奈倉有里のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    いま暮らしている国で話すのとは別の
    どこか違う国のことばを学ぶ。
    その楽しさと、さらに先にある
    そこに生きる人々とのコミュニケーション。

    作者が小さな頃
    ロシア語にひかれた理由は
    寒い国に憧れていたからですって。
    とっかかりはなんでも。

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    2023年08月01日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    内容は貴重なもので、ここまでのリサーチは大変だったろうと思う。ただ、当然のことながら原書を読まずに言うのだが、すこし翻訳が読みづらかった。三点リーダの多用は、もうすこし控えられたのでは…。

    そのせいというわけではないが、内容も相まって読んでて息苦しさを覚える。時折、著者はインタビュー相手から責められるのだが、その程度の混乱や攻撃性が芽生える程度なら充分ましに思える。

    現在進行形のウクライナ侵攻と結びつくかどうかはわからないが、戦争について、ニュースで見るだけでは伝わらない部分も多いと思う。だからといって文字でなら伝わるというわけでもないだろうが、まだましだろう。

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    2023年07月07日
  • 理不尽ゲーム

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    ベラルーシがどんな国なのか、よく知っている日本人はあまりいないと思うので、最後の独裁者(とは思えないけど)と呼ばれるルカシェンコが牛耳るこの国に暮らすことがどんなに絶望的か感じられるだけでも良い本だった。
    小説としての出来はどうかな…と思わなくもないが、ラストは良かった。
    奈倉さんの訳は読みやすい。が、おばあちゃんの喋りはあれで良かったのか。主人公は「ばあちゃん」と読んでいる。口調は庶民的に訳してあるが、孫をチェリストにするために必死になる、科学アカデミーに勤務するおばあちゃんということは、もっとハイソな話し方なんじゃないだろうか?
    孫は音楽高校に通っているし、親友も医者だし、娘も(大統領派の

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    2023年02月17日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナの絵本作家(イラストレーター、アーティスト)であるオリガ・グレベンニクさんが、ロシアによるウクライナへの侵攻の端緒から、自身が国外に脱出するまでを綴った絵日記。
    ロシア語で書かれた文章(読めない!)、鉛筆のみで描かれた粗いスケッチを写真に撮りデジタル送信されたものを韓国語に翻訳し出版、本書はそれを基に日本語訳したものだそうだ。
    幸いなことにあまり大きな被害はないまま国外に逃れることができたが、彼女の母と夫は国内に留まっている。リアルすぎて言葉を喪う。

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    2023年01月31日
  • 理不尽ゲーム

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    オビに全て(時間制限付きのWiFi、嘘を吐く国営放送等)が書いてあるんだよね…。だからそれ以上の驚きはないというか…。
    いや、十分驚くことではあるんだけど。

    この国で生まれていたら、大変なんて言葉では済まされないが、大変だったと思う。
    真実を知らなければ不幸と感じることもないだろうが、皆、どこかおかしい、なぜ自分たちはこんなに管理されているのだろうと違和感を持っているはず。

    途中出てくる「理不尽ゲーム」は、本当にあった理不尽な話を順番にしていって、最後までネタが尽きなかった人の勝ち。
    皆出るわ出るわ。どれもこれもびっくりするくらい理不尽な話。

    皆、世の中のことに関心は持っているし、「これ

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    2022年07月31日
  • 赤い十字

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    サーシャは幼い娘と暮らすため、アパートへ越してきた。隣の部屋に住むおばあさんタチヤーナは、アルツハイマーで最近の事は忘れてしまうことが多いという。ソ連時代に外務省で働いていたタチヤーナは、サーシャに第二次世界大戦中に自分がしたことを話して聞かせる。
    ソ連の粛清を恐れて文章の改ざんをしたタチヤーナ。長い投獄生活を送り、行方不明の夫と娘を探し続けたタチヤーナ。そして、最後にわかった真実。厳しくも悲しい人生だ。

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    2022年07月01日
  • 理不尽ゲーム

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    群衆事故に巻き込まれて、十年間を昏睡状態で過ごしたツィスク。目を覚ませば、硬直し息の詰まるような社会が彼を迎える。疑問を持つことは憚られ、自分の命の価値さえ心許ない。
    半径数メートルの世界で暮らす考えなしの高校生の物語で始まったのに、少しずつ、旧ソ連を引き摺り、ロシアの顔色を窺い、不正選挙がまかり通るベラルーシという国をツィスクの視線で見つめ、閉塞感に息苦しくなっていく。
    ジャーナリズムも世界の暗い部分を私たちの前に晒すけれど、文学も(たぶん音楽や映画やアートも)同じことができる。

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    2022年05月22日
  • 理不尽ゲーム

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    確か新聞で知った本書。なんとなく気にはなっていたものの購入には至っていなかった。
    しかし、2021夏の東京オリンピックで陸上の女性選手が強制的に帰国させられそうになって保護を求めて、ポーランドに亡命する、と言うニュースを見ていたところ、同時に報じられていた2020年の不正選挙とその後のデモのこと。
    あれ?ベラルーシ、、、そういう本をどこかで見かけなかったっけ?
    そうして購入し読んでみることに。

    この本が執筆されたのは2012年のこと。作者のメッセージや訳者解説にもあるように、その当時はこんなことが現代のヨーロッパであるわけがない、と批判されたと言う。しかし、2020年に大統領選の不正、デモが

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    2022年01月26日