勅使川原真衣のレビュー一覧

  • 学歴社会は誰のため

    Posted by ブクログ

    いくらか傾向が変わりつつあり感はあるものの、就職における学歴の立ち位置がいかにして築かれてきたかという、そのある種消極的な理路について納得する部分が多かった。組織論にまつわるコンサル業に携わる点ではポジショントーク的な部分もあろうが、日本的な職業慣行(いわゆるメンバーシップ型)の中で学歴が重視された理由としては妥当であったろうし、近年の経済停滞が続く中で次の一手はどうあるかという点でも考えるべき点は多い。

    0
    2025年06月28日
  • 格差の〝格〟ってなんですか? 無自覚な能力主義と特権性

    Posted by ブクログ

    「よりよい社会」といいながら実際は排他的だったり、選別的だったり、能力主義やら自己責任やら、よく言われる正論に対するもやもやや「それって?」と立ち止まりたくなること。
    組織開発専門家の著者が、そんないろいろに立ち止まり、それってどうなの?と向き合っている20の問い。

    なんとなく社会の風潮に合わせて頑張らなきゃ、できないと自己責任って言われちゃう、学び続けて自分をアップデートし続けなきゃ、と追われるように日々過ごしていたけれど、立ち止まって、疑問を投げかけていいんだと思えました。
    もやもやをこうして明確に言葉にしたり、ときほぐして考えられるってすごいな。

    0
    2025年05月04日
  • 働くということ 「能力主義」を超えて

    Posted by ブクログ

    今、「働くってしんどいな」と思ってるのなら、手に取って読むと少し気持ちが楽になるんじゃないかと思った本。
    ソリューションを提供しているかって問われたら違うようには思うけど。

    自分が働くのがしんどいと思っているわけではなく、指導している学生たちに勧められる本かなぁと思って手に取った次第。

    0
    2025年05月01日
  • 働くということ 「能力主義」を超えて

    Posted by ブクログ

    ある人の発揮については、周囲や状況との組み合わせだし、成果を何とするかにもよる。

    組織や社会の問題を個人の能力のせいにして本当の課題を隠してないか?という問いを投げてくれる。

    会話形式の例やコラムもあり、読みやすい。学術書でなく、組織コンサルの方の文章だから。それが故に、会社組織や人事評価、チームビルディングから社会に呪いのようにはびこる能力主義が隠してしまう不都合な真実に目を向けるよう呼びかけてくれる。

    受験のように必ず正解があると思い込む思考の癖、一つの評価軸で優劣がつけられる考課の鎖、競争により共創が妨げられて、組織パフォーマンスが落ちる労働環境。

    多くの経営者や人事含む、社会人

    0
    2025年04月29日
  • 働くということ 「能力主義」を超えて

    Posted by ブクログ

    これまでの人口ボーナスで数が力のような状態であれば、能力で測って評価するというシステムがある程度機能していたのだと思う。今は一転して、いかに少ないリソースを最大限利用するかという形に社会構造が変化している。これまで機能してきたシステムが時代と環境に合わずあらゆるところでその軋みがでてきているように思う。

    0
    2025年04月23日
  • 働くということ 「能力主義」を超えて

    Posted by ブクログ

    できるできない、優秀である、優秀じゃないと言ったように自分自身働く上で無意識のうちに区別していたなと実感。例としてでてきたスタートアップに転職した人の話を見て、こんな知名度の低くて周りのレベルの低い会社なんて、、と自分も同じようなことを考えていたなとハッとさせられた。
    適材適所で一人一人輝ける場所があるのだとりかい。また能力に依存するのではなく、自分のモードを把握して、それを活用できるよういかに周囲と協力できるか、協創が大事でそれによって仕事が楽しくなるんだと学んだ。

    0
    2025年04月21日
  • 学歴社会は誰のため

    Posted by ブクログ

    企業が新卒をガバッと採ること。それは経済成長期のこの国において長期的に働く力を確保するのに適していたし、労働者側もそこに適応した。
    ジョブローテが前提である以上「訓練可能性」としての学歴が影響力を持つのは必然だが、本人の資質や能力にのみ依拠するわけではないそれに頼りすぎるのは問題。

    「働くということ」は、本当に個人の「能力」の足し算によるものなんすかね?と言う問いはまさにそうだなと思って、そもそもその「仕事」って何で、どういう機能の組み合わせで成り立ってんですか?って人事の人間には聞いてみたい。

    0
    2025年04月15日
  • 格差の〝格〟ってなんですか? 無自覚な能力主義と特権性

    Posted by ブクログ

    p. 57 自己肯定感に問題がある、とうたったところで、自己肯定感を遮二無二いじっても、十中八九徒労に終わる。なぜなら、自分を好きになれない構造が必ずそこにはあるはずだからである。(中略)事実は一つではないし、正義も一つではない。複雑な背景、その人その人なりの合理性が絡み合っている。まずはそのことを紐解くのが、筋ってものではないか。つまり、自己肯定感なるものを上げたいのならば、なぜ自分を好きになれなくなってしまったのか。きっかけは?日々強化されるのはどんな場面で?
    そう考えたとき、学校で「自分がもっと頑張れる事は何か?」と宣言させられるようなことが、そのくじかれた自分を信じる気持ちを復活させる

    0
    2025年04月06日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    今の日本の組織への警句に満ちている。が、著作をだいたい読んでいる身としては繰り返し感はある。ダメな組織の例ではなく、個人に焦点を当てた、良い事例の深掘りがもうちょっとあればなお良かった

    0
    2025年03月30日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    小さな頃から評価をされ傷つき続け、傷つかないために努力をし、職場でも同じように傷つける。世に蔓延る「能力主義」が人を傷つけ続け際限がない。組織は多様な人たちの個性の寄せ集め、プロスポーツでもタレントを揃えると良い結果が出ないのは明らかである。仕事の成果は、誰と何をどのようにやるかの組み合わせであり、最近の成果主義とは別物で、成果主義では個人のものだけでない成果が強いものに集まり、さらに組織内の分断を呼ぶ。ただみんな弱くてみんないいという集団で力を発揮するにはトップのマネジメント能力が大事であり、「野村再生工場」を思い出した。

    0
    2025年03月08日
  • 格差の〝格〟ってなんですか? 無自覚な能力主義と特権性

    Posted by ブクログ

    “美しく生きよう! と思うのは、素敵なことだ。しかしそれが目指せることは、社会構造的にすでに特権的であるかもしれない。だから本当の意味で「よりよい社会」 を目指すのならば、とってつけたように、「自己肯定感」を上げようとか、「文化」を変えましょうとか、「美しく」ありましょうとか、そんな話に拘泥していては、芯を食うことはない。”(p.61)


    “汎用を脱すると「問題」のある個人、逸脱し
    た個人として、排除というリスクにさらされる。学校は、みんながやることに「乗らない」選択肢がほぼない、汎用的人間養成所なのだ。これは、さもないと排除、をちらつかせている時点で、ありがたき教訓のような体をしながら、ほ

    0
    2025年02月10日
  • 格差の〝格〟ってなんですか? 無自覚な能力主義と特権性

    Posted by ブクログ

    いやー、面白かったです。

    様々な「岐路」がありますが、改めて世の中から求められていることや暗黙の了解みたいなものを一旦立ち止まって考えることは必要だと感じました。

    0
    2025年01月21日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    職場の傷という捉え方、アプローチが斬新だった!組織や職場×医療のようなメタファーは分かるやすく、イメージしやすかった。

    0
    2024年11月07日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    著者のツッコミに、つどつどギクッとして、自分って、巷の流行り文句に相当流されてるなぁと思い知らされた。

    能力主義ってあいまいで、取扱いに注意しないと、自分の思考自体が人を傷つける方向に持っていかれるなぁと思う。

    能力なんて、水面に反射する光みたいなもので、
    特定の状況で光っただけなのに、

    それを光ったら「あいつはできるやつ」、
    光らなかったら「あいつはだめだ」と、

    その人全体を決めつけてしまうのはほんとによくない。

    その人が光る状況に身を置けるように工夫したり、ていねいに対話してボタンの掛け違いを少しずつでも修復していくっていう作業が地味だけど大切なんだと再認識でした。

    できるでき

    0
    2024年10月29日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    組織開発の落とし穴について、はっとさせられた。
    〜力を引き上げる研修だとか、ハイパフォーマー社員の紹介だとか、無意識に能力主義的なことを自分がやっていることに気付かされた。
    職場の傷つきに目を向けることで本当の組織開発ができる。

    自社はローテーションが少ない会社なので、マッチングをはかる機会も少ない。その環境は、たとえミスマッチが起きていても「違和感があってもその職場でなんとか努力で耐え抜け」といったメッセージにも聞こえる。
    個人にできない人レッテルを貼るのではなく、組織として適切な人材配置を試みる必要がある。そう思った。

    0
    2024年09月23日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    職場での傷つきという言葉にはっとさせられる。職場ではほんとうに毎日、みんなが傷つきまくっている。それが言えない=癒えない原因を能力主義にもとめて以降は、前二作の内容とおおきくはかわらないけれど、より実践的な活用を意識して書かれている感じはする。

    0
    2024年09月20日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    会社のコンサル通りに物事を進めても、退職者が後を絶たず、自分としても解決する手答えもない時に
    手に取った本。

    流行りの組織論の落とし穴にスポットを当てる内容です。
    ・やり方を変えたけれど上手く行かない。
    ・これから組織を見直そうとしている。
    ・人的資本について検討中
    といった方にお勧めしたい一冊です。

    こういった考え方が出来る人が組織にいれば、きっと良い組織になると思います。
    自分がその立場で行動するとなると、多くの助けが必要ですが…

    0
    2024年09月16日
  • 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発

    Posted by ブクログ

    自分のいる職場だけではなく、どの職場も「傷ついている」ことを知りました。例を読みながら、一所懸命やっているけど上手くいかず、仕事をやめたいと思う背景に共感しました。

    「傷ついた」ことを本音で言って、配置変換で解決すれば一番深い傷を負わなくてすむのかもしれません。

    0
    2024年07月28日
  • 働くということ 「能力主義」を超えて

    Posted by ブクログ

    能力主義に対する批判が面白かった。
    まず「能力」という言葉そのものがはっきり定まった実体を持たず、人の動きやふるまいをまとめた仮の呼び名にすぎない点が指摘される。本来は混ざり合っているはずの要素を、あたかも一つの線で切り取れるように扱っているところに無理がある。

    次に、そのあいまいな言葉が社会の仕組みの中で大きな重みを持ち、不平等を解きほぐすどころか、「能力による差なら仕方ない」と思わせる理由付けとして働いてしまう点が問題として示される。配分の正しさを支える根拠のように見えながら、実際には納得を押しつける装置のようになっている。

    さらに、「求める能力」がどんどん抽象的になり、働く人がどのよ

    0
    2025年11月27日
  • 学歴社会は誰のため

    Posted by ブクログ

    内容も文体も面白いが、時間なくて斜め読みで。
    最後の第5章とおわりにがとても良い。姫野カオルコの「彼女は頭が悪いから」に言及している点が素晴らしい。学歴社会の負の側面を大いに表している。

    0
    2025年11月22日