あらすじ
孤独な日常にふと訪れた、数百万光年を越えた出会い。突如霧の中に浮かびあがった街で心を閉ざし続ける少年が望むもの。待ち続けたヨコハマ・リリィから、少年が受け取るもの。誰もが知ってる「あの人たち」が集うバー、エンドレス。忘れたい、思い出したい。20年の時を経て、女性の内に蘇る記憶。――何気ない日常。そこにこそ、人の生が輝いている。少年がその曇りなき眼で見つめる時、日常は奇跡の舞台へと変化する。
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地球から遠く離れた惑星を地球化するためだけに作られたロボットを。
何十年もの間、自分を着飾ってひとりの男性を待ち続ける老婆を。
代わり映えしない日常に感覚が麻痺してしまった、現代のサラリーマン一家を。
永遠の生を持つ不思議な少年の目を通して
国も時代も関係なく多種多様な人間を見る、オムニバス形式の作品。
少年が触れる人間のストーリー(=人生)は、感動で心温まるものもあれば、
涙が止まらないほど切ないもの、残酷で胸が締め付けられるもの、希望に満ち溢れたものなど本当に様々。
どのストーリーも先が見えない、ありきたりや予定調和とは対極のものばかりです。
心を掴まれ、揺さぶられ、年に何回か読み返したくなる、私にとっては宝物のような漫画です。
もし今は気が向かなくても、ぜひ心の隅に置いておいてください。
そして読みたいと思ったときにゆっくりと触れて、ぜひお気に入りの1話を見つけてほしい。
気の遠くなるほどの確率の末に、この作品があなたの目に止まったのですから。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
●ヨコハマリリィ
少し悲しいね。
でも、浮世離れしてるようでしてない。
リリィはたくましく行けて行けそう。
不思議な少年は、傍観者だった、指導者だったり、人の人生にガッツリ関わっていたり。
不老不死な不思議な少年。 神では無いと思う。
この人生の意味は?
突出して興味を引くのは本巻最終話。
不思議な少年は人間を超越する存在であるが、中心人物は彼に向き合い人生を過ごしていくなかで彼と同等の価値観を身につける存在となりえる。
人を信じひたむきに待つ姿勢や、自分の愛するスタイルを大事にすることなど、自らを信じる強さは現代社会から欠けたものであり、その美しさが際立ち魅了される。おそらく、少年も同様に惹かれていたのだろう。
読者はこの「待つ」人生をどのように捉えられるだろうか。有意義であったか。それとも無意味であったか。
いずれにせよ人生は寿命までどのような生き方をするとしても等しく許されている。
Posted by ブクログ
この巻の不思議な少年、波平さんのエピソードが一番好きです。誰もが知っているキャラクターなだけに、味がある感じがします。アニメのサザエさん、漫画のサザエさん、それぞれに面白みがあるのですが、本歌取りして不思議な少年の深さと絶妙なマッチングがじんわりくる感じです。
Posted by ブクログ
・孤独な日常にふと訪れた、数百万光年を越えた出会い
・突如霧の中に浮かびあがった街で心を閉ざし続ける少年が望むもの
・世界を滅亡に導くかもしれない。そんな郵便配達者の決意と誇り
・ヨコハマ・リリィ。待ち続けた彼女から、少年が受け取るもの
・誰もが知ってる「あの人たち」が集うバー、エンドレス
・忘れたい、思い出したい。20年の時を経て、女性の内に蘇る記憶
Posted by ブクログ
いつもながら、とても考えさせられる題材の数々。お話の国からやってきた登場人物たちの酒場の話、郵便屋さん、そして最後に収録されていた話が特に心に残りました。あんなに長い年月待ち続けた上での、あの対応は普通できない。
Posted by ブクログ
待ってました新巻ー!
毎巻一つは必ずすんごく気に入る話があるんだけど、今回は断然「ヨコハマ・リリィ」!
傍から見れば滑稽なただひたすら待つ人生は、“少年”を理解し、愛した故の一途な待ちぼうけだった…って!
純愛だー。純愛ー。
一人の人をただただ想い続ける強い気持ちが大好き。ときめく。
リリィに翻弄されるジェイムズの顔がいい。いい。
超越者が人間に関わって、影響受けたり気持ちが変わったり感動したり愛したりするのが好き。
あとは波平にびっくりした!
Posted by ブクログ
会社員Ⅰ。
嫌われ者を生きる。
それは想像を絶するプレッシャーと共に生きること。
残酷な事実ををそのまま伝えるかどうか。
真実はどこにあるのか。
平凡な幸せに退屈したら
そんな人物や事実に寄り添ってみるのもいいね。
ヨコハマ・リリィ
これが目当てだった。
まだまだ子どもだった頃、モデルになった方を見かけたことがある。不思議な風景だった。
いくつかこの方をモチーフにした作品はあるけれど
これは秀逸。
絵が綺麗な漫画によく似合う。
Posted by ブクログ
山下和美はもう見えるところまで見えてそうな感じがする。ほんっと、恐ろしいくらいに。何で、こんな作品を描けるのだろう、とこの作品は続きを読む度に思わされる。懐、深過ぎる。。。何たって、主人公、人間じゃないもんね。。。もう懐、深いとかのレベルじゃない。。。(08/11/4)