勅使川原真衣のレビュー一覧
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「あいつはやる気がない」というように見えている部下に対し、リーダーがすべきこととは、「やる気を出させる」といった内面を変えようとするのではなく、環境を調整することがマネジメントのありかただと解いた本です。
そのためのツールとして、個人のコミュニケーションの持ち味を4タイプに分け、その組み合わせによって摩擦を減らす方法を提案しています。
大事なことは、「なぜあの人はこんな反応をするのか?」価値観の違いを排除するのではなくで「この人にはこの状況がどう見えているのだろう?」と視点を切り替えズレを受け止めること。そしてその違いを恐れず踏み込んでいくことで、それぞれのマインドなどがアップデートされるという副産物もえられます。
4タイプ診断などはともすれば「ラベリング」として見られてしまう危うさもありますが、あくまでツールとして取り入れることが提案されていました。
価値観が多様化された現代において、とても実践的なマネジメントの考え方だと思いました。 -
Posted by ブクログ
まだ完全に咀嚼しきれていないが、新たな視点を与えてくれる本。明確な答えではなく、考えるべきこと、向き合うべきことを教えてくれる。
「能力」とは何か、「優秀」とは何か。組織が目指すべき姿を実現する上で、個人の特性を認識し、それを活かした働き方をさせてあげるべきで、その人が得意でないことを求めるのは良くない、採用や担当割り振りをする上でもなんでもできる万能な人間やある能力だけでも極めて長けているプロフェッショナルを理想像として個々人に求めるのではなく、その個々人の得手不得手をもって組織の中での役割を見つけていくべき、という感じで理解した。
とはいえ、競争が前提とされる資本主義社会の中でどうやって個人を評価し、個人をマネジメントして組織を作っていくか。組織の目指す姿があって、組織が個人の集まりで構成されている以上、どうしても個人個人が持っていなければならない、持っていて欲しい能力はあるような気がする。LEGOの例えを借りると、どうしてもこの形のブロックがないと完成させられない、というのはあると思う。脱能力主義とはいえ、やはりできることが多い人少ない人はいて、組織の中で適材適所だけで役割を決めていけば、できることが多い人が割を食うことになる気がする。そこの差は不平不満の種になるだろうし、給料で差をつければ、議論は振り出しに戻る。
そういったところをどうするべきか、前提からそもそも認識が違うのかもしれないが、疑問を持った。 -
Posted by ブクログ
『人生は逆算できるのか』(勅使川原真衣)は、「目標を決め、そこから逆算して努力すれば人生はうまくいく」という、現代社会で当たり前になっている考え方を根本から問い直す一冊です。
本書の面白いポイントは、「人生を計画通りに進めること=正しい」という価値観そのものを疑っている点。キャリアプラン、目標設定、自己分析など、私たちは未来の理想像を決め、現在からそこまでの道筋を描くことを求められます。しかし実際の人生には、予想外の出会いや失敗、環境の変化など、自分ではコントロールできない出来事が数多く存在します。それなのに計画通りに進まなければ、「努力不足」「自己管理不足」と自分を責めてしまう。その構造に著者は疑問を投げかけます。
特に興味深いのは、逆算思考そのものを否定するのではなく、逆算が有効な問題と、逆算できない問題を分けて考える視点です。仕事のプロジェクトならゴールから逆算できても、「どんな人生が幸せか」は途中で変わって当然。むしろ偶然や寄り道によって、自分でも想像していなかった選択肢が生まれることがあります。
だからこそ大切なのは、完璧な人生設計図を作ることではなく、その時々の状況や自分の変化に応じて選択し直すこと。本書を読むと、「5年後、10年後の目標を明確にしなければ」という焦りから少し距離を置けます。
人生を“達成すべきプロジェクト”として見るのではなく、予測できない出来事と関わりながらつくっていくものとして捉え直す。目標達成や成長を重視してきた人ほど、一度立ち止まって考えさせられる一冊です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいやー面白かった。こういう、世の風潮を大上段からぶった斬るような、あるいは根底を揺さぶって覆すようなシニカルな論説大好き
・自己啓発本、たいてい似たようなこと言ってる説
・コンプレックス産業化に始まる無限ループ
・"成功"側はそれを子供にも引き継いでいきたい…格差の再生産推進
・能力主義は「ケアの対象を絞ること」
・Z世代の凪思考は学習性無力感
格差の是正は不可欠だが、「格差による不利益をどう解消するか」にばかり注目することは、なぜ格差が生まれるのか?競争とは、本当にしなければいけないものなのか?という根幹への問いをマスキングする。 -
Posted by ブクログ
二度関感心。
一つ目、、著者が誰かを確認せず読み進め、
癌と戦いながら子供を育てかつこうして仕事をしているんだ、、
と思いつつ、
著者がインタビューしている場面で、自分のことを「テシ」
と書いている。
ん?勅使川原真衣さん。
文化放送の「武田砂鉄ラジオマガジン」のpodcastで
ついさっき聴いたばかりのひと!
鋭く柔らかく世相を切っている人という印象だったが、
え、あの人癌なんだ!と驚く。
まあ、癌は今は治らぬ病気ではないが、
それでも注射したり大変だろう、、
頑張ってほしい。
そして何より内容。
働く、能力主義、選ばれしもの。
能力を一直線上に考え、
自分より上下で物事を考える風潮。
だから息苦しい。
ホントは評価軸は一つじゃない。
多面。
そもそも評価、じゃない。
適材適所。それぞれの個性に合った仕事をさせて初めて組織は回る。
同じことをさせる工業化社会がそのあたりを歪ませる。
日本の教育、社会の仕組みはいまだに工業化社会のまま。
正解のある試験でいい点を取れば優秀とされ、
そういう人物が東大に行き、政府の偉い人になる。
いい点を取る=間違えてはいけない
今の日本の悪いところだ。
私間違えませんから。優秀。
これがどれだけ時代にあっていないか。
そして多くの人を苦しめているか。
今の政府では気づくまい。
そういう人ばかりなのだから。
であれば国会議員がそれをやればいいのだが、
世襲の人たちはそこまで頭が回らない、、、
優秀じゃないけど選ばれし人たちだし。
私も優秀とはいいがたい、特性のある人を相手に今闘っている。
その人を排除せず、AIを使ってでも生かそうとしている。
皆がそれぞれの場所で活躍できるよう。
レゴは面白いたとえ。
一個一個はバラバラでも完成するとすごいものになる。
それを目指したい。
まいさん、がんばろう!
プロローグ 働くということ――「選ぶ」「選ばれる」の考察から
序章 「選ばれたい」の興りと違和感
第一章 「選ぶ」「選ばれる」の実相――能力の急所
第二章 「関係性」の勘所――働くとはどういうことか
第三章 実践のモメント
終章 「選ばれし者」の幕切れへ――労働、教育、社会