永井玲衣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
世界が無くならないように、形を変えないように、正しく「保存」することがテーマ。
永井さんが日々考えていること、感じていることが瑞々しい言葉で語られる。
「水中の哲学者たち」と同じく、永井さんの言葉を通して自分自身の思考がぽつぽつ浮かんでは消えて、を繰り返しているような感覚だった。
「保存」といえば私は昔から、人生の全ての項目を記録してくれるような仕組みがあれば良いのに、と感じていた。
ゲームのエンディングの後に出てくる全編を通してのresult。
コインを取った総数、死んだ回数、集めたアイテム○個/100個...
そんな風に、「友達の人数」「喋った単語の数」「使ったお金の総額」「ウニを食べた -
Posted by ブクログ
日常における哲学的な瞬間「哲学モメント」について記述した永井玲衣さんのエッセイ集。『水中の哲学者たち』と表紙の雰囲気も似ているけれど、別の連載をまとめて別の出版社から出ているもの。でも、前作の正統進化版という感じでとても良いです。『水中』が永井さん自身の生活や人生における哲学モメントを多めに切り取ったものだったのに対して、本作では永井さん自身の視点で構成されているのは変わらないですが、題材として詩や短歌など詩人たちの目線を引用しつつ話が進んでいくので、哲学モメントを感じる目線や視点が永井さんだけでなく、他の人にも、そして自分にも拡張されてくる感じ。二作続けて読むことで哲学モメントを感じる視点や
-
Posted by ブクログ
白と水色のコントラストが綺麗なこの本をたまたま見かけ、なんだか内容が気になっていた。哲学について予備知識なくても読むことができ、意外と身近な分野だなと思わせてくれるエッセイでした。
今の小学生は哲学対話の授業なんかあるのか…(,,゚Д゚)「死んだらどうなるか」「約束は何で守らないといけないのか」「早く大人になりたいか」テーマは色々。他人の考えも聞いて、自分の考えも出して、はっきりした答えが見つからなくても、その思考が尊いことなんだと感じた。
『世界はもっと多様で、奇妙で、無数の他なるものが存在する。その事実は本当に恐ろしくて、そしてほっとする。哲学は何も教えない。哲学は手を差し伸べない。ただ -
-
Posted by ブクログ
鈴木保奈美の本の番組にみうらじゅんが出てて、その中のランキングコーナーの売れてる本にあったので読んでみた。
コロナ禍の日記と雑誌などから集めたエッセイ。
LINEの打ち間違い、散歩、サッカー、やさしさ、色んなものを哲学者の目から見つめ直します。
哲学者というと、「昔の偉い人がこう言っていた」的な引用がたくさんあるのかと思ったら、そうでもなくて読みやすかった。それでいて、埴谷雄高や井伏鱒二、寺山修司、まだ読んだことない昭和の文化人の本に興味を持てたりもした。
「会社名」のところに「哲学研究者」と書かれた関係者パスを首に下げてサッカーを観戦すると、サッカー観戦記に一人の選手名も出てこないのが興 -
Posted by ブクログ
『モヤ対談』で興味を持って読んだ。
文章が読みやすく、謙虚で不器用でかわいらしい人柄が伝わってくるようだった。知的なユーモアも感じられる。(茶目っ気のある岸本佐知子さん的な雰囲気)
小学校などでも行っているという哲学対話(問いを立ててみんなで語り合う)というイベントには興味を引かれたが、もうちょっと具体的にというか、踏み込んで書いて欲しい感じがした。
今までどういう問いで行われたかなど、文中にも記載はあったが、もっと知りたい。そしてみなさんの出した答えを知りたい。
ても、答えを知りたい、教えてくれと思ってしまうのは、違うんだろうな。自分で考えないと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作よりも日記っぽかった。テーマに関連して引用される詩や小説の文章にまんまとぐっと来た。
「しゃぼん玉なんども食べようとしてるゾンビになってもきみはきみだな(野村日魚子)」
って詩でうっかり泣いた。駅のホームで。ゾンビになってもわたしはわたしだなって思ってくれる存在がいたらどんなにいいんだろう。お別れしてもまた会えたならそれでチャラよ。
たびたび3.11や地域紛争での虐殺の話などが差し込まれて、忘れちゃいけないこととか知らないといけないことがあるのを思い出す。
「家が流されてなくて、ずるいね」(179頁)
強烈すぎる。
あの日地震が起きたとき、山形でこんなに揺れてるんだから遂に宮城県