永井玲衣のレビュー一覧

  • 世界の適切な保存

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    「何かを残す」ということは「残されなかった何か」がまたあるということ。残したいけど、匂いや味みたいに残せないものもまた確かにあるということ。残すべきことと残すべきでないこと、つなぐ必要がある過去と消し去りたい過去。読み進めるうちに段々と馴染んできて考えさせられた1冊。

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    2025年03月04日
  • 世界の適切な保存

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    「夜が明けてやはり淋しい春の野を
    ふたり歩いてゆくはずでした」東直子

    仮定法過去完了の「はずでした」には、後悔や願望の響きがある。
    「もし一緒にいたならば3年になるはずでした」
    でも、
    「撮られなかったものも撮った写真に全部入っているんで。私がその前後を生きているんで。」
    という友の言葉にハッとする。
    自分が選んだ道は選べ直せなくても、選ばなかった道がそこに入っているとしたらポジティブな余韻が残る。

    前回読んだ『水中の哲学者たち』より深い味わいがある。日常のことが、掘り下げられ、新しい角度で語られる。見逃してしまうこと、忘れてしまっていることにも光が当たる。不確かな記憶の中には思い出して欲

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    2025年02月15日
  • 選挙との対話

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    ・なぜ自民党の一強体制が続いているのか?
    ・投票行動には何が影響しているのか?

    こうした選挙で気になる問いに対してデータを用いて客観的に考察して納得感ある結論や示唆が明確に示されているので勉強になった。選挙に関するデータや研究が多数紹介されている良い本だと思います

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    2024年11月23日
  • 水中の哲学者たち

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    同じ海に潜った時に、すぐ浮上する人と、深く潜って探索する人の、後者に関する本
    深く物事考えられるのって、時間もゆっくり流れていいなぁ

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    2025年11月08日
  • さみしくてごめん

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    日記のところが特に好き。
    哲学っていつまで経っても掴めないから哲学。
    当たり前に生きているこの世界には哲学が、不思議が、不可解がたくさん。おもしろい。

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    2025年11月06日
  • さみしくてごめん

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    哲学パートは難しくて消化しきれなかったけれど、日記が面白かったのでもっと読みたいと思った。『これでええ?』が一番笑った。

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    2025年10月18日
  • さみしくてごめん

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    4つのパートに分かれていて、1が日記であとはエッセイ。
    日記は、声に出して笑ってしまう所やあるあると思う所、考えさせる所もあり、面白かった。
    爆笑したのは、著者の同期の人のメール。
    2から急に読むスピードが遅くなってしまった。

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    2025年09月24日
  • 水中の哲学者たち

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    あさイチで上白石萌音ちゃんが永井玲衣さんの書く言葉が好きと言っていたので読んでみた。『分からない』から対話する。優しい言葉たちでいっぱい。

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    2025年09月23日
  • さみしくてごめん

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    面白い。日常で起きたこととか思い出したことを書いているんだけど、雑談してるみたいな感覚。ふふっと声出して笑った。エッセイってその人が触れてきたものが引用されたりするから、そこから新しい出会いがあって面白い。
    例えば、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩を初めて知って好きになった。
    「おい、ピータン」の漫画を読みたくなった。

    「ひとは脆いけど、しぶとい」

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    2025年09月13日
  • さみしくてごめん

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    時々吹き出す笑いと、
    じんわり押し寄せてくる笑いと、
    ニヤニヤ幸せな笑いとがある

    でも実は
    好きな人と同じ本を読んでいることが
    いちばん嬉しい

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    2025年09月10日
  • 世界の適切な保存

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    時間はどんどん過ぎて、世界は変わっていく。
    その一コマの切り取り方が独特で、些細な日常もこんな捉え方ができるのかという気付きがたくさんあった。
    その一つ一つは、正直わかったようなわからないような。哲学ってそういうものなんだろうか。
    心に残ったのは「かくれる」。
    好きな人、大切な人の一部になることが、その人を保存することになるという気持ち。
    適切に保存しようと思うあまり、体の一部を食べてしまいたいという欲求が生まれる。
    少し前に読んだ「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」と通じるところがあるなと思い出した。
    何かが消える、失われる、忘れられることに、多くの人は無意識のうちに恐怖を感じてい

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    2025年08月31日
  • さみしくてごめん

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    永井玲衣さんの本は「水中の哲学者たち」が一番好きだな〜。
    今回の本では永井さんの問いが自分にすっと入ってこないこともあったけど、やさしさについての話はすごくなるほど!と共感できた。
    誤変換の話は声に出して笑った。

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    2025年08月31日
  • 水中の哲学者たち

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    哲学ってこういうことなんだ!とはハッキリ思えないまま読み終わってしまいましたが、哲学がその基礎知識となるような偉人たちの知を必ずしも必要としないということは伝わってきました。哲学対話おもしろそうだなって思いました。

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    2025年06月24日
  • 世界の適切な保存

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    世界に「か」が足りないように感じて「か」を補給する。
    世界を適切に保存するのはその時の体験とか匂いとか、そのまま伝えること。

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    2025年05月17日
  • 世界の適切な保存

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    ネタバレ

    前作に比べて作者自身の想いの表現が色濃く打ち出されて、哲学エッセイというよりもエッセイとして読み進めた

    それは単に伝え方を少し婉曲にしただけなのかもしれないが、エッセイであるならなーという気もある。

    ただ、最後の方にあった「改行する」「手渡す」「見る」などはエッセイ・最近の考え事の発露としても興味深く読めた

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    2025年04月13日
  • 世界の適切な保存

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    ネタバレ

    コロナ禍で、授業中の風景を絵にしてもらったところ、同じようなものばかりが寄せられた。このエピソードについて語られるが、私は記憶がありきたりなものに堕してしまう力の強さを感じた。集合的ともいうべきか。だからこそディテールを意識して記憶していくことが大切だ。

    今回は後半で政治色が濃厚になる。いわゆる左翼のナイーブさが窺われる。問題からどうするかという骨太さは窺われない。火中の栗を拾うとでも喩えようか。そういう姿勢は窺われない。いい人なのだが、頼りない。日本では詩や哲学が弱いとされる所以をここにも感じた。

    においの件は、同感だ。そこには既存のメディアでは伝えきれない、また、言葉では伝えきれないも

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    2025年03月30日
  • 世界の適切な保存

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    言葉をとても大切にしている文章だった。日常生活の中で感じたことのある感覚や、なんとなくそう思っていたけど言葉で表現するのは難しかった気持ちが、本の中には垣間見えるような気がした。私も日常のいろんな瞬間から、いろんなことに気づけるようになりたい。読み終わって、共感や好意ではなく、否定でもない感情を感じて不思議な感覚に陥っている。哲学のことをきちんと理解できたわけではないけど、時間がたったらまた読み返してみたい。哲学のことも少しずつ知っていきたい。

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    2025年03月04日
  • 世界の適切な保存

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    なぜ保存したいかは著者もわからない、わからないからこそ考える。適切なのは自分にとってなのか世界にとってなのか、何様なのかどちら様なのか、善意なのか本心なのか、アレコレ考える思いが、わざとらしくない感じで追想できて、楽しい

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    2025年02月23日