荻堂顕のレビュー一覧

  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人は皆、属性を持って産まれる。それはアイデンティティとなり、呪いとなる。歴史が〈抹消〉された嘗ての独裁国家に於いて、子供たちに起きる発作の原因は何か。現世界の延長線上にある近未来を舞台に、生命倫理と生存の円環、その他多くのテーマが扱われる。疫学調査に係る鋭利な会話劇、他者との関係性を巡る繊細な心理描写、国際的諜報譚の緊張感。面白かった。

    0
    2025年12月10日
  • いちばんうつくしい王冠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     夏休みの初日に集められた少年少女7人。目覚めたら見知らぬ体育館。不気味な着ぐるみは言う。みんなで劇を完成させてもらう。それ以外にここから出る術はないと。

     よくあるデスゲーム系かと思って読み進めれば違った。面白かったです。

     ここまでしないとダメなのかと。ここまでしないと自分がした事を客観的に見れないのかと。悲しい現実。反省しなさいと言うのは簡単だけどやられた方はそうじゃないと思うんだろうな。でも立場は固定じゃないし気づかないうちに逆転してることもある。誰かの被害者はもしかしたら誰かの加害者かもしれない。そう考えるといたたまれないし苦しい。

     該当する人たち全員にこんなことはできない。

    0
    2025年12月06日
  • Jミステリー2025~FALL~

    Posted by ブクログ

    今年ももう1か月半足らずで終わってしまいます。
    1年間に読める冊数が少ないので色々な作家さんの作品に触れたい時にはいいですね。
    6人の作家の書き下ろしです。
    葉真中 顕さんの「21グラム」最後ちょっとぞっとする感じで面白かったです。
    五十嵐 律人さんの「万藤の灯火」も良かったです。

    0
    2025年11月19日
  • 飽くなき地景

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんかこう、地味な話のわりに読ませる一冊でした。旧華族に生まれた治道が父や腹違いの兄と反目しつつも自身の夢につきすすめようと生きる。青年期こそ、青臭いながらもまっすぐであったのにだんだんと・・・な感じがなんとも言えない読み心地。そして彼が敵視している父親が読んでる限りそんなに悪い人物にも思えない。むしろ令和の時代からすると彼の経営方針は時代に沿いつつも先を見据えた的確なものともいえるし、ところどころで治道に対してきちんと道を示している。まあ母親に手を上げたり愛人つくりまくったりとかはあるにせよ直接的な描写があんまりないからなあ。
    いっそ治道のほうがいろんな意味であやうさを抱えてる感じがしました

    0
    2025年06月09日
  • 飽くなき地景

    Posted by ブクログ

    力作だけど主人公の行動チグハグで共感、理解出来ない場面しばしば。同族企業のファミリーヒストリーに突然、談合の元締め植良会長等の実名が飛び出しモヤモヤ感も募る。都心の風景を「無数の思惑の結果として建てられた卒塔婆の群れ」「不揃いが出来上がったのではなく、不均一が街を形作っていた。それこそが東京の地景だった」東京の地形、地景など蘊蓄や新鮮な比喩は楽しめた。

    0
    2025年06月03日
  • 飽くなき地景

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    祖父から三代続く父子の確執、受け継がれる守り刀に纏わる怨念じみた物。物語自体は面白く、刀剣に関する蘊蓄には興味津々。だが主人公の自分勝手な正義感やこだわりが鼻についた。登場する女性たちがあり得ないほど不幸なのと、円谷選手を思い出させる高橋選手が気の毒だった。

    0
    2025年05月25日
  • 飽くなき地景

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公は旧華族の烏丸家の嫡男である治道。大叔父が作り、一族の暮らしを支える建設会社を継ぐ気はない。祖父の遺した美術品を管理して後世に伝えたいと考えていた。烏丸建設をより大きくしたのは父の道隆だった。彼は治道よりも数日早く生まれた庶子の直生を跡取りとすべく建築の道へ進ませていた。経営者として冷徹だが当然の判断だった。
    祖父が亡くなった時、治道は父から遺書はない、と告げられた。その後しばらくして、祖父の形見であり家の守り神と教えられていた日本刀が無くなっていることに気づく。友人である重森の機転によりなんとか刀のありかを突き止めたが、そこは愚連隊の松島組の事務所だった。藤永という男は父から刀をもらっ

    0
    2025年04月21日
  • 擬傷の鳥はつかまらない(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    荻堂顕『擬傷の鳥はつかまらない』新潮文庫。

    驚愕のクライムミステリー。全く予想外の展開に兎に角驚いた。


    訳ありの依頼者へ名義を貸し、別人へと変える『噓の仕立て屋』を生業とするサチの元に大金を持った二人の少女が訪ねて来る。サチには『嘘の仕立て屋』の裏で依頼者を逃亡させる仕事も行なっていたのだ。その噂を聞いた二人の少女はサチに自分たちも逃亡させて欲しいと頼み込む。

    その数日後、少女の一人が転落死を遂げた。サチは残された少女を逃亡させるべく、事件の鍵を握る男を探し始める。次第に明らかとなる驚愕の真相と命を懸けた騙し合いの果てに、サチの抱える過去と全ての真相が明らかになる。

    本体価格900円

    0
    2025年03月24日
  • 飽くなき地景

    Posted by ブクログ

    観念的夢想的な主人公と、現実的即物的な父、兄との確執。

    祖父が遺した蒐集品、特に一家の守り刀という無銘の粟田口久国の保存に一生を捧げる主人公は、久国が写しだと知り、家庭を放棄し、理解者である愛人と別れ、兄の極めて現世的な不祥事を揉み消すために大学時代からの盟友との関係を代償にし、兄が精魂を傾けて建てた汐留の高層ビルに自らが追い求めた刀剣の神髄を感じてしまう。

    ノワールとの謳い文句だったので大学時代の愚連隊藤永との因縁がその後の人生を狂わすのかと思ったが、違った。

    全編に漂う厭世観や虚無感。三島由紀夫にも通じる無常観。

    0
    2025年03月10日
  • 不夜島(ナイトランド)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ハードボイルド・サイバーパンク…。
    男の子ってこういうのが好きなんでしょ…?好きです!

    体も思いも機械に置き換わってしまった男と、味方も理解者もいなかった少年。今と過去を結ぶものは何だったのか?
    それは「回憶(フイイー)」であり「魂(マブイ)」だった、というわけですね。綺麗な終わり方で割と満足。
    第3部までは洋書っぽさを感じてたというか、この話回収されないんだろうなーと思ったら第4部で全てが回収されて超興奮。いや、ホント全部が綺麗に収まったね。

    でも俺、主人公とトキコが2人で京都料理をやるイフストーリーも見たかったよ…。

    0
    2025年02月11日
  • 不夜島(ナイトランド)

    Posted by ブクログ

    与那国島が舞台。Dr.コトーの風景を思い出しながら楽しみました。長かったけど面白かった。電脳って便利そう。痛覚を切ると、自分がどこまで傷ついてるかわからず無茶ができる。ある意味怖い。痛みを感じることは無駄じゃないと思った。

    0
    2025年02月05日
  • 不夜島(ナイトランド)

    Posted by ブクログ

    サイバーパンクの要素全部盛りで、世界観を堪能できる。ただ寄り道が多くて若干目が滑る。あと二段組は読みにくい

    0
    2025年01月14日
  • 不夜島(ナイトランド)

    Posted by ブクログ

    2段組み400ページ超という長編、また沖縄や台湾言語が並ぶのでかなり読みにくい。その分、じっくりと楽しむことが出来た。サイバーパンク×正統派冒険小説といったところ。前作でも思ったことだが荻堂さんは端役の人間に対してもしっかりと物語を構築する。今作では密貿易を見逃している警察官の息子や主人公の右腕、玉城のおばあの過去の話など。これをするととんでもなくページ数がかさむのは仕方がないか。メイン軸は超王道なので猥雑ながら理解はしやすくエンタメ的にはめちゃくちゃに面白い。ラスト付近の戦闘シーンには痺れること間違いなし。ページ数にひるむことなかれ。

    0
    2024年09月07日
  • 不夜島(ナイトランド)

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白い!戦後の与那国島と台湾を元にしたパラレルワールドを舞台にしたバトルアクションものサイバーパンクSF。機械化された身体(義躰)や脳を電脳化することが一般的となった世界は攻殻機動隊を思わせる。
    物語の構成がお見事で、主人公の目的、雇用主からの司令、主人公の正体の謎が少しずつ明らかになっていくのだが、話に無駄がなく読んでいてストレスがない。仲間でも友だちでもない4人の男たちが協力して闘うラストは胸熱!

    0
    2024年06月17日
  • 不夜島(ナイトランド)

    Posted by ブクログ

    先の世界大戦後とおぼしき時代、米国占領下の沖縄は与那国島に集う台湾からの密貿易人達の物語かと思いきや、さらりと“義体化”され“電脳化”されたとてつもなく人間的な「サイボーグ」たちが、南国の気候に負けない濃密な丁々発止を繰り広げる。これが現代のサイバーパンクというやつか!?とにもかくにも主人公の武(ウー)さんが、不器用な生き方しかできない男ですいません的な男らしさと情けなさを発揮して、北方謙三もかくやのハードボイルド主人公として魅力を放っている。正直、後半はなんでもあり感がいきすぎて、バカらしくなる寸前だったが、そこを乗り越えられたのは、武さんのキャラクター力のおかげだろう。読んでて楽しい作品で

    0
    2024年01月28日
  • 飽くなき地景

    Posted by ブクログ

    う〜ん…、月村了衛さんの日本近代史ミステリ諸作(東京輪舞、悪の五輪、騙す衆生等々)に比べると、やはり弱い

    0
    2026年08月20日
  • 最恐ホラー 嫌な記憶

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホラー短編が2本。サクッと読める分量です。
    貴志祐介「薔薇の小枝」結局人がいちばん怖いよね系の話だった。気を衒いすぎてなくて読みやすくておもしろい。ショートショートという感じ。
    荻堂晁「火中の栗」子供たちが肝試しをしてハプニングが起きる話。ホラー…なんだろうけどオチがちょっとわかりにくいなと思いました、というかぶっちゃけよくわからなかった。「僕」こそがのけ者だったということなんでしょうか。ひとりで夢を見てただけにしては片目を失うって代償が重い、そして能面のような顔をしてる5人も気になるところ。

    0
    2026年08月16日
  • いちばんうつくしい王冠

    Posted by ブクログ

    目が覚めたらそこは自室ではなく、体育館のような空間。同い年くらいに見える7人の知らない子たちとおかしな着ぐるみの男。着ぐるみの男から告げられたのは「劇を完成させること、完成するまではいつまでもここから出られないこと」。果たしてホノカたちがやるべきこと、向き合うべき真相とは…

    何かが起きそうで特に何も起きなかったわりにすいすい最後まで読めた。ヤングアダルト向け。ちょっと無理があるところからスタートしてるしミステリらしく真相とか心情とかに触れそうで触れないままずっと匂わせ&察しみたいな状況で進むので、全体的にふわっとしてる。海外の更生プログラムとかだったらありそうではある。真相と結末にそんなに裏

    0
    2026年08月04日
  • いちばんうつくしい王冠

    Posted by ブクログ

    主人公中学生だし、YA読みものなのかな?
    話が長い割に内容が薄い(特に劇の部分ね、繰り返してページ割く程じゃなかった感)。
    主人公以外の中学生7人も、最初はジャージくん、名前がわかってからはコタロウくん、役柄はムジャキサ王子、と呼称が変わっていくから、えっと…この王子は誰で、何した人だっけ?と、覚えるの大変。なんでかって言うと、それぞれのエピソードが薄いからだと思う。
    正直、やらかしてない人もいると思うんだけど、ムジャキサ王子とツヨサ王子、ズルサ王子は、誰になんで送り込まれたの??

    0
    2026年07月18日
  • いちばんうつくしい王冠

    Posted by ブクログ

    いじめ、演劇と興味ある題材が取り上げられているが、さすがに設定が不自然すぎる。被害者のつもりだった主人公が加害者でもあったという話だが、この子の罪悪感が謎。相手は嫌だったのかもしれないけど、いやそれは言ってくれないとわからないって。

    0
    2026年07月11日