永井玲衣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
答えがないこと、無理に答えを出さなくていいことの方が多いのかもしれない。という発見をした。
後半のエッセイも面白い。けどよくわからない。
世界にはよくわからないことがある、
あっていい、という発見をする。
帯の「ことばが馬鹿にされ、ことばが無視され、ことばが届かないと思われているこの世界」というのを見て、あぁ私のさみしいはここにあるのかも、と思う。
指一本でいいねできて、エモいでなんとなく伝わる世の中で、その中身の熱量にはどのくらい差があるのだろう。
最近は読書量が増えてインプットが多すぎて、
釣り合いを取ろうとして書きたいも溢れてる。
頭の中でずーっと何か考えてるけど、それを上手に伝えられないのがたぶん悲しい。さみしい。
さみしいには必ず相手がいる。 -
Posted by ブクログ
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ことばと出会い、
ことばと育ち、
ことばを疑い、
ことばを信じた。
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日常に欠かせないことばたち。
だけど、割と意味なんて後回しでその場のノリで使ってることの方が多い気がする。
反射的に、息をするように何気なく言葉を消費している気がする。
永井玲衣さんのことばの解釈を読んで、ああ言葉って生もので生きてるんだよなって。
誰かが、周りが使ってるからその言葉を使う。これって結構危険なのかも。
ことばから、今の世界について哲学的に考える面白い一冊。
"「哲学」というのは厄介な言葉だ。哲学、それは学問でありながら営みである。行為である。世界の不可解さに立ち止まり、考えること、もしくは思わず考えてしまうこと、それが哲学である。"
"言葉と言葉がぶつかり合い、それによって世界がまたひらいていくこと。もう行き止まりに思えた世界に、また新たな奥行きが生じること。詩や短歌が好きなのは、世界の奥行きを感じさせるからだ。"
"普通」を超える言葉はこの先出てくるだろうか。最も地味で、目立たず、小さな言葉だろうか。"
"書くときは、何かを引用する。言葉と言葉のあいだに、とろりと他者が垂らされて、濃密になる。身体を通して、本の言葉をノートに書き連ねていたとき、わたしは誰かになることができた。" -
Posted by ブクログ
哲学という学問は切実な現実から発生したものなのに、
学問としての哲学はあまりにも多くの人の現実から遠いなあと思っていた。
著者はこの二つを軽やかにつなぐのがホントに凄いと思う。
“一本締め”のことを「なんて感動的なのか。」という感想が出てくるセンス好き。
場って確かに締まりにくい。
“純粋理性批判”のことを「詩のような響きを持っている。」というセンスも好き。
その視点は無かった。
生を受けたことを“望まずに巻き込まれた”側面を強調して「生活」というセンスすごすぎ!
さすが哲学者!ちょっと笑っちゃった!
それにしてもタイトル、ヨシタケシンスケさん的なゆるい印象だったけど、本文でその一言が最初に出た所の事態の重さに衝撃!ギャップ!
2026/5/16に大磯コネクトという施設で実施された哲学対話と読書会に行ってきた。
著者も参加するPodcast『ペーパードライブ』のリアルイベント。
著者に会うから本買ってみよと思って本書を購入した。
永井さんがいかに本屋さんが好きか、本屋に入るとどうなちゃうのかがおっかしくて会場沸いた! -
Posted by ブクログ
哲学というと、なんだか専門的で難しくて触れにくいといったイメージがありました。でも意外と身近にあることに、この本を読んで気づきました。私は友達と一つのテーマについて「なんで?」と掘り下げて対話をすることがとても好きです。心がワクワクする瞬間です。そのこと自体も哲学だということを知りました。一つの質問に端的に答えるというのが私は苦手なのですが、それは哲学的な思考が私にあるということなのでしょうか? この本を読んで、哲学という分野にもっと興味を持ちました。
これまで哲学というと、大学の教授や研究者が一人で黙々と頭の中で考えて、思考を巡らせて生まれるものだと思っていました。でも相手がいると、なんで?が起きやすいと考えました。ある日、友達が「死んだ後の世界がわからないことが怖い」と言っていました。でも私は逆に、わからないから怖くないなと感じます。こういったことも、「なんでそう思うのか」などを深掘りしていって、自分にはない新鮮な意見になんで?と思うこともまた、哲学なのだなと思いました。哲学は対話なのだなと気付かされました。ひとりより、相手がいた方がもっと楽しく哲学できるなと感じました。 -
Posted by ブクログ
無機物に動詞をつける感じがとてもいい。
いきなり、ただの単語がゆるキャラみたいに見えるからおもしろい。
明朝体が立ったり、歩いたりしている。
普段言いたいと思っていることが大切に、大切に書いてあって感動の意味で泣ける。
「そういうものだから」で片付けちゃうこと、多すぎるね?
永井さんが「これがそうなのか」と思ったことを読んでいるうちに、自分なりのこれがそうなのかに出会う。
哲学は、あーでもない、こーでもないと話しながら
なんとか自分の納得できる場所を見つけるってことかも。
言葉について。
みんなが使っていて、
同じニュアンスで相手に伝わることが前提で、
それがいかに奇跡なのか…
普段使っている言葉を分解して、
その奥を考えるのが読んでいて楽しかった。
まさに"世界にはまだ奥行きがある"。
ずっと根底に、本の感想を上手に言い表すことが
苦手だなって思う気持ちがあって言葉の使い方をたくさん知って自分の気持ちに1番近い表現を見つけられたら嬉しい。
そして私が本を読むことが好きな理由が、
"人の言葉の使い方を見れるから"ってことに気がついた。
そしてまた、最高のあとがきに出会ってしまった。 -
Posted by ブクログ
本屋さんをウロウロしていて衝動買いした一冊
今までも何度か目にしていたけど手に取らなかった本
なのに今回は何故かとてもとても読みたいと思った
さみしいのかな?私
「読みたい」という直感は当たっていたようで、とっても面白かった。
著者は哲学者らしいが、本書は(哲学的)エッセイになるのかな?
クスッと笑えたり、爆笑したり…
急に涙が溢れたり…
夢中になって読んでしまった。
著者の永井さんは学校などで〝哲学対話〟という問いを深める授業をしているそう。
その授業で
「さみしさだけは、誰とも共有できないんです」
と発言する女子高生がいた。
嬉しい、楽しいは共有できる。
でも、さみしさは共有できないと。
あぁ、分かる
と私は思った。
しかし
〝全員がばらばらで、全員がひとりぼっちで、そして、全員でそれを共有できるときがある〟
と著者は言う。
「さみしさ」を持っているという状況を、誰かと分かち持つことができる。
そうか、そういう考え方もあるのか。
そう思うとなんだか周囲の人達みんなが愛おしくなる。
私たちの生きる社会はあまりにも忙しい。
無駄なく効率的にに動き、日々を充実させることが正義のように思えて、常に焦りの気持ちがあるというか…
明日からはもっとゆっくり周りを見てみよう。
楽しい発見が沢山あるような気がしてきた。:+*.゜
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Posted by ブクログ
読書というより、脳みそを眺めているに近い感覚。
エッセイでもなく新書でもない。
永井玲衣さんは哲学者であるけど、小難しい論文を書いている訳でもなく、そう思いました日記でもない。
でも、確かにふと私達も色んな事を思いふけり脳みその中の宇宙に飛び込んだりするような事を
取りこぼさず文章にしてくれている。
そしてくすっと笑える。取るにたらない言葉の事をはたと立ち止り改めて何故と思う時、それは「問い」だと言うけれどよくよく突き詰めて考えても面白い、これも一種の哲学なのかと身近に感じる道筋もできている。目次の「普通に」から「圧倒的に」が楽しく読めた。後半は戦争についての思い巡りもあり
それを読むのは読書というより、本文と私が対話してる感覚にも似ている気がする。
他にはない読み応えのある1冊 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私はきっと、この人の文章に何度も泣かされて、救われるのだろうと思う。
『なんとなしに生きてきたっていうことが、原発のあの光景をみて、あるいは福島のひとたちの被害をみて、こんなに暴力的なんだって。』
なんとなしに生きないことは、疲れる。でも、なんとなしに生きることは、暴力的。なんらかのカタチで、保存しないと。
『言葉とはつねに他者に向けて手渡されるものだ。その意味で、言葉を手放してはいけない。
言葉を失ったとしても、言葉をあきらめないことをつづけなければならない。普通じゃない、普通じゃない、これは普通じゃない。集中力を霧散させてしまうような誘惑と闘って、この感情を適切に保存しながら、手渡していくことをあきらめない。』
保存が、消え去っていくことに抗う、不断の抵抗の運動であるのなら、わたしは喜んでそうしよう。わたしはあなたを保存したい。 -
Posted by ブクログ
本や言葉を通じて世界との繋がりを築いてきた著者が、社会に出て他者と出会い、「これがそうなのか」と開眼する瞬間が描かれる。
しかし、その出会いは単なる確認作業ではない。
何度も繰り返される「世界の奥行き」という言葉に象徴されるように、平面だった世界が立体として立ち現れたとき、その深淵さに圧倒される。
子育てをしている人が口をそろえて「大変とは聞いていたが、ここまでとは聞いていなかった……」とやつれた表情で語る姿。まさに「これがそうなのか」という瞬間である。
「現実をそのまま肯定しないように注意深くあることは、繊細な集中力を要する」という一節は言い得て妙だ。白にも寄らず、黒にも寄らない、平均台を渡るような絶妙なバランスで思考を進めていく。何も解決されないまま結末へと向かう読書体験が得られる、著者の真骨頂が詰まった一冊だ。
個人的には、ケアの倫理に関心があったため、そのテーマに触れられていたことがとりわけ印象に残った。深掘りするきっかけにしていきたい。