荻堂顕のレビュー一覧
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こっれはまた、ええ小説に出会ってしもた。
2000年以上続くこの国出身の作者が書く、歴史を抹消された国のお話。
まだ子供を持っていない身として、(彼氏すらいない独身30overにとってはそれもまた苦しいんだが)
子供な〜別にどっちでも良い〜という気持ちではある。なんと元も子もない感想だこと。
歴史を抹消と聞いて思い出したのが、寝た子は起こすな理論。私が住む大阪には部落差別が存在し、その教育を受けてきたんやけど、まあ最近は建物も変わって差別の存在を知らない人も増えてきて。なら、差別の話をしないでおこう。そうすれば知らない人が増えてそのまま差別はなくなるだろう、という考えの人がいるんだけど。
この小説を読んで、やっぱりそれは間違えてると思ったの。だって、部落差別があると私が知っている時点で他に知っている人もたくさんいて、そういう人がいる限り、その事実は消えないから。小説の中でそうだったようにね。
本当に面白かった。だけど、伊藤計劃氏を思い出してしまう。文章の美しさや物語のどうしようもなさというか、頭打ち感が、私の好みすぎて、彼の作品を超えるSFにはもう出会えないと思うんだ。くぅ。 -
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「俺は元の世界を選ぶ。地獄に戻る。・・・・・でも、その地獄とやらは、どこかの馬鹿が楽園を手放してでも選んだ地獄だ。そう知ってれば、少しは気が楽になる人間がいるんじゃないか」
ミステリーものでもあり、ファンタジー要素もある作品だった。
読む前はファンタジー要素があることは知らなかったけど、一番最初の章でそれとなく描写されていたので、そこまで違和感なく読むことができた。
今生きている世界に期待できず、友人や家族、これからの未来を捨ててでも理想の世界に行きたい人たちの選択の物語
それぞれの人物が〈ここではないどこか〉を望む背景がしっかり書かれていることで、そのどこかを望む人たちへの共感も、反対に過去に戻ってやり直せたことになってる世界があったかくて、どんなに〈ここ〉が地獄でも留まることを選んだ人への敬意も感じることができた。
中途半端な背景だと、前者の場合だとただの逃げでは?と思ったり、後者だと安い自己満足じゃんと思ってたかもしれないけど、キャラクターの思いやそれまでの人生の決意や思想を通して、各人の行動への納得感もあった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読後、翠とホノカの関係性が以前とは全く違うものになったことが強く印象に残った。
あの過酷な経験を通してホノカの考え方が変わったからこそであり、あの時間がなければ、彼女がこうした変化を迎えることは決してなかっただろう。
その変化が正解なのかどうかは、誰にもわからない。
生きていれば誰もが、「あれは正しかったのか」「なぜあんなことをしたのか」と過去を振り返り、後悔することがある。だが、どれほど悔やんでも過去はどうしようもない。結局のところ、人は「今」を生きることしかできないのだ。
過去を振り返ることは決して無駄ではない。そうした苦い記憶も含め、さまざまな「箱」を抱えて今の自分が存在している。今の自分を形成するすべてを受け入れ、生きていくことの重さを考えさせられる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
朝、目覚めたら、見知らぬ体育館にいた。見知らぬ男女7人と一緒に。共通点は中2ということだけ。
そこには着ぐるみを着た謎の大人がいて、8人で劇をしてもらうと言う。劇が完成するまで家には帰れない。昼間は劇の練習をして、夜は1人部屋に入れられ外からカギがかけられる。部屋にはトイレ、シャワーはあるけれど窓がない‥‥
もう、このあらすじだけで、閉所恐怖症の私は圧迫感が_:(´ཀ`」 ∠):
本書には登場人物紹介のページがあって、顔のイラストまであるので、すんなりと頭に入ってくるかと思ったものの、劇中の役名も一緒に書かれていてもう混乱しっぱなし。それに、着ぐるみの謎の大人がふざけた話し方をしたりして、軽さしか感じられず、あれ?これは若い子が読むヤツ?大人にはついていけないヤツ?読むのやめようかな?なんて思い始めたのですが、そのうちビックリするくらい全く別物に変わっていきました。
劇の内容、そしてなぜ8人はここに集められ、劇をしなくてはならないのかが分かってくると、初めは混乱していたそれぞれの登場人物のキャラが際立ってきて、どんどん引き込まれていきます。
登場人物達は中学生なので、若い子達へ向けた物語なのかもしれませんが、これは大人が読んでもなかなかキツかったかも。主人公の女の子が最後に出した答えがあまりにも大人過ぎる!
実際にこんなことがあったら‥‥私には耐えられるか、ちょっと自信がないです(・_・;
それぞれ自分なりの答えを出した8人の中学生。偉い!
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Posted by ブクログ
本書を購入した理由は帯買い!
太めの帯と伊坂幸太郎のコメントで読みたくなってしまった!!
20年前に全てを抹消された独裁国家!
全てを抹消された為、国名も言葉も文化も歴史も人々の名前も地名も全てが抹消されたため、何処の国かもわからない・・・
全てを抹消された国は【イグノラビムス】という国に生まれ変わり、全てが再定義され、人々は理想郷のように平和に暮らす。
しかし突如、児童達200名以上が原因不明の謎の奇病を発症する!!?
世界生存期間より派遣された主人公のアルフォンソ・ナバーロは現地調査で人々の抱える闇に近づく事になる!!
そして、イグノラビムスでアルフォンソ達を待ち受けるのは奇病だけではなかった・・・
色んな悩みと問題を全部突っ込んだ超絶エンターテイメント!!!!
何処の国が抹消されてイグノラビムスになったのか?
北朝鮮、日本、フィリピンとか思ったり、中東の何処か?それとも、麻薬カルテルが政治の中枢まで蔓延ってそうな南米の某国?
雰囲気はイスラム系の国ではないような気がします?
想像しながら読んでいて楽しめました!!!
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Posted by ブクログ
荻堂顕さん著「飽くなき地景」
著者の作品は初読み、日本推理作家協会賞受賞第一作とのこと。
物語は1944年~1979年、戦後の昭和の中期から後期にあった旧華族の物語。
高度成長期の日本が舞台、設定や背景がどことなく旧西武鉄道グループの堤家に似ているなと感じていたが、調べてみればやはり著者の中でモチーフにしていたらしい。
時代背景が全面に出ている作品で、最初の東京オリンピックや高度成長していく東京の町並みと国民の歩みが物語のバックボーンとして読み応えがある作品だった。
ただこの物語の背骨になるであろう刀剣の
件りはなんだか自分には切れ味が感じられずにいた。
何かを比喩しているのであろうか?
信仰や宗教、カルトっぽい微妙なニュアンスが漂い自分には馴染めなかった。
そして日本推理協会賞、これって推理小説なのか?最初から最後まで推理小説としての気持ちで読んでしまったので複雑な後味を感じてしまった。自分には全く推理小説とは思えない作品だった。
あとは個人的な感想だがとても文章が読みにくかった。頁全体に文字が溢れており改行やスペースも凄く少ない。今まで読んできた本の中でも凄く目が疲れる。目がシパシパしてしまい本当に頁が進まない作品だった。
読後一番最初に感じたことは行間や改行って大事なんだなという物語と関係のない事だった。