上杉隆のレビュー一覧
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購入済み
普通のメディアでは描けない世界
公共放送といっていながら、民間の利益より政管と大手企業の弁明が多いNHK、さらに民間のメディアでは描くことが難しい内部事情をよく描いている。日本も苛斂誅求であったのか??必見だ。
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Posted by ブクログ
「ろくに調べずに書く」のではなく、「全く取材せずに書く」のが日本のマスコミの常識であること。
とんでもないことが、当たり前になっていることを、上杉さんはずっと説明しています。
ニュース、話題の解説を、テレビでできるように仕上げるのが池上彰さんであるとしたら、ニュースを作る仕組み自体を解説し、それがテレビで絶対ながれない形に仕上げるのが上杉さん、といえるかもしれません。
今でも嘘つきよばわりされ続け、まともに取り合う人は、炎上したり嘲笑されたり。一方、池上さんは選挙報道のたびに「無双」と呼ばれて不動の地位を築いている。とても不思議です。
東アジア情勢が緊迫しているのに、まるで質問せず国有 -
Posted by ブクログ
「日本とアメリカのジャーナリズムの違い」について知らされた本。
クレジットを必ず記載する、色がついている、訂正記事・検証記事を載せるというようなアメリカの新聞には憧れさえ感じた。
それと比べ、気の合う仲間以外は排除して足並みをそろえる記者クラブはいかがなものか…と思ったが、日本人が歴史的に集団主義、欧米人が個人主義という特徴を持つ以上、仕方がないことかもしれない。
「言論の自由」をうたう国でありながらも、自主規制的な統制が多いなあ、なんて思ったりした。
立花さんの本も内田さんの本も含め、いろいろ読んで、私は雑誌メディアのジャーナリズムのほうが共感できると思った。
あと、本書は主に(特に後半か -
Posted by ブクログ
「記者といえどもしょせんは会社員なのです。冒険する必要はまったくありません」(231頁より引用)
「第四の権力」として、三権(立法、行政、司法)の監視役としての役割を期待されるジャーナリズム。それは日本でも当然…だろうか?あなたは「記者クラブ」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
日・米でジャーナリストとして働いた経験を持つ著者。本書では日・米の視点の違いを知る著者の目を通して見える、日本のジャーナリズムの実態が縦横無尽に述べられている。
全般的に、皮肉の利いた文章になっていて読み易かった。以下は印象に残った3点についてのメモ。
①役割の違い: 通信社と新聞社
②署名のない記事
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Posted by ブクログ
日本のマスメディアに絶望したジャーナリスト二人の対談。
ダメだダメだとは思っていたけれどここまでダメだったのか、というのが東日本大震災であらわになってしまったということでこのタイトル。
「原発編」ってことは他のもあるのかしらと思ったけれどそういうわけでもないっぽい。
言葉の使い方、たとえばサブタイトルにある「大罪」などが、どうも陰謀論を吐きたがる系統の人っぽくて警戒していたんだけど、言っていることは至極まっとうだった。
・大手マスコミのしていることは「報道」ではなく「広報」
・3.11は緊急事態。つまりこの時の報道が、日本の報道の限界値。これが今の精一杯の実力。
・メディアも受け手も疑問を -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の閉鎖された記者クラブ組織と自由報道協会の戦いは既存メディアと新しい世界のメディアの戦いだ。
大本営ではないが、権力とくっついた今の大手メディアの組織はもういらない。個人であれ、小さな組織であれ真実を国民は知りたがっている。
そして日本ではあまり記者クラブ組織の大手メディアは暴露サイトという本来の名前でない組織として後ろ向きに紹介されている「ウィキリークス」の本当の姿を上杉氏がレポートしている。
それは、閉鎖的な現在の日本の報道の姿を根本から否定している発信手法をとっている組織である。
3.11以降の日本のメディアの報道を見ていると国や東電を追求するのではなく国と東電に寄り添って国民にさえ -
Posted by ブクログ
・ウィキリークスとは何か?
日本ではあまり報道されることないウィキリークス.匿名で内部告発を受け,その情報を一般に公開するサービスである.ウィキリークスはどのような役割を果たすのか,今世界からどのように受け止められているのか.
・あまりに奇異な日本の報道形式:記者クラブ
世界の報道形式と比べて日本の報道は非常に閉鎖的である.その記者クラブという報道形式の生む弊害について.
・リークサイト,ソーシャルメディアによる革命
エジプト,リビアなど,最近頻発している革命運動についてリークサイトやソーシャルメディアが果たした役割について.
昨今の日本のメディアには非常にいらだちを覚えていたが,この書籍か -
Posted by ブクログ
上杉隆がジャーナリスト無期限休業宣言をしたというのはこの本で知った。氏のこれまでの本は玉石混交(というか、読ませるものから作りが雑なものが混在している)だが、この対談はマスコミの病理を率直に披瀝しているという点で教えられることが多かった。氏の記者クラブ批判について、私は同じ考え方を持っているし、東日本大震災以後、マスコミの報道が、ある種のストーリーに沿ってどのメディアも作っているという感覚は共有できる。マスコミの圧倒的な情報によって私たちが見えなくさせられているものがきっとある。『原発を終わらせる』で石橋克彦氏が、福島原発が事故を起こしたのは津波だといわれているが、ほぼ間違いなく地震によって事
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Posted by ブクログ
一読して、悔しくて、口惜しくて、本当に情けなくて、涙が出た。
震災後の政府、東京電力の対応や、マスメディアの姿勢に対する憤り、それについて、多くを知らず深く考えることもしなかった自分への驚き、怒り、いろいろな感情が渦巻いた。
小説以外の本を読んで、こんな気持ちになったのは久しぶり。
日本のジャーナリズムの現状、問題点を、対談形式で詳らかにした内容。
著者らの経験、見方から「日本の報道機関」を知ることができ、貴重。
インターネットも利用して情報収集すると、最近のテレビや新聞などのマスメディアによる情報は、どこまで信用していいのか、なにを信用すればいいのか分からない、と感じていたので、この本に