永井玲衣のレビュー一覧

  • 世界の適切な保存

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    ゾクリ、ヒヤリ、とした。
    突き刺さってくるような、久しぶりの体験。
    文体はたゆたうように柔らかいのに抉ってくる内容。

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    2025年04月20日
  • 世界の適切な保存

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    この人の文章は何か独特なものがある。自然でさりげないのだけれど強さもあり、評判が高いのも納得である。

    読んでいるとなんだか心があるべきところに収まっていく感じがある。自分が自分のままでいいのだと思えてくる。

    こうやって自然体で、かつ周りに影響力を持つ人に憧れがある。村上春樹がその極地だろう。

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    2025年04月13日
  • 世界の適切な保存

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    どんな本かわからずに手に取った。哲学??エッセイ??短歌の解説??
    なんか、都会的なことば遊び?どことなくおしゃれな演出?と批判的に読んでいて、途中で一旦読むのをやめた。谷川俊太郎とかさくらももこみたいな印象もあり。(どちらも好きですが、)
    2.3日おいて、再度読み始めたら、びっくりすることに、涙が止まらず、やたらと心が動かされている自分がいた。不謹慎なことにそれがとても心地よかった。

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    2025年04月10日
  • 世界の適切な保存

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    この本を読んでいると終始安全な場所に居るような気がした。誰にも知られずに見つめてきた世界、似た目を持った人の言葉たち。

    書いてあること自体にも胸を打たれるものはもちろんあったけど、それよりも何よりも私にとっては著者のような目を持った人、その周りにいる人たちの存在に励まされた。

    重くて、軽やかで、そしてとても誠実な一冊、水中の哲学者たちもこちらも大事な本になりました。

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    2025年04月01日
  • 世界の適切な保存

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    全国で哲学対話を行っている著者の新刊エッセイ集。日頃の体験や対話を通じて築かれ記憶を「適切に保存できるか」を多面・複眼で捉えようとします。イスラエルによるガザ侵攻に心を痛め、パレスチナの歴史と現在を適切に理解し、記憶として適切に保存することを語りかけます。哲学とは「問うこと」であり、多くの詩や短歌、大江健三郎などの作品を引用して、自問自答を繰り返します。世界をもっと「よく」みること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること、この世界と向き合うための哲学エッセイ。苦手な詩や短歌の連続で不勉強で共感力に乏しい私にとっては、非常に難しい書籍となった。今回の読書経験もプラスにとらえ、見識を広

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    2025年03月23日
  • 水中の哲学者たち

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    ・今年2回目の再読。この本を読んでから、他者に自分をひらく、ということについてずっと考えている。

    ・ふだんのあれもこれもぜんぶ哲学じゃん、という気づき。日常が問い。問うことは、他者との違いを知り、世界と、自分の解像度を上げていく行為か、と。

    ・幼い頃、なんで?と問われ、うまく答えることができず、しばらくの間ほったらかしにされた経験がある。それがおそらくトラウマになっていて、「なんで?」「どうしてそう思うの?」類の質問から避け続けてきたように思う。それは単純な問いで、ただ、わたしのことを知るためのものであって、決して責めているわけではない。それに気づいたのは、随分と時間が経ってからだった。な

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    2025年09月04日
  • 水中の哲学者たち

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    哲学「対話」。相手を知り自分を知る。それが「対話」によって深まる。哲学ってそういうことなのかと簡単なようで難しい。詩的なエッセイで、軽やかながら深い読後感が残る淡い読書体験。

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    2025年11月27日
  • 世界の適切な保存

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    筆者の引用する文章がいちいち良い。短歌はとりわけ良い。でも自分がこの短歌の載っている歌集を読んだとしてもフーンで流した自信があるので、こういうところに他人の脳味噌を借りる意義があるなぁと思った。
    保存の話はまぁともかく、スターフライヤーマンの話が面白かった。どちらかと言うとこれは次作のお題に関わってくる話なんだろう

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    2025年11月25日
  • さみしくてごめん

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    思わず、くすくすと笑ってしまうユーモラスで肩肘張らない文章で楽しい。ほんのちょっと哲学の入口というか「考えずにはいられないこと」を受け入れる?投げやらない?共に有る?生活をしても良いのかもしれないと思わせられる。

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    2025年11月18日
  • 水中の哲学者たち

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     永井玲衣さんのいう「手のひらサイズの哲学」とは、世界に根ざしながら世界を見つめて考えること、らしい…ん?? この問いへの一つの探究を、「哲学対話」を通して掘り下げた哲学エッセイです。

     哲学という言葉からくる堅苦しい印象からは程遠い、軽やかさを感じました。そう感じる理由は、世界の「わからなさ」について、永井さん自身が「わからない」自分を隠さず晒している点だと思います。

     何かを深く考えることは、しばしば水中に深く潜ることにたとえられるそうで、哲学対話は、ひとと一緒に考えるから、みんなで潜ることになります。
     永井さんは、哲学対話で中立的な立場で合意形成を支援する進行役(ファシリテーター)

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    2025年11月17日
  • 水中の哲学者たち

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    過去の記憶に、そっと灯をかざしてもらえたことで、その過去の出来事にもカラフルな色彩があったことに気がつけた。確かにその経験はリアルな体験としてそこにあったのだ、と再体験できた。読書前は、記憶が灰色であることが普通すぎて、灰色であることも意識にあがっていなかったが。
    自分に迷ったとき思い出したい文章を、フレーズに書きとどめておこう。

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    2025年11月10日
  • 世界の適切な保存

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    日常的な会話や、著者が行うワークショップのでの断片的な会話や言葉、その中で語られた言葉や語られなかった言葉。
    また、日常にとどまらず、東日本大震災や世界で起こる紛争などについても言及しています。
    書かれてはいない決して蔑ろにできない保存すべきことがあることについて書かれています。

    私も日常生活で伝えられなかったことや、気を遣って相手に飲み込まれた言葉について考えさせられました。
    それと今年ベトナムの戦争証跡博物館で見た被害の様子をそのまま残した写真の数々。これらの写真が訴えるものと、ここには保存されていない被害があるということについても考えないといけないし、忘れてはいけないと思いました。

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    2025年11月03日
  • 水中の哲学者たち

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    いろんなことを考えたり悩んだり、そういうことは自分にもたくさんあるけど、そのことを覚えてたり、深く考えたりする、記録する習慣がない。
    いろんな人と対話する中で確かに積み上がる思考と問い、こういうものを本にまとめてくれることに価値があるなと思う。

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    2025年11月03日
  • 水中の哲学者たち

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    Audible で。
    手のひらサイズの哲学ということばが耳に残る。
    途中泣きたくなったり、暗くなったり、楽しくなったり、笑ったり。素敵な哲学書だったな。

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    2025年10月29日
  • さみしくてごめん

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    哲学というものがなんなのかわからない人にとっても、とっかかりになる作品(エッセイ)でした。
    考えすぎてしまうきらいがある私にとっては、同じように問い自体に対して頭を悩ませている方の存在は心強いです。
    ひとつひとつの事柄の心もとなさ、さみしさに真摯に向き合っている姿は素敵だと思います。わかりあえないとしても、どうしてそうなのか、そうなっているのはなぜなのか、他人の言葉を借りずに自分自身の言葉で表現していきたいです。

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    2025年10月26日
  • 選挙との対話

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    選挙に興味を持ち始めたものの、分からないことだらけで読んでみた本。

    なぜ自民党は強いのかや、なぜ野党は勝てないのか、なぜ女性政治家は少ないのかなどをテーマに。
    前半はデータに基づいた話しをしているので、ウッとなるが、分かりやすく書いてくれているので、初心者でも全然分からないということはなく読めた。1からと言うよりは、近年の選挙に絞られていて、そこも身近に感じられて良かった。

    最後は哲学対話で締められている。
    興味を持ったのに、具体的に話すのはタブーみたいな風潮でより分からなくなってく「選挙」。生活の中で感じている「選挙」のことが話されていて、もっと身近にみんなで考えてみたいと思えた。

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    2025年10月23日
  • さみしくてごめん

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    問いに問いかける。どうしたってことない日常も悪くはない。むしろ面白い。問い方一つで、観ている世界が変わる。
    くすっと笑える、想像できるシーン。
    あるある。
    ことばが届かない世界もそれは存在している。どうして届かないんだろう。
    また、それも考えたくなる。

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    2025年10月21日
  • さみしくてごめん

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    この本は哲学書?エッセイ?
    その境目はなく、永井玲衣さんという人の言葉がただそこにあるという感じ。
    そもそも哲学というものは、改めてかしこまって考えるものではなくて、日常の中にふっと沸き起こる問いなのかもしれない。
    永井さんの文章はとにかく読みやすい。
    プッと笑ったり、問いに頭を悩ませたり…まるで対話しているような気分になりながら読んだ。
    一人で読んでいても、なぜか一人のような気がしなくて、さみしくない時間だった。

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    2025年10月21日
  • 水中の哲学者たち

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    ポップな調子で面白かったけども……、哲学……色んな余裕がないと無理だなと、余裕のない今の暮らしと脳みそを振り返って思い直す。

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    2025年10月05日
  • 世界の適切な保存

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    『水中の哲学者たち』でも感じたが、刻一刻とすぎていく瞬間を言葉として表現しているのが自分にとってはとてもすごいことでどういう風にやっているんだろうと思う。印象に残る一節も多い。自身ももっと世界をよく見て感じ、言葉を書き連ねたい。

    ## はずでした

    「わたしたちの生は、無数の「そうであるはずだった」に満ちている。(中略)ひとが「はずだった」と言うとき、そのひとの心はとこかへ行ってしまったかのように見える。「はず」の二文字に、そっと感情が乗っているからだろうか。」

    ## 適切な保存

    「こんなふうに目まぐるしく入れ替わっていく東京で、ひとつひとつを丁寧におぼえておくことはできない。どんなに意

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    2025年09月14日