永井玲衣のレビュー一覧

  • これがそうなのか

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    私も言葉をこんなふうに尊重し、言葉に対してこんなふうに誠実でありたいと思った。それは明日かもしれないし、数年後かもしれないけど、私は何かの折にこの本を思い出して「これがそうなのか」と思うだろう。

    【読んだ目的・理由】発売記念トークイベントに参加したから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.3
    【一番好きな表現】忘れたくないと願うことと、忘れても大丈夫だと思えることは、両立する。そこに表現の必然性が立ちあらわれる。(本文から引用)

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    2026年02月08日
  • さみしくてごめん

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    また読みたくなって再読。
    前作「水中の哲学者たち」「世界の適切な保存」へと繋がるところもあり、「さみしくてごめん」を読み終わったあとにこの二つを読み直すと新たに面白さを発見できるかも。

    印象的だったのはわたしたちは哲学を「させられている」ということ。哲学を手中に収めるように、まるでツールかのように取り扱っているイメージだったけど、周りを見渡すと小さなところに哲学(著者は哲学モメントと称していた)が隠されているということをこの本から気づきを得た。
    哲学モメントから広がる世界を見ていきたい。

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    2026年02月07日
  • これがそうなのか

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    面白かった。
    哲学者である永井玲衣さんが日常で感じた問いを記したエッセイ本。

    「なぜあらそうの」の章で、
    哲学対話の題材になった絵本で、カエルが持ってる花をネズミが奪うシーンから、嫉妬の話になった。
    「嫉妬とはつかみどころが無い」という事が表現されていた。
    自分にとって都合の悪い感情はわかりづらい。だからそれが発端で争いが起きる。

    その感情は表面上はキレイな顔していたり、強そうな顔をしていたりする。
    醜い自分の感情もフォーカスを当てて、認めてあげられる人になれたらいいなと思う。

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    2026年01月25日
  • さみしくてごめん

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    世界の断片やカケラを見つけることができて、それに対して感動したり絶望したりする著者の視点や感性が良いなと思う
    夜は一人きりな気がしてさみしくなるのではなく自分とふたりきりになるから、自分と向き合うしかなくて寂しくなるのではないかという視点とか、日常のちょっとした気付きによって世界の奥行きに触れることができるんだなとハッとした

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    2026年01月18日
  • 世界の適切な保存

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    詩集のようなような哲学エッセイ
    『水中の哲学者たち』が好きな方には刺さるかも。


    世界を変えることではなく、
世界をどう保存するかという問いかけがされていて、
    今見ている世界は、自分が見たいように見ているだけで、
    見えてないものに隠されている伏線。

    忘れていいもの
忘れてはいけないもの
手放していい感情
手放さずに持っておく感情
    を自分に委ねてみる。

    丁寧に見る。
    やっぱり哲学の本だなぁと思う。

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    2026年01月17日
  • さみしくてごめん

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    ネタバレ

    コロナ過の中で書かれたという、日記とエッセイ。日記の部分がたんたんとしてシュールですごく面白かった。他人の何気ないひと言、ちょっとした出来事から広がるイメージや余韻がなんとも言えず可笑しいのだ。終わるジェノベーゼ、適当に作られたレモネード、いちごジャムの中の鮭の瓶、小生のパワーポイント、ニーチェになるカント。「これでええ?」はつい声を出して笑ってしまった。日常の瞬間瞬間への感性の鋭さが感じられるというか、疑問への瞬発力が高い。
    後半はエッセイになっているが、言葉になる前の感覚をできる限り丁寧にすくい取ろうとしているような文章で、結論のようなものにはあえてたどり着かず、ただ漂っていくようなエッセ

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    2026年01月07日
  • さみしくてごめん

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    日々の暮らしの中で見ているようで見ていないことに気づくことができる。他者の視点と感じ方に新しさやおもしろさがある。単調で退屈だとつい思ってしまう日常生活にも、よく見れば深さがあるものだ。『念入りな散歩』を読んで思う。

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    2025年12月27日
  • さみしくてごめん

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    考えた方がいいから考えるというのではなく、考えなければならない状態に追い込まれて考えている。人それぞれ、理解できないような、説明のつかないような問いを考えている。1人では抱えきれないこの考えるという行動をだれかと共にする。問いという形で共有することで、自分を探したり、新しい可能性に気付いたり、答えがまた分からなくなったりする。これが哲学なのかと思った。

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    2025年12月12日
  • さみしくてごめん

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    さみしいから手に取った
    読めば読むほど哲学が分からなくなる
    哲学モメントを読みながら初体験した
    じわっと心があったかくなった
    なんか、いいなぁ さみしくてよかったな

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    2025年12月12日
  • 世界の適切な保存

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    筆者の引用する文章がいちいち良い。短歌はとりわけ良い。でも自分がこの短歌の載っている歌集を読んだとしてもフーンで流した自信があるので、こういうところに他人の脳味噌を借りる意義があるなぁと思った。
    保存の話はまぁともかく、スターフライヤーマンの話が面白かった。どちらかと言うとこれは次作のお題に関わってくる話なんだろう

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    2025年11月25日
  • 世界の適切な保存

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    日常的な会話や、著者が行うワークショップのでの断片的な会話や言葉、その中で語られた言葉や語られなかった言葉。
    また、日常にとどまらず、東日本大震災や世界で起こる紛争などについても言及しています。
    書かれてはいない決して蔑ろにできない保存すべきことがあることについて書かれています。

    私も日常生活で伝えられなかったことや、気を遣って相手に飲み込まれた言葉について考えさせられました。
    それと今年ベトナムの戦争証跡博物館で見た被害の様子をそのまま残した写真の数々。これらの写真が訴えるものと、ここには保存されていない被害があるということについても考えないといけないし、忘れてはいけないと思いました。

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    2025年11月03日
  • 選挙との対話

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    選挙に興味を持ち始めたものの、分からないことだらけで読んでみた本。

    なぜ自民党は強いのかや、なぜ野党は勝てないのか、なぜ女性政治家は少ないのかなどをテーマに。
    前半はデータに基づいた話しをしているので、ウッとなるが、分かりやすく書いてくれているので、初心者でも全然分からないということはなく読めた。1からと言うよりは、近年の選挙に絞られていて、そこも身近に感じられて良かった。

    最後は哲学対話で締められている。
    興味を持ったのに、具体的に話すのはタブーみたいな風潮でより分からなくなってく「選挙」。生活の中で感じている「選挙」のことが話されていて、もっと身近にみんなで考えてみたいと思えた。

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    2025年10月23日
  • ゼロからはじめる哲学対話 哲学プラクティス・ハンドブック

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    文学部教授による哲学対話を開催したい人に向けた本。哲学カフェが気になった。

    書籍後半は基本的な哲学の諸問題と歴史についてざっくり説明されている。高校の倫理に登場するような哲学者や書籍がバンバン登場する。哲学者たちが歴史のなかでどういう問題に取り組んでいたかがわかりやすく解説されているので読みやすく、倫理を勉強した高校生時代も思い出せて懐かしい気持ちになった。

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    2025年10月10日
  • 世界の適切な保存

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    『水中の哲学者たち』でも感じたが、刻一刻とすぎていく瞬間を言葉として表現しているのが自分にとってはとてもすごいことでどういう風にやっているんだろうと思う。印象に残る一節も多い。自身ももっと世界をよく見て感じ、言葉を書き連ねたい。

    ## はずでした

    「わたしたちの生は、無数の「そうであるはずだった」に満ちている。(中略)ひとが「はずだった」と言うとき、そのひとの心はとこかへ行ってしまったかのように見える。「はず」の二文字に、そっと感情が乗っているからだろうか。」

    ## 適切な保存

    「こんなふうに目まぐるしく入れ替わっていく東京で、ひとつひとつを丁寧におぼえておくことはできない。どんなに意

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    2025年09月14日
  • 世界の適切な保存

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    『水中の哲学者たち』は気になっていたまま読んでなかったんだなと、エッセイとしても独特な書き口に触れて思い返した。哲学対話などの活動についてラジオ出演で耳にしていたイメージだけだったが、語る人という印象だが文体も個性がいい意味で現れている。
    なにか純なる透明性のようなものを掲げる姿勢が胡散臭くもあるのだが、一見すると掴めない表題の真意といったものはときに後継に退きながらも全編を通して語り尽くされていて、高遠な理想とは隔たった実生活的な感性として「世界の適切な保存」という視点は、古くもあり現代において新しくもある議論設定だと思われた。

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    2025年09月13日
  • 世界の適切な保存

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    前半部分は、著者の永井玲衣さんが、忘れることを嫌がっている事から「世界の適切な保存」だと思って読んでいましたが、後半にヒロシマの原爆や東日本大震災など、忘れてはいけないことを忘れないように、言葉を使って、世界を保存しようとして葛藤している様子を感じることができるようになってきました。僕は、個人的に写真を撮ることが趣味なのですが、「時が流れていかないように」というwebsiteを作って、撮った写真を公開していました。(閉鎖しました)永井さんが考えていたことと、同じようなことを僕も思っていたことが、共感を覚えました。日々消費されるコンテンツを、僕もただ保存したいと思います。

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    2025年09月12日
  • 選挙との対話

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    この本を手に取ったきっかけは、情報番組で「自民党がなぜ強いかをデータで分析している」「選挙とは何かを座談会形式で考えている」と紹介されていた点に惹かれたからである。

    本書によれば、自民党が強い理由としては、①小選挙区制において効率的に議席を獲得できる制度構造、②公明党との選挙協力、③野党が候補者を統一できず票が分散すること、④非都市部で組織団体や保護政策を通じて基盤を固めていること、⑤政治に不満を抱えながらも与党に投票する層が一定数いること、などが挙げられている。

    また、(本書の説明を踏まえつつ私の理解を交えて言えば)投票率の低さも自民党に有利に働いている。特に「選挙に行かない層の中には野

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    2025年09月11日
  • 世界の適切な保存

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    “あまりに物事がしんどくて、何もかもが立ち行かない時に、友人に「降伏だ」とメッセージを打とうとした。機械は、わたしの状況などつゆ知らず「幸福だ」と変換した。わたしは自分で自分のことを幸福と言ったことがなかったから、それを真新しい目で見ることになった。”(p.94)



    “見ることは、変えることだ。自分自身を超え、変えていくことだ。世界は不適切に保存され、手渡される。それを、もっと見ようとする。見ることによって、知っていたと思い込んでいたものが変形する。知っていたと思い込んでいた自分が変わる。ならば、どうするかだ。
    見るだけで終わることはできない。見ることは、わたしを当事者にする。共に生きるひ

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    2025年08月21日
  • 世界の適切な保存

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    とりとめもないことを見てどんどん思考、いや妄想が広がっていくのが好きなんだけれども、それを保存したいなと思った。適切に保存できるかな

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    2025年08月03日
  • 世界の適切な保存

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    「記憶とは不完全なもので、もどかしいもの。また言葉も完全であろうとしても完全になりえることは不可能だ。言葉は他者にむけて手渡されるべきものであるから、言葉ゆめゆめ手放してはならない、たとえ言葉を見失うようなことが目の前に立ち現れたとしても。そしてその感情を適切に保存する。わたしたちが人間であろうとするのなら、その忘却と無邪気な残虐さも、だ。経験することでしかわからないことはあるが、経験してもわからないことはある。見ることは、変えること。自分自身を超え、変えていくことだ。見るだけで終わることはできない。見ることはわたしを当事者にする。共に生きるひとにする。そういうことが問われている」そんなことが

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    2025年07月17日