永井玲衣のレビュー一覧

  • さみしくてごめん

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    著者がコロナ前、コロナ最中に書き溜めたエッセイ。
    エッセイは、ことばがひとりぼっちで、出版を躊躇していたという著者。

    それでも読みたいと言ってくれるひとがいて、手渡したいと思うわたしがいた。
    ひとりでに語り手になることはできない。必ずきくひとがいて、わたしたちはようやく表現をすることができる。ただ考えていることがある。それもまた、きくひとがいて、ようやくことばになってくれることがある。

    哲学者・作家である永井さんが、あるトークセッションで、「わたしたちは日常で哲学はよくしているが、対話はしていない。」と言っていたことがあった。
    あの人と話すと元気がもらえるのは?、コーヒーはなんで黒いのか?

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    2026年01月10日
  • これがそうなのか

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    「言葉」に対して問いを"見舞い"ながらその言葉の存在を深掘りしていく第一部。
    横文字言葉、あーね、普通に、〇〇テロなど…何気なく自然と、軽々しく、雰囲気で使えてしまう言葉ではあるが、これらをちゃんと意味を理解しようとすると簡単には紐解けない背景があるようにも思えてくる。日本語の不可思議に触れる。
    永井さんが提示するそれらの問いと切り口にはハッとさせられた。いままで考えたり言語化したことはないけど、なんとなーく感じている違和感とかモヤモヤを明らかにしてくれるような、めっちゃわかると共感しまくったり。ああ、日本語って奥ゆかしい〜。
    日頃感覚で使えてしまっている言葉をちゃんと理解

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    2026年01月02日
  • 水中の哲学者たち

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    タイトルにあるように哲学は水の中に入るような体験だと解釈できるが、永井さんの文章も透き通った水のようで、ガブガブといくらでも飲めそうだ。クスリと笑ってしまう日常の穏やかなシーンをスローモーションのように切り取り、チクチクと痛む出来事を優しく解くような言葉で癒し、分からなさや心細さに寄り添う思考にとても勇気づけられた。おクーポン、今度使ってみたい言葉である。

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    2025年12月28日
  • これがそうなのか

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    水中の哲学者たちと比較して、永井さんのシャープでまっすぐな言葉の切れ味や世界の切り取り方はそのままに、全体主義へ向かう社会を憂う影があちらこちらに見られた。語るための、誰かを守るための、社会をよりよく描くための言葉を紡ぎ出すのは大変だったんだろうなと思う。

    特に印象に残ったのは飯テロのエッセイで、本来は絶対に並ばない言葉同士の摩擦が生み出す新鮮な感触や、組み合わせに失敗した時の不協和音を見事に描いていた。

    本日刊行イベントに足を運んで直に話を聞くことができてよかった。
    世界は不条理に溢れているけれどこの世に生まれてしまった以上は踊り明かすしかない。理論整然としている、100%純度の高い世界

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    2025年12月27日
  • さみしくてごめん

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    やっぱりこの人の本は面白い。色んな魅力がある人だけど私的には「懐が深い人」という印象が強いです。その一つとしてのエピソードとして「無限大から見れば同じですよ」と言われたいと思うこと、まちなかで何もしない人「ただ存在している人になる」という活動など、どこか本質的であり、でもこの資本主義では許せない行為をやってみることなど意外な発見をもたらしてくれます。

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    2025年12月21日
  • さみしくてごめん

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    コロナ禍で書かれた日記(第1章)とエッセイ集。作者は哲学者さんであるらしく、文章をこねくり回して結論らしきものや、問いらしきものを捻り出していく。ほむほむ(詩人、穂村弘)さんに文章が似ているなと思っていたら、ほむほむの読者さんであった。出だしで北海道の地名が出てきたので、北海道在住かと思いきや、渋谷の人とのことで大変な都会人であった。引用されている「空席がすばやく埋まる東京で誰が消えたか思い出せない」という感覚はわかる気がする。そんな都会人ではないのだけれど。

    あとがきに

    この本を手にとってくださったあなたにも、ありがとうございます。あなたの、ただ考えてしまったことを、ぜひ押し込めないで、

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    2025年12月15日
  • これがそうなのか

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    初見の永井さん。

    この人の言葉選びは逸材な気がした。
    よほど繊細で、視野が広い方なのだろう。

    好きなひとの相槌はあまり打ちたくない

    はなんだか深くてグッときた。わかる気がした

    この会話早く終わらないかな?と思ったとき
    必然と相槌が多くなってしまう心理と
    普通は好きなひとの話ならなんでも聞いてあげたいから相槌をたくさん打とうとするはずなのに
    その時間と相手が尊くて、終わってほしくなくて、

    人とは常に矛盾して、口と私は
    また別物なのだ

    なんだか気が晴れるいい本に出会った

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    2025年12月10日
  • これがそうなのか

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    永井玲の著書は全て読んでいる。新しい感覚に目覚めさせてくれたり、ことばにならなかった物事に気がつかせてくれる、私にとってとても大切な存在だ。(あ、『さみしくてごめん』は積読中でした)

    今回もとても良かった。しばらくはその余韻にぼーっとしてしまう。

    第一部は『問いはかくれている』。新しいことばや気になることばに潜む問いを考える12篇。
    第二部は『これがそうなのか』。著者が幼い頃から読んで強く感じたことばたちを深く掘り下げる、12篇。

    第一部ではクスッとしたり、あーそうそう、でもそこまで考えたことなかったな、なんて、比較的軽く読み進めることができる。『若者の喫茶店のマスター化』なんて言い得て

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    2025年12月06日
  • さみしくてごめん

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    spotifyの夜更かしの読み明かしで初めて永井さんの事、哲学対話の事を知って、どハマりして配信が終わってしまってからもいまだにリピートして聴いている。この人の物事を深く探求していく姿勢も、ありふれたものや人でも決めつけをせずに対峙する姿勢も好きだな。
    もっと永井さんの哲学対話を知りたいと思って本を読んでみた。

    前半は短めの日記、ユーモアがあってなんか人生楽しんでるなぁって笑ってしまうところがたくさん。

    後半は抽象的で難しい所もあったけど面白く読ませてもらった。哲学モメントが印象的だった。

    見慣れていたものやわかったつもりで漠然とみていることが突然よくわからないものになってしまう体験。世

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    2025年12月06日
  • 水中の哲学者たち

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    いつの間にか、人と会話していても「なんで?」と問うことができなくなっていたことが分かった。掘り下げて聞かないからいつも表面的な話に終始していた気がする。もっと人と対話したいな。相手の考えを聞いて自分の考えをゆっくりでも良いからぶつけたいなと思った。焦らず、言い淀んでも構わないからちゃんと伝えたいな。

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    2025年11月30日
  • 水中の哲学者たち

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    子どもとの哲学に関する話が特に、胸が締め付けられるような、涙が出そうな、そんな気持ちになる。
    言葉にすることができなかった問いに、みんなで向き合い考えることのできる彼らが羨ましく、向き合えない彼らが疎ましく思う。
    子どもの頃の自分がその場にいたら、きっとうまく言葉にできないまま考え続けていただろうこと。
    大人になった私が、彼らに問いを投げかけられたら、きっと狼狽えてもごもごとありきたりなことしか言えなくなって、また考え続けてしまうだろうこと。
    一つひとつ読むたびに、息を長く吐いて、心を落ち着かせる。私も哲学的なことばかり考えている子どもだったと思い返す。そして、今もずっと考え続けていて、たまに

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    2025年11月30日
  • これがそうなのか

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    永井玲衣さんの本を読んでいると、靴の中にある小石のような、前後ろ逆になった肌着を着ている時のような、日常では見過ごされるちょっとした違和感を掘り下げて観察している気持ちになる。私にはそれがとても新鮮に見えて、もっと言葉を、世界を知りたいと思わせてくれる。永井さんの本を読んで、私の中で生まれた言葉にならない違和感を言葉で表せるようになった。これからも楽しみにしています。

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    2025年11月30日
  • 水中の哲学者たち

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    発刊当初、初めて書店で見た時から、「これはきっと良い本だ」と思った事を覚えています。

    なにしろ装丁に作り手の愛が溢れている。

    それから3年ほどの月日が経ち、ようやく本書を開きました。

    思った通りの素晴らしい本でした。

    哲学研究者としての探究の深さを感じつつ、エッセイ調のため言葉選びの優しさや繊細さも魅力で、哲学慣れしていない人もこの本から哲学の面白さを味わえるのではないでしょうか。

    著者本人の「世の中にうまく嵌まっていない」という告白が個人的にとても好きで、仲間を見つけたような安心感をくれました。

    私も哲学対話の世界に足を踏み入れたくなりました。

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    2025年11月27日
  • さみしくてごめん

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    自分をありのままに、そしてそれ自体をなんとも思っていない。清さとも自然体とも違うなにかがこの本にはある。永井さんは日常のあらゆるものを怖がりながらどこか面白がっている。彼女のアンテナに引っかかる言葉。それ自体が取るに足らないものでも、平凡なものでも彼女にかかるとたちまち特別な意味を持った言葉になる。不思議だ。その切り口がとても面白い。

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    2025年11月24日
  • 水中の哲学者たち

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    哲学は案外ありふれたところらから始めることの出来るもので、何歳になっても考えることって面白いんだと嬉しくなった。

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    2025年11月24日
  • これがそうなのか

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    本に育てられてきた、本が先で世界が後だったという永井玲衣さんの「ことば」に問いを投げかけるエッセイ。永井さんが過去に触れてきた本やことば、そしてそれをもとにした視点や問いにたっぷりと触れられる一冊で、やさしくて贅沢で噛み締めるように読みました。どんなことにもことばにも問いはかくれていることにまず気付けたことがよかった。良い本だったよ〜〜

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    2025年11月23日
  • これがそうなのか

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    永井さんのこれまでの単著は全て読んでいますが、「この人にはどれだけの言葉の埋蔵量があるのだろうか?」と毎回圧倒されます。全く底が知れません。

    本作で心に残ったのは、あとがきにあった以下の部分です。作家・建築家の坂口恭平さんが最近読んだインタビューで近い趣旨の発言をされていたので、自分の中で思わぬ共振を起こしました。
    たった一言でも「これは!」という言葉に出会えれば人は生きていける、と。

    『本を読むことも、対話の場をつくることも、言葉に出会うことだ。そこで起こること、起きていること、すべてを「わかる」必要はなかった。たった一言、たった一行、身体をつらぬく言葉に出会えれば、それだけで十分だった

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    2025年11月18日
  • 水中の哲学者たち

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    なにかをつかめそうな感覚で、それがこぼれ落ちて、不安になり、でも、なにかが自分のなかに確かに染みこんだ感覚。

    手のひらサイズの哲学というフレーズで、大層で難しい哲学から少し距離を置いて語ってくれる、だが本質は外さない本書には、笑わせてくれるものあり、泣きたくなるものあり、ハッと気づかせてくれるものあり、はたまたみんなそんなものだよねと安心させてくれるものあり…。

    事あるごとに(事あるってなんだよ汗)読み返したい、拠り所にしたいと思った一冊でした。

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    2025年11月18日
  • これがそうなのか

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    「ことば」についてのエッセイ、と簡略化してしまうことが激しく憚られるほど、厚みのある、幾重にも「ことば」が積み上げられた、そんな一冊。

    自分はインプット型だから、と半ば折り合いをつけていた私自身に、「自分のことば」を発見し、出会ってしまったそれにおそるおそる触れてみる勇気を授けてくれた。そう、誰かのことばを知るだけでは、不十分だったのだ。私が「私のことば」に出会うこと、出会うために必要不可欠である他者という存在、そこからまた生じる世界の奥行き。

    ことばに支えられ、裏切られ、翻弄される私たちが、私たちのことばを手にして、他者にそれを手渡すとき、私とあなたの隙間にそれをおずおずと注ぐとき。希望

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    2025年11月16日
  • さみしくてごめん

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    作家ではない人が書いているのが良い。
    だからこそ、何度も同じ話が出てきたり、とりとめもない話が続いていて、著者と対話しているようで読んでいて楽しかった。

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    2025年11月12日