小野不由美のレビュー一覧
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アンソロジーの良いところは、今まで読んだことのない作家の作品に触れられるところ。6人のホラー作家のうち、私はなんと4人が未知の人。映画化作品ではよく知っているのに原作は未読だったりして、今さらながら「読んだことなかったわ」と自分で驚く。
「最恐」を謳っているけれど、さほど怖くはありません。でも登場人物たちの確実に潰えて行くさまは感じ取れます。個人的には『にえたかどうだか』にドキドキしました。
そういえば、私の勤務先の博物館にも「見える人」「感じる人」はやっぱりいて、そういう人たちが「絶対近寄れない」という場所があるんですよね。憑いていてもおかしくないものを収集してきているわけだから当たり前のことですが、そんな話を聞くたびに、私は霊感がなくてよかったと思います。怖いもん。 -
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わたしは澤村先生が本当に大好きだということを、この本を読むことで改めてしみじみと実感いたしました。どうしてこんなに面白く、怖い話が書けるのでしょうか。どこへ並んでいても先生のお話が一番好きです。コンビニで、スーパーで、デパートで、田舎で都市部で、わたしは一筋の光明を見るでしょう。それが澤村先生です。夜の海にも朝の山にも、新しく見つけられる気がします。はい?どういうことですか?さっぱり分からない。まぁだからあの、それほど先生のお話は近くに生きているということです。
この本ではその澤村先生を一発目に置いているわけですが、初手王手すぎます。お願いしますと挨拶を交わした直後「はい、王手」とされるということですね。いや、いやいやいやって。それをぜひみなさんにも味わっていただきたいです。
もう一つ、原浩先生の感想は身から出た闇の方にあげていますが、828-1、本当に素晴らしいお話ですので、広く読んでほしいです。この二つが読めるというだけでこの本は星5に値します。短編でこの質の高さ、異常です。大変恐ろしいです。 -
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かるかやの4冊目。
家にいる、又はやってきた怪異を払うことはなく、階層を上手く変えて付き合っていくか、を考えるホラー小説。
基本的に怪異は解決することはなく、怪異にあった人がその家にどのようにして住み続けるか、安心を得るかが解決なので、拭いきれない怖さというのは読後もずっと残りづつけている。
家と私が向き合うきっかけが怪異なのは、それぐらいのものがなければヒビも入れられないほど、私と家の外とで疲弊しているからか、心の問題なのか。解きほぐれていくのは一瞬。
そういう意味では好きなのは、夜明けの晩にと風が来たりて。
夜明けの晩の精神の狭まり方と罠は気づいた時の怖さが際立って好き。 -
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2026.02.25 ★3.6
恐怖は巻を重ねるにつれ減っていっている気がするが、不思議な、自分に起きたらゾッとする短編が連なっている。
ゾワゾワが増してくると、尾端の登場を期待している自分がいる。
怪異に対する解決策や事後が説かれることは無く、淡々とした余韻を味わうこととなる。
また、本当に恐ろしいのは幽霊ではなく、生きている人間の業では?と思わされる話が多かった。
↓↓↓内容↓↓↓
建物で起こる怪異を解くため、営繕屋は死者に思いを巡らせる。
怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい――。これぞ怪談文芸の最高峰!シリーズ第3弾。建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。
恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント。全6編収録。
「待ち伏せの岩」
渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。
「火焔」
イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ……。
「歪む家」
温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。
「誰が袖」
典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。
「骸の浜」
河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。
「茨姫」
死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると……。 -
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【『残穢』につながる怪談集】と知り、探して買った本。どこまで読んだか分からなくなったので、1話めから読み直した。
「作者に届いた投稿怪談をまとめたもの」で『残穢』で怪談百物語が完成する。このなかの、あの話とこの話、あの話のここが『残穢』につながっていたのか!という発見もあっておもしろかった。というか怖かった。
稲川淳二さんの解説に「うっすらとした闇」とある。確かに「そういえばこんな変なことがあった」くらいの話ばかりで読んですぐ「怖っ」とはならないけれど、もし自分が同じ体験をしたらと思うと怖くてたまらない。
日常生活の中の違和感、奇妙感からくる不愉快、転じて恐怖。そもそも怪談てこういうものではなかったか、と稲川氏は言う。一話が短く、淡々と書かれているので温度感、湿気、におい、音など五感で嫌な気持ちになる。怖さがまとわりついて「本でよかった」と思ってしまう
でもこういう似たような体験は、思い出したら誰にでもあると思う。そこを突き詰めて考えたら、怖いよね