荻堂顕のレビュー一覧

  • 不夜島(ナイトランド)
    時代設定からすればサイボーグ化した人間の存在は明らかに間違っているがあの時代にもしいたら又外国もその製造に手を付け様としていたら---こんな日がいつか来るかも。中国語や沖縄独特の言葉を小生少々知っている分面白く読んだ。
  • 不夜島(ナイトランド)
    なんて愚かなんだろうか。いくらでも上手く立ち回ることはできたし、武にとってもっと幸せな結末を迎えることだって叶ったはず。それでも、それが武の生き方だし、台湾人や琉球人が持つマブイの在り方なんだろう。怪しい貿易業で急速に発展を遂げた島を舞台に、一介のブローカーが達成困難なミッションに挑む。ネオンで照ら...続きを読む
  • ループ・オブ・ザ・コード
    デビュー2作目でこんなにすごいのを読んだのは『亡国のイージス』以来ではないだろうか?いやーんでもない新人だわ。
  • ループ・オブ・ザ・コード
    例えば、人と人は決して心の底から分かり合える事は無い、とか、そのような類の絶望というか諦念を持つ事が10~20代にかけてあるように思います。生命の各個体には特別な意味はなく遺伝子を繋いでいるだけだ、とか、そういうのも。。
    本作品を読んで、前作の「擬傷の鳥はつかまらない」も続けて読みましたが、この若い...続きを読む
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    ループ・オブ・ザ・コードが面白かったので、続けて読んでみたが、こちらも面白かった。心に傷を負った主人公のキャラ設定や、過去や運命と対峙しながら未来に思いを馳せる展開、出生にまつわる考察、など共通点も多いと感じた。
    細かい点で気になるところやぎこちなさを感じる箇所もあったが、若い作家さんだし、このよう...続きを読む
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    面白い。
    異界の門を開く事が出来る逃がし屋。その異界に行くには条件がある。そしてそこは「最も幸福になったであろう選択がなされた世界」。
    世界観はハードボイルド。歌舞伎町の揉め事に巻き込まれながら身分の偽装を行う傍らで世界に絶望した人を逃す。物語は2人の少女が訪れるところから始まる。1人が死に1人は逃...続きを読む
  • 不夜島(ナイトランド)
    先の世界大戦後とおぼしき時代、米国占領下の沖縄は与那国島に集う台湾からの密貿易人達の物語かと思いきや、さらりと“義体化”され“電脳化”されたとてつもなく人間的な「サイボーグ」たちが、南国の気候に負けない濃密な丁々発止を繰り広げる。これが現代のサイバーパンクというやつか!?とにもかくにも主人公の武(ウ...続きを読む
  • ループ・オブ・ザ・コード
    4.5くらい。
    自分がもっと純粋で無邪気で世間知らずでスレていなかったら、それこそ純粋に無邪気にわーすごいと楽しく読んでたと思うが、今の自分は伊藤計劃もこの作品に出てくる例えや物事を知っているので、そこまでじゃなかった。
    逆にその知識の羅列が鼻についてしまった。なんでだろう。
    でもやっぱりその羅列の...続きを読む
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    つらいよな~現実。

    簡潔に言えば本作は、主人公及び関わった人たちがあり得たかもしれない幸福な現実、いわば過去への後悔を振り切って、未来への希望を勝ち取るために戦う、抗う覚悟を決める話…なんだと思う。

    まず、今作における”此処ではないどこか”のシステム。パッと見魔法のような素晴らしい奇跡に感じられ...続きを読む
  • ループ・オブ・ザ・コード
    世界的な犯罪を犯したために国の歴史ごと抹消されてしまった国を舞台に2つの事件を同時に解決しなくてはならなくなったという物語。子供が発症する奇病の治療に臨む医療ミステリーと危険な化学兵器の行方を追うスリラーとの2つのジャンルにSFや倫理観をミックスしたような印象。あの「虐殺器官」の衝撃と書かれていたが...続きを読む
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    歌舞伎町でアリバイ会社を営むサチが主人公。彼女のもう一つの稼業は、人生に絶望した人間たちを「門」の向こう側に逃がす門番。
    実際に起きた、世間を震撼させた2つの事件(どっちも闇が深かった…)を彷彿させる。上手い。
    ハードボイルドと「特殊設定」の融合。嘘の世界でも救いはある。
  • ループ・オブ・ザ・コード
    荒削り感があるけど誠実で好感の持てる本だった。007的なカッコイイ路線系で書いてるけど、テーマとしては夏物語に近いかな。今の社会において結構切実なテーマだと思うので、作者がこのテーマをどう描くか楽しみながら読めた。
  • ループ・オブ・ザ・コード
    土塊から人間に造っていただきたいと、私があなたに頼んだことがあったでしょうか?
    失楽園 ジョン・ミルトン
  • ループ・オブ・ザ・コード
    子供を持ちたいという気持ちは親のエゴでしかないのか。自分が生まれてきたのは間違いだったのか。この問いにどのように向き合うべきか。
    『親ガチャ』という言葉が普及する今こそ読みたい作品。
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    本の雑誌・上半期ベストから。ファンタジー要素ありのミステリでした。同誌が好む、いわゆる贖罪系に位置する一冊。各人のトラウマ的過去に対する向き合い方を通じ、その清算についての可否ないし是非を炙り出す。そんな内容。もう少し掘り下げて欲しかった部分(拒否された彼女のその後)もあり、個人体にはそのあたりはち...続きを読む
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    ボリュームがとてもあり、現実と幻想の塩梅が良かった。生きる目的について考えさせられた。
    現実は残酷で辛いもので、あのときこうしていればと自分が切り捨てた未来について考えることもあるが、人生に正解も不正解もなければ、良し悪しなんてものは人それぞれで、到底二元論で語るべきものではないと思った。
    だからこ...続きを読む
  • 不夜島(ナイトランド)
    これも2024年の第77回日本推理作家協会賞候補作品。これは私には合わなかった。作者の話は前に「ループ・オブ・ザ・コード」も読んだが、とにかく読み辛くて疲れる。アイデアは非常に面白いんだけどなあ。ああ、しんど
  • 不夜島(ナイトランド)
    ジャケ買いです。設定も面白そう!ということで。
    内容は、アニメを見ているかのような感じだった。第1章の与那国島での話はこれから何がおこるんだろうか?とワクワク。ところがそれ以降はちょっと尻すぼみな感じがした。謎の少女・紬や、麹大尉という愛国者、李志明の子ども達、特に玉城…これらの登場人物達の消化不良...続きを読む
  • 擬傷の鳥はつかまらない
    12月-06。3.0点。
    歌舞伎町でニセの身元を提供する女性。裏では「逃がせ」稼業。風俗に勤める未成年の二人組が依頼に現れ。。

    ファンタジー性もあるストーリー。登場人物が意外な展開をする際に、主人公が「実はそうだと思っていた」と後付けに描写されるのが気になった。まあまあだったかな。
  • ループ・オブ・ザ・コード
    SFが苦手なので読みづらかった。自分の読解力が足りず、大きな世界の上澄みしか理解できなかった。よい本かもしれないけれど、自分にとって楽しめたかどうかの評価です。