永井玲衣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学生時代は数式で生きてきた理系なので言葉が分からなすぎて読書をしてこなかったけど、世界がグレーだと思い始めてから、本を読んでモヤモヤを漂う時間に心を揺さぶられつつ落ち着かせる日々。土を耕してならすような感覚。
言葉が、他人が、
理解できないことがあるが、きっとそれは開かれた可能性ということなのだろう。何気ない他者の言葉の中に含まれる絶望や祈りや希望、もしくは虚無。当たり前のように普通に発せられる言葉の中にいかなる問いを見つけるか、そこに物語を続けるケアというのもあるのではないかな
永井さんの本は前半で問うことをウォーミングアップして、後半でどっぷり深海の中に引き摺り込まれて彷徨って漂う感じ -
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ただ考えたい、って!!おぉ。世間では時間の無駄とか、生産性とか将来とか、そればかり言われるから、どうでもよいことばかり考え気味な私おかしいんかなって心配だったのでなんていうか気が楽になった。有名な哲学者さんがいいっていうなら、きっと許されるでしょ…って。ちょっと気が大きくなってる。
日記のパートはほんとに親近感湧きまくりで日常をすてきに文章にできるってうらやましいなーって思った。2から難しい言葉が出てきて、やっぱり賢い人が書いてるんやなーと我にかえる。
昨日、職場で私ともう一人だけディズニーのお土産クッキーがもらえなかった。さみしい。さみしくてごめん!これじゃないか…でも。何をどう思っても、正 -
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TBSラジオ荻上チキのセッションに突然「哲学者」として登場し、
軽妙な、親しみのある語りで哲学対話を繰り広げる永井玲衣。
この本で、その正体が少しわかった気がする。
小さな、虚弱体質の、ちょっと難しい女の子だったようだ。
1に描かれている文章は、まるで詩のような、短歌のような、
とてもいい感じの短い文章。
哲学者っぽくない。エッセイストのよう。
2からちょっと真面目な?文章になる。
でもやはり等身大。永井玲衣の頭の中を素直に、率直に吐き出している。
彼女に限らず、誰の頭の中にもある思考、もやもや、悩み、迷い、
そうしたものをわかりやすく表現している。
哲学、って、難しいものじゃないん -
Posted by ブクログ
偶然、電車で居合わせた人の談笑。すれ違った人からふとこぼれ落ちてきた一言。引き留めるほどではないけど、ちょっと気になる一瞬。たいしたことないそんな日常の一部を切り取って「適切に」保存しようと試みた哲学者の本。一言で言うと、感受性の器みたいな本だった。
「日常を保存する」と聞くと多くの人が「日記」を思い浮かべると思うが、この人はそうではない。スーパーでレジ打ちしていた人や乗り込んだタクシー運転手の名札にふと目をやり、その名前をひたすらノートに記録していく。一見、狂気的な行為だが、それほどまでに日常を「適切に」保存したいと思っていたというのがこの本の始めに書かれている。
怠惰に流れゆくS -
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【若き哲学者が考えるさみしさの正体とは】長年、わたしにはわからないものがある。それは、さみしさだ。さみしさとはなんだろう。友達とごはんに行った帰り、大きなプレゼンをやっと終えた瞬間、あてもなく街を歩いている時。わたしはきまって"さみしく"なる。しかしその正体が何者なのか、ずっとわからなかった。なんか最近寂しくない?と友達に話したことも記憶上ではない。だから余計にわからない。そしてわからないと、ひとは自分を誤魔化しはじめる。
コロナ禍では、世界がさみしさに覆われていた。やることがないから散歩する、本屋に行くのはok?、リモート飲みしようよ、毎日お酒を飲んじゃうんだよね。ひと -
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地面から数センチの場所に漂う香水の香りのように、普段なんとなく不意に浮かぶけど簡単に忘れてしまうような、いつでもそこにあるけど強く意識しないと忘れてしまうような、そういうものについて書かれている
そういう考えや疑問の答えがほしいと思って読む人にはおすすめしない
そういう考えや疑問、記憶の「適切な保存」について書かれているから。
行間に自分の記憶が不意に立ち現れて脳がトリップしたり、はっきりと答えが示されないまま考えを巡らせる文章にふわりと眠気が襲ったりして読むのに少し根気がいった それも心地いい疲労やった
終盤は実際の経験についての「保存」が試みられていて、事実に目を向けることで一気に読めた
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Posted by ブクログ
本書にもあるように、「哲学」と聞くとやはり難しいものという印象はありますが、日常生活を送る上でふと心に浮かぶちょっとした疑問や問いかけなどを「手のひらサイズの哲学」として身近な存在として楽しむ事ができました。
おそらく特定の世代や対象に向けて書かれたものではありませんが、「考えることは楽しい」という根っこの部分や、それをワークショップなどで多くの人(特に社会に出る前の10代の若者)と共有したいという想いは、山田ズーニーさんの本や活動と通じるものがあるように感じました。
内容ももちろんですが、水中の透明感や涼しさを表現したような装丁が素晴らしい。電子書籍ではなくモノとして持っていたい一冊です