上杉隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年の三月から六月くらいにかけて、本屋の棚は活気がなかった。読みたい本が並んでいなかった。何の本かというと、言うまでもなく原発関連の本である。
3.11から約一ヶ月、すべての国民が情報を欲していたと思う。もちろん、テレビは24時間震災と原発の番組をしていた。けれども、テレビは、そして新聞も、政府と東電の広告塔となっていたかのごとく、記者会見発表を鸚鵡返しのごとく、繰返していた。その後、後出しジャンケンのように、次々と前の発表が覆されていく。そのことを批判しながら報道した大手テレビと新聞はほとんどなかった。
だからまとまった原発の情報が欲しかった。そしてメディアの嘘を暴く本も欲しかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本の報道終わってるとは思ってたけたどこんなに終わっていたとは…というのが、その実情と何故そうなったのかその理由をフリージャーナリストの二人の対談形式で明らかにしています。
内容的には、日本のジャーナリズムの問題の根本は記者クラブ制度にあること、大手メディアは政府・東電など権力者の「広報」と化しており、この「報道(広報)」を通じて国民の生命や財産に危機が及ぶいわゆる「報道災害」が今もなおリアルタイムで起きていることを、今回の原発問題を通じて厳しく糾弾しています。
対談形式なので同じ話の繰り返しがやたらと多いものの、メディアリテラシーをつけ報道災害にあわないよう、日本人必読の書だと思われます -
Posted by ブクログ
激動なう、とでも言いたくなる程、今、ここで起こっている大きな変動を描いた新書。何がウィキリークスの何が衝撃的なのか、今後どの様な衝撃をもたらすのか、について正確には測れないが、とにかく大きい動きがあることは理解できる。
本書の後半は記者クラブ批判になっていくが、これも筆者が立ち上げた自由報道協会という大変動を描いたと思えばテーマは一貫している。
記者クラブにせよ、ウィキリークスの際の報道にせよ、マスコミのキュレーションの仕方には疑問しか残らない。何故、このタイミングでそのニュースを一面に持ってくるのか?
その手の危機感を共有できる本当してもお勧めです!! -
Posted by ブクログ
ウィキリークスに象徴される,新しいジャーナリズムの台頭という文脈で読んだ。ウィキリークスの今後についてはまだよくわからないところがあるし,異なった評価もある。ジャスミン革命についても事実は報道されているようには必ずしもなっていないといった報告もある(日垣隆)。しかしながら,現在の日本のマスコミは,情報の流れを一定程度政府と協力しながら統制し(その象徴が記者クラブ),結果として国民と政府間の(よくも悪しくも,悪しきほうが多いと思うが)スタビライザーの役割をはたしているように感じていたので,そうした状況が崩れ始めてきていることは確認できた。
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Posted by ブクログ
日本にしかない報道組織「記者クラブ」を軸に日本の新聞報道機関がいかに腐っているかを、様々な内部情報を公開することで本当に徹底的に紹介してくれる。
日本の報道機関は海外に笑われているほどイカレていることは良く分かったが、それを記者クラブ「のみ」を軸に展開していくため、繰り返し同じテーマでの文章展開が続く。しかも「自分の居たニューヨークタイムズではこうだった」という表現をとにかく執拗に何度も何度も言及してくるので、若干自慢じみていて正直ウザイ。
この本の内容の殆どは「日本の新聞報道は特殊かつ異常であり、それはニューヨークタイムズのやり方とは異なる」ということにしか触れていない。ここにスコープを -
Posted by ブクログ
【要約】
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【ノート】
・メディアと権力が癒着しているという表現があったり、メディアが政治家をとんちんかんに叩いたとか、一見するとチグハグかも、と思われる表現もある。「小沢一郎陣営はメディア対策がなってない」と批判しながら、対策をちゃんとしていたら、それはそれで批判の対象になるのでは?それとも、メディア対策とは別もの、ということなのかな。
・ただ、上杉さんは本当の、普通のジャーナリストということなのではないかという印象を持った。リーダーを求めてしまうと、ちょっとした齟齬があれば、鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てることにもなろうけれど、ジャーナリストだったら、それは違うよね、という。彼自身