星野之宣のレビュー一覧
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永井均『マンガは哲学する』から。
宇宙を題材に、繰り広げられる物語たち。生命・時間・技術…宇宙という場所はそういったものが一緒くたに横たわっている広大な場所だと思う。考えれば考えれていくほど、ぽっかり宇宙は広がっていく。
科学的な正しさとかどうこうではなく、思考の問題として、ロシュワルトやセス・アイボリー、メリーステラ号は呼びかけてくる。完成を求め続ける生命、クローンを育てるためだけに死んでいく生命、閉ざされた胎内で生きる生命。生きること死ぬことのせめぎあいがその本質を目指していく。
そうかと思うと、ターゲットやウォーオブザワールドのような、星新一のショートショートを思わせるものもあったりする -
Posted by ブクログ
JPホーガンと星野氏のタッグは相性が抜群。 科学的知識が皆無の僕には小説版だと完全には理解出来ないであろう素粒子や平行宇宙の説明も、星野氏の丁寧な図解が相当補ってくれる。
また、未来からの通信を受信可能な事と粒子加速器によるエネルギー実験がシンクロした為に起こる、全人類と地球を完全に消滅させるカタストロフィを、抜群の画力でリアルに描き出し、先の展開に釘付けになる。 人類はこの未曾有の危機を回避出来るのか?
横軸には美男美女のラブストーリーも織り交ぜ、そちらの展開も気になる。
この辺りも星野氏がエンターテイナーとして秀逸なところ。
皆さんも釘付けになること間違いなし。 星野ワールドをたっぷ -
Posted by ブクログ
海が舞台の短編5編からなる。
「レッドツェッペリン」
「鯨鬼伝」
「アウトバースト」
「罪の島」
「滅びし獣たちの海」
「アウトバースト」のみ海は関係なし。
星野之宣と聞くとSFを思い浮かべる人が多いだろうが、これらの5編はどちらかというと「宗像教授」シリーズのテイストが強い。
印象に残ったのは「鯨鬼伝」「アウトバースト」「罪の島」の3編。
「鯨鬼伝」
江戸時代、捕鯨の村であり、村民全員が隠れキリシタンでもある村に漂着した西洋人の話。
漂着した西洋人は宣教師らしいが、ある特定の鯨を見た時、何かに憑かれたようになる。
それには理由があるのだが、明かされるのはラストの一コマ。
そこで初