永井玲衣のレビュー一覧
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もはや“永井玲衣さんの著作だから”という信頼だけで手に取るので、内容をまったく把握しないまま読んだら、ことばについてのエッセイだった。
第一部「問いはかくれている」では、近ごろ耳にするようになった「あーね」「めしテロ」「口になった」「ラン活」「普通に」等の新語や、使い古された「よろしくお願いいたします」「圧倒的」「にわかファン」「はいチーズ」といった定型句について、独自の着眼点で考察をおこなっている。
ことばを考えることの底無しの面白さを再発見できた。
第二部「これがそうなのか」という章題は、著者がフィクションではない現実の事象をまのあたりにし、開眼していく際に呟かれてきた台詞でもある。
進 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初永井さん!名前だけは聞いたり見たりしていたのでようやく。わかるなあというところがあって、言葉として見ていて気づく気持ちやあの日の記憶。別の本も楽しみ(予約中)
「もう少しでわかりそう」という感覚は、「もう少しで思い出せそう」という感覚に似ている。たとえば、誰かの名前を思い出すとき。誰かを指し示す情報が、吸い寄せられるようにこちらへやってきては分散する。…思い出せない経験はかなりもどかしい。だが、確かに思い出す対象はこの世に存在する。そのことだけが記憶の中で溺れているわたしを励ましてくれる。
何かを思い出そうとするとき、人はもどかしさの苦痛に顔をゆがめつつも、その「何か」に、いとおしさを感じ -
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ネタバレ
すごく好きだった。読みやすかった。
日記のパートは、おこがましいけど自分の日記と通じるものを感じてすごく好きだった。人の個人的な日々の記録に触れられることのおもしろさ。
83
「思いやりを受け取るために思いやりが必要なように」
130-131
「きみしさだけは、誰とも共有できないんです。」
他の子たちは、黙って聞いている。
「だからさみしさとは、決して共有できない、わたしだけのもの。」
わたしはそれを大切にしたい、と彼女は凛とした横顔で言った。
→この前心療内科で「最近さみしい?」と聞かれ、ああそれだとわかってしまったとき嬉しかったし悲しかった。嬉しかったのはしんどさの原因究明ができたか -
Posted by ブクログ
水中の哲学たちが私好みすぎて、こちらもずっと読んでみたいと思っていました
永井さんには、この世界は一体どう見えているのだろう?
私に哲学を、なんとなく身近にしてくれたのが永井玲衣さん
考えることが日常になっている私にとって、負担になりすぎずに考え続けることの大切さをこの本でも教えてもらった気がします
この世界のすべてを、保存しておくことはできない
保存されていても、それは適切な方法ではないかもしれない
保存したいほど、大事にしたいものはなんだろう?
わからないものをわからないままに
わかることを、目標や目的にしない
強く、優しく、そして美しさを感じるエッセイ -
Posted by ブクログ
この本を説明することがとても野暮に思える。要約できない本、しない方がいい本。AIが書けない文章。哲学的だけど詩に近い。
自分以外の人の感覚はどれだけ言葉を尽くしても、同じようにわかることはない。伝わることはない。
しかし、伝えようとすること、わかろうとすること、そのために話をすることはとても大切である。
例え適切でない保存であっても保存することから始まる対話があり、それ自体は決して無意味ではない。
前半は哲学対話の体験やフレーズから作者の日常を観察し言葉を紡いでいくエッセイに近い短編集。
後半は東日本大震災、コロナ、ガザ、広島などテーマが変わる。
なんにせよ、読む時々自分の状態で受 -
Posted by ブクログ
哲学研究者である永井玲衣さんのエッセイ集。難しいことを一緒にぐるぐる思考するものもあれば、つい声をあげて笑ってしまうものもある。多くの話は哲学対話の場面をきっかけに著者が気になったこと、興味を持ったことについて書かれている。
前にも哲学対話の本を読んだことがあるが、哲学ってつくづく面白いと思う。生産性ばかり追い求める資本主義社会に疲弊する現代人はかなり多いだろうし、その大多数が気晴らしを求めて消費に走っているように思う。服、食事、映画、音楽、、、読書でさえもその内側にあるかもしれない(その人の心持ちに依る?)。新しい物、新しい体験、新しい知識。それでも人は満たされない。欲の先にはさらなる欲し