あらすじ
星野之宣氏のSF傑作短編集が、雑誌掲載時にカラーだった36ページをそのままに甦る! 悲しき月面戦争を描いた幻のSF短編『夜の女神』を単行本初収録!
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Posted by ブクログ
永井均『マンガは哲学する』から。
宇宙を題材に、繰り広げられる物語たち。生命・時間・技術…宇宙という場所はそういったものが一緒くたに横たわっている広大な場所だと思う。考えれば考えれていくほど、ぽっかり宇宙は広がっていく。
科学的な正しさとかどうこうではなく、思考の問題として、ロシュワルトやセス・アイボリー、メリーステラ号は呼びかけてくる。完成を求め続ける生命、クローンを育てるためだけに死んでいく生命、閉ざされた胎内で生きる生命。生きること死ぬことのせめぎあいがその本質を目指していく。
そうかと思うと、ターゲットやウォーオブザワールドのような、星新一のショートショートを思わせるものもあったりする。ところが、壮大な宇宙船や兵器の絵によって、ショートショートのような軽さが生む笑いは息をひそめ、ひとつの活劇を見ているような、そんな気がして、なんだか笑い事では済ませられない、そんなインパクトをのこして終わっていく。
Posted by ブクログ
14編掲載
「クジラ座の海」地球の歴史の中で、ほんの一瞬の波風に当たる人類の存在
「メビウス生命体」ブラックホールの役割、星新一の「おーい」を思わせる。
Posted by ブクログ
宇宙を舞台にした短編集。星野之宣氏らしい古典SFと分かりやすいストーリー、読み応えのある読後感だ。
「射手座のケンタウロス」は神話との融合が見事で「2001夜物語」の一遍を想起させる。「セス・アイボリーの21日間 」は手塚治虫作品を彷彿とさせる人間の深淵に迫る内容になっている。