筋ってものではないか。つまり、自己肯定感なるものを上げたいのならば、なぜ自分を好きになれなくなってしまったのか。きっかけは?日々強化されるのはどんな場面で?
そう考えたとき、学校で「自分がもっと頑張れる事は何か?」と宣言させられるようなことが、そのくじかれた自分を信じる気持ちを復活させる -
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“美しく生きよう! と思うのは、素敵なことだ。しかしそれが目指せることは、社会構造的にすでに特権的であるかもしれない。だから本当の意味で「よりよい社会」 を目指すのならば、とってつけたように、「自己肯定感」を上げようとか、「文化」を変えましょうとか、「美しく」ありましょうとか、そんな話に拘泥していては、芯を食うことはない。”(p.61)
“汎用を脱すると「問題」のある個人、逸脱し
た個人として、排除というリスクにさらされる。学校は、みんながやることに「乗らない」選択肢がほぼない、汎用的人間養成所なのだ。これは、さもないと排除、をちらつかせている時点で、ありがたき教訓のような体をしながら、ほ -
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著者のツッコミに、つどつどギクッとして、自分って、巷の流行り文句に相当流されてるなぁと思い知らされた。
能力主義ってあいまいで、取扱いに注意しないと、自分の思考自体が人を傷つける方向に持っていかれるなぁと思う。
能力なんて、水面に反射する光みたいなもので、
特定の状況で光っただけなのに、
それを光ったら「あいつはできるやつ」、
光らなかったら「あいつはだめだ」と、
その人全体を決めつけてしまうのはほんとによくない。
その人が光る状況に身を置けるように工夫したり、ていねいに対話してボタンの掛け違いを少しずつでも修復していくっていう作業が地味だけど大切なんだと再認識でした。
できるでき