永井玲衣のレビュー一覧

  • 世界の適切な保存

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    哲学者である著者が書いたエッセイ本。文体がやわらかくて読みやすいのに哲学的な視点が散りばめられていて、題材も幅広く、読みながらたくさんのことを考えた。もっと考えたいと思った。問いを持つこと、対話すること、見て聴いて嗅いで体験すること、そしてその体験を保存しようと試みること、それを諦めずに続けてくれている人がいるということが安心感を与えてくれたし、私もそうしていきたい。

    【読んだ目的・理由】哲学エッセイというジャンルが気になったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.5
    【一番好きな表現】言葉と生きることを手放さないように決めたひとは、書かねばならない。(本文から引用)

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    2025年07月21日
  • さみしくてごめん

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    永井さんの言葉は断片的で、ふわふわと不安定な世界に漂いながらも、いつも光を伴って帰ってくる。

    不安やストレスに立ち向かう方法や、考え方を変えましょうって内容の本は数多くあるけれど、
    この本は一緒に向き合おうよ、みんなで奥底まで潜って考えようよって言ってくれている感覚で、
    自分の思考や感情を否定せず両手で掬い上げて向き合える感じがした。

    私も普段、駅で足を踏まれてイラっとしたこと、アイスの美味しさに感動したことなど日々ちょっとした事で感情が動くけれど、
    そんな一つ一つの感情の機微を何だろう?何で自分はこんな風に思ったんだろう?って心の奥底を覗きにいくような感覚、すごく好きだった。心の奥行を広

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    2025年07月20日
  • 水中の哲学者たち

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    初読みの永井玲衣さん。
    読みながら心にグサグサ刺さる表現がたくさんあって、私は読みながら泣いてしまいたくなった。考えること、問うこと、その問いによって誰かを傷つけてしまったり、助けられたり。他人と繋がることって難しいけれど、私は私、あなたはあなたでいいんだよと永井さんに言ってもらえているような気持ちで最後まで読みました。

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    2025年07月07日
  • 世界の適切な保存

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    ゾクリ、ヒヤリ、とした。
    突き刺さってくるような、久しぶりの体験。
    文体はたゆたうように柔らかいのに抉ってくる内容。

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    2025年04月20日
  • 世界の適切な保存

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    この人の文章は何か独特なものがある。自然でさりげないのだけれど強さもあり、評判が高いのも納得である。

    読んでいるとなんだか心があるべきところに収まっていく感じがある。自分が自分のままでいいのだと思えてくる。

    こうやって自然体で、かつ周りに影響力を持つ人に憧れがある。村上春樹がその極地だろう。

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    2025年04月13日
  • 世界の適切な保存

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    どんな本かわからずに手に取った。哲学??エッセイ??短歌の解説??
    なんか、都会的なことば遊び?どことなくおしゃれな演出?と批判的に読んでいて、途中で一旦読むのをやめた。谷川俊太郎とかさくらももこみたいな印象もあり。(どちらも好きですが、)
    2.3日おいて、再度読み始めたら、びっくりすることに、涙が止まらず、やたらと心が動かされている自分がいた。不謹慎なことにそれがとても心地よかった。

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    2025年04月10日
  • 世界の適切な保存

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    この本を読んでいると終始安全な場所に居るような気がした。誰にも知られずに見つめてきた世界、似た目を持った人の言葉たち。

    書いてあること自体にも胸を打たれるものはもちろんあったけど、それよりも何よりも私にとっては著者のような目を持った人、その周りにいる人たちの存在に励まされた。

    重くて、軽やかで、そしてとても誠実な一冊、水中の哲学者たちもこちらも大事な本になりました。

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    2025年04月01日
  • 世界の適切な保存

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    全国で哲学対話を行っている著者の新刊エッセイ集。日頃の体験や対話を通じて築かれ記憶を「適切に保存できるか」を多面・複眼で捉えようとします。イスラエルによるガザ侵攻に心を痛め、パレスチナの歴史と現在を適切に理解し、記憶として適切に保存することを語りかけます。哲学とは「問うこと」であり、多くの詩や短歌、大江健三郎などの作品を引用して、自問自答を繰り返します。世界をもっと「よく」みること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること、この世界と向き合うための哲学エッセイ。苦手な詩や短歌の連続で不勉強で共感力に乏しい私にとっては、非常に難しい書籍となった。今回の読書経験もプラスにとらえ、見識を広

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    2025年03月23日
  • 水中の哲学者たち

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    ・今年2回目の再読。この本を読んでから、他者に自分をひらく、ということについてずっと考えている。

    ・ふだんのあれもこれもぜんぶ哲学じゃん、という気づき。日常が問い。問うことは、他者との違いを知り、世界と、自分の解像度を上げていく行為か、と。

    ・幼い頃、なんで?と問われ、うまく答えることができず、しばらくの間ほったらかしにされた経験がある。それがおそらくトラウマになっていて、「なんで?」「どうしてそう思うの?」類の質問から避け続けてきたように思う。それは単純な問いで、ただ、わたしのことを知るためのものであって、決して責めているわけではない。それに気づいたのは、随分と時間が経ってからだった。な

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    2025年09月04日
  • さみしくてごめん

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    ネタバレ

    コロナ過の中で書かれたという、日記とエッセイ。日記の部分がたんたんとしてシュールですごく面白かった。他人の何気ないひと言、ちょっとした出来事から広がるイメージや余韻がなんとも言えず可笑しいのだ。終わるジェノベーゼ、適当に作られたレモネード、いちごジャムの中の鮭の瓶、小生のパワーポイント、ニーチェになるカント。「これでええ?」はつい声を出して笑ってしまった。日常の瞬間瞬間への感性の鋭さが感じられるというか、疑問への瞬発力が高い。
    後半はエッセイになっているが、言葉になる前の感覚をできる限り丁寧にすくい取ろうとしているような文章で、結論のようなものにはあえてたどり着かず、ただ漂っていくようなエッセ

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    2026年01月07日
  • 水中の哲学者たち

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    たしか星野源さんの選書フェアで買った本。すごく読みやすくて、いろんなものごとを考える端緒になりそう。「哲学対話」にちょっと興味がわいた。

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    2026年01月03日
  • さみしくてごめん

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    日々の暮らしの中で見ているようで見ていないことに気づくことができる。他者の視点と感じ方に新しさやおもしろさがある。単調で退屈だとつい思ってしまう日常生活にも、よく見れば深さがあるものだ。『念入りな散歩』を読んで思う。

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    2025年12月27日
  • さみしくてごめん

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    考えた方がいいから考えるというのではなく、考えなければならない状態に追い込まれて考えている。人それぞれ、理解できないような、説明のつかないような問いを考えている。1人では抱えきれないこの考えるという行動をだれかと共にする。問いという形で共有することで、自分を探したり、新しい可能性に気付いたり、答えがまた分からなくなったりする。これが哲学なのかと思った。

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    2025年12月12日
  • さみしくてごめん

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    さみしいから手に取った
    読めば読むほど哲学が分からなくなる
    哲学モメントを読みながら初体験した
    じわっと心があったかくなった
    なんか、いいなぁ さみしくてよかったな

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    2025年12月12日
  • 水中の哲学者たち

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    哲学「対話」。相手を知り自分を知る。それが「対話」によって深まる。哲学ってそういうことなのかと簡単なようで難しい。詩的なエッセイで、軽やかながら深い読後感が残る淡い読書体験。

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    2025年11月27日
  • 世界の適切な保存

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    筆者の引用する文章がいちいち良い。短歌はとりわけ良い。でも自分がこの短歌の載っている歌集を読んだとしてもフーンで流した自信があるので、こういうところに他人の脳味噌を借りる意義があるなぁと思った。
    保存の話はまぁともかく、スターフライヤーマンの話が面白かった。どちらかと言うとこれは次作のお題に関わってくる話なんだろう

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    2025年11月25日
  • さみしくてごめん

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    思わず、くすくすと笑ってしまうユーモラスで肩肘張らない文章で楽しい。ほんのちょっと哲学の入口というか「考えずにはいられないこと」を受け入れる?投げやらない?共に有る?生活をしても良いのかもしれないと思わせられる。

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    2025年11月18日
  • 水中の哲学者たち

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     永井玲衣さんのいう「手のひらサイズの哲学」とは、世界に根ざしながら世界を見つめて考えること、らしい…ん?? この問いへの一つの探究を、「哲学対話」を通して掘り下げた哲学エッセイです。

     哲学という言葉からくる堅苦しい印象からは程遠い、軽やかさを感じました。そう感じる理由は、世界の「わからなさ」について、永井さん自身が「わからない」自分を隠さず晒している点だと思います。

     何かを深く考えることは、しばしば水中に深く潜ることにたとえられるそうで、哲学対話は、ひとと一緒に考えるから、みんなで潜ることになります。
     永井さんは、哲学対話で中立的な立場で合意形成を支援する進行役(ファシリテーター)

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    2025年11月17日
  • 水中の哲学者たち

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    過去の記憶に、そっと灯をかざしてもらえたことで、その過去の出来事にもカラフルな色彩があったことに気がつけた。確かにその経験はリアルな体験としてそこにあったのだ、と再体験できた。読書前は、記憶が灰色であることが普通すぎて、灰色であることも意識にあがっていなかったが。
    自分に迷ったとき思い出したい文章を、フレーズに書きとどめておこう。

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    2025年11月10日
  • 世界の適切な保存

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    日常的な会話や、著者が行うワークショップのでの断片的な会話や言葉、その中で語られた言葉や語られなかった言葉。
    また、日常にとどまらず、東日本大震災や世界で起こる紛争などについても言及しています。
    書かれてはいない決して蔑ろにできない保存すべきことがあることについて書かれています。

    私も日常生活で伝えられなかったことや、気を遣って相手に飲み込まれた言葉について考えさせられました。
    それと今年ベトナムの戦争証跡博物館で見た被害の様子をそのまま残した写真の数々。これらの写真が訴えるものと、ここには保存されていない被害があるということについても考えないといけないし、忘れてはいけないと思いました。

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    2025年11月03日