山下和美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み応えがあっておもしろかった!
私も一緒に「和」の勉強をさせてもらっているようで、大満足の一冊でした。
個人的に家を買って、和物が好きで…ということも関係あるのかもしれませんが、そうそう、こうやって悩むんだよ。でも出会いは一瞬なんだよ。などと思いながら一気に読みました。
「数寄屋」をつくってしまおうという思い切った発想や、こういう出来事の数々が「山下和美」さんをつくったんだなと思わせるエピソードの数々もとても興味深い。
真面目で心優しい、やはりいろいろなことに敏感な人なのだと思いました。
「手」のエピソードも、彼女の作品を読んでいて「なんてきれいなんだろう…」といつも思っていたので納得でした -
Posted by ブクログ
ネタバレ山下さんのエッセイは1つの作品としてすごくまとまりがいいなぁと思う。ストーリーテラーたる所をエッセイコミックでも思う存分発揮していて、起承転結や盛り上がりがしっかりあるのがよい。そして何よりも山下さんの事が好きだと思う。何に対しても真面目でそれでいてちょっと小心者の所が好感度大。
後ろの家にもちゃんと配慮して、日当たりを損なわないように家をカットするなんて、なかなかできないと思う。そして見知らぬ小学生を家に入れる優しさと「観察しよう」と思う心意気。見習わなければならないなと思うところがたくさんある。
お話自体は数寄屋の庭づくりとその他家屋にまつわるエピソードという所。山下さんの家の猫がすごい -
購入済み
この人生の意味は?
突出して興味を引くのは本巻最終話。
不思議な少年は人間を超越する存在であるが、中心人物は彼に向き合い人生を過ごしていくなかで彼と同等の価値観を身につける存在となりえる。
人を信じひたむきに待つ姿勢や、自分の愛するスタイルを大事にすることなど、自らを信じる強さは現代社会から欠けたものであり、その美しさが際立ち魅了される。おそらく、少年も同様に惹かれていたのだろう。
読者はこの「待つ」人生をどのように捉えられるだろうか。有意義であったか。それとも無意味であったか。
いずれにせよ人生は寿命までどのような生き方をするとしても等しく許されている。