岩岡ヒサエのレビュー一覧
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ネタバレ一人ひとりにとっては前向きな思いなのに、でもそれらが行き着く先がたった一つの狂気という、あまりにしんどい展開にどんよりした終盤ではあったが。たった一つの狂気は、結局たった一つの善意に覆されたわけで。実に綿密に作られたプロットで、ただただ賞賛するしかなかったです。
人が「生きている」ということを誠実に描いていた漫画だった。それは時にミツのような生真面目なまでの前向きさも生むし、真のような鬱屈した思いも生むし、タマチのように前へ進めなくなってしまうこともある。「下層」というフィールドだけでもこれだけ様々な人たちがいるというのに、上層対下層などという安易な二項対立ですべてを集約できるはずはなくて。「本質はきっと変わらない。下層も上層も結局人間が生きているんだね」。うん、その通りだと思う。
このシンプルな絵柄なのに、力強く表情を描くから憎いよなぁ。「お前しか、いないんだ」のとこの真とかイケメンすぎてあかんわ。しかし最終的に真はギャグ要員のようになってしまったな。最初はあんなツンツンしてたというのに。。。 -
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買い忘れていたので購入。まず最初の3ページのカラー原稿の美しさに酔いしれました。岩岡先生のほんわりした画風と森の相性はバツグンすぎます。物語のほうは暗い方面に入っていきました。
いつまで笑っていられるか。今回はあおまんじゅうの森メンバー全員がうまく笑顔になれない話だったと思います。科子さんも蒼一も周りの人を笑顔にしたいがために自分を犠牲にしてしまう。笑顔を求める分だれかが悲しい顔になってしまうのは世の中の常ですがいつみても悲しいもんです。
科子を失い、自分の大切な人たちまで傷ついてしまった結果蒼一がどうなってしまうのか、流れる風を捕まえに行くっていうのはロマンだけどあおまんじゅうの森を飛び出すわけにも行かないんだろうなぁきっと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地球環境保護のためオービタルリングを建設し、人類が底に住むようになった頃。
ミツの父はリングの外窓を拭く仕事で事故にあい、還らなかった。ミツは父を追うように同じ仕事につき、人との関わりで父のこともこれまでと違った理解ができ、職人として成長もしていく。
1巻から7巻まで
なかなか面白かった。
どのような場所でも人はその場所にあった営みをするもので、環境が変わって成立する仕事が、現実感を持って書かれている。
仕事に真剣に向き合って、客や同僚と関わって、それまで出来なかったことができるようになって、成長していく。そういう変化をじっくり書いていて、読者が生活する今とは違う世界であってもキャラクターたちの暮らす現実としての存在感が強まっていく。
そして、徐々にふくらませていって、最後に吹き上がるリング世界の歪み。
上層と下層の格差への不満。どうしても不自由なリングから地上への憧れ。ミツの仲間への思い、父への思い。7巻かけてじっくり高めてきたうねりを一点に集めて、ミツを乗せた降下機は地球に降りる。
現代とは変わってしまった環境でも続く人々の営みと、そこに生きる思いをじっくり書いているから、動き出したときにちゃんと重みがある。これもまた宇宙好きには良いお話でした。