荻堂顕のレビュー一覧

  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

    読後、翠とほのかの関係性が以前とは全く違うものになったことが強く印象に残った。
    あの過酷な経験を通してほのかの考え方が変わったからこそであり、あの時間がなければ、彼女がこうした変化を迎えることは決してなかっただろう。
    ​その変化が正解なのかどうかは、誰にもわからない。
    生きていれば誰もが、「あれは正しかったのか」「なぜあんなことをしたのか」と過去を振り返り、後悔することがある。だが、どれほど悔やんでも過去はどうしようもない。結局のところ、人は「今」を生きることしかできないのだ。
    ​過去を振り返ることは決して無駄ではない。そうした苦い記憶も含め、さまざまな「箱」を抱えて今の自分が存在している。今

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    2026年03月09日
  • いちばんうつくしい王冠

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    朝、目覚めたら、見知らぬ体育館にいた。見知らぬ男女7人と一緒に。共通点は中2ということだけ。
    そこには着ぐるみを着た謎の大人がいて、8人で劇をしてもらうと言う。劇が完成するまで家には帰れない。昼間は劇の練習をして、夜は1人部屋に入れられ外からカギがかけられる。部屋にはトイレ、シャワーはあるけれど窓がない‥‥
    もう、このあらすじだけで、閉所恐怖症の私は圧迫感が_:(´ཀ`」 ∠):
    本書には登場人物紹介のページがあって、顔のイラストまであるので、すんなりと頭に入ってくるかと思ったものの、劇中の役名も一緒に書かれていてもう混乱しっぱなし。それに、着ぐるみの謎の大人がふざけた話し方をしたりして、軽さ

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    2026年02月24日
  • いちばんうつくしい王冠

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    「自分で気づかないと意味がないんです」
    自分がしてきたことの罪を自分で気づくよう仕向けられた環境やグループワーク、そして演劇の台本。
    かなり恐ろしいシチュエーションに引き込まれて読んだ。
    特に2回目のクイズで、コタロウにみんなが本当の気持ちを伝えるシーンとホノカへのソウマの言葉がいい。ただ楽しく遊ぶだけが友達じゃないと思うけど…という座長の言に強く共感。

    中高生時代に読んでみたかった。



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    2026年02月11日
  • いちばんうつくしい王冠

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    夏休みの初日に体育館に集められた中学生たち。
    彼等は、ひとつの芝居を作るべく合宿を強制される。
    登場人物の中学生が、ニックネームと役名で呼ばれるので、人物相関図を覚えるのか大変だった。
    タイトルの意味がわかってくる頃にようやく人物を識別できるようになった。もっと若い時に出会いたかった。

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    2026年02月06日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    本書を購入した理由は帯買い!
    太めの帯と伊坂幸太郎のコメントで読みたくなってしまった!!


    20年前に全てを抹消された独裁国家!
    全てを抹消された為、国名も言葉も文化も歴史も人々の名前も地名も全てが抹消されたため、何処の国かもわからない・・・

    全てを抹消された国は【イグノラビムス】という国に生まれ変わり、全てが再定義され、人々は理想郷のように平和に暮らす。

    しかし突如、児童達200名以上が原因不明の謎の奇病を発症する!!?

    世界生存期間より派遣された主人公のアルフォンソ・ナバーロは現地調査で人々の抱える闇に近づく事になる!!

    そして、イグノラビムスでアルフォンソ達を待ち受けるのは奇病

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    2026年01月28日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    とにかく壮大な物語でした。
    個人としての生、民族としての生という重たいテーマを扱いながら、それを謎の病やテロというサスペンスで包み込み、イグラノビスという国を舞台に徹底的にリアルに描き切る、そんな物語でした。参考文献に並んだ書籍を眺めるだけで、この重奏的な物語の特色を感じることができます。

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    2026年01月10日
  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

    泣いた。

    かがみの孤城チックな、問題のある子供を夜中に攫ってきて体育館に閉じ込めて演劇をさせる。

    演劇をさせる中で、自分の罪に気付かせ、自分でどうすれば良いかを脚本作成を通じて更生させる。

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    2026年01月01日
  • いちばんうつくしい王冠

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    いつか許してもらえるなんて、期待するのは辞める。
    この言葉に自分軸として生きていく決意を感じた。
    思ってもいない所で人を傷つけたりすることもある。それに気づいたとき自分はどうするだろうか。あからさまな過ち、過去の行いを人に許してもらう、期待する。人間関係、人の強さと弱さを考えさせられた。

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    2025年12月26日
  • 飽くなき地景

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    荻堂顕さん著「飽くなき地景」
    著者の作品は初読み、日本推理作家協会賞受賞第一作とのこと。

    物語は1944年~1979年、戦後の昭和の中期から後期にあった旧華族の物語。
    高度成長期の日本が舞台、設定や背景がどことなく旧西武鉄道グループの堤家に似ているなと感じていたが、調べてみればやはり著者の中でモチーフにしていたらしい。

    時代背景が全面に出ている作品で、最初の東京オリンピックや高度成長していく東京の町並みと国民の歩みが物語のバックボーンとして読み応えがある作品だった。

    ただこの物語の背骨になるであろう刀剣の
    件りはなんだか自分には切れ味が感じられずにいた。
    何かを比喩しているのであろうか?

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    2025年12月19日
  • いちばんうつくしい王冠

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    後半、終盤までめーっちゃ面白!かったんだけど、結末がもったちなく、、、思えてしまった。かといって、どんな結末なら納得ができたのか、、、ここまで話が広がりすぎるとなかなか難しいものかもしれない。かがみの孤城に雰囲気が似てた。

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    2025年12月16日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    人は皆、属性を持って産まれる。それはアイデンティティとなり、呪いとなる。歴史が〈抹消〉された嘗ての独裁国家に於いて、子供たちに起きる発作の原因は何か。現世界の延長線上にある近未来を舞台に、生命倫理と生存の円環、その他多くのテーマが扱われる。疫学調査に係る鋭利な会話劇、他者との関係性を巡る繊細な心理描写、国際的諜報譚の緊張感。面白かった。

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    2025年12月10日
  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

     夏休みの初日に集められた少年少女7人。目覚めたら見知らぬ体育館。不気味な着ぐるみは言う。みんなで劇を完成させてもらう。それ以外にここから出る術はないと。

     よくあるデスゲーム系かと思って読み進めれば違った。面白かったです。

     ここまでしないとダメなのかと。ここまでしないと自分がした事を客観的に見れないのかと。悲しい現実。反省しなさいと言うのは簡単だけどやられた方はそうじゃないと思うんだろうな。でも立場は固定じゃないし気づかないうちに逆転してることもある。誰かの被害者はもしかしたら誰かの加害者かもしれない。そう考えるといたたまれないし苦しい。

     該当する人たち全員にこんなことはできない。

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    2025年12月06日
  • Jミステリー2025~FALL~

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    今年ももう1か月半足らずで終わってしまいます。
    1年間に読める冊数が少ないので色々な作家さんの作品に触れたい時にはいいですね。
    6人の作家の書き下ろしです。
    葉真中 顕さんの「21グラム」最後ちょっとぞっとする感じで面白かったです。
    五十嵐 律人さんの「万藤の灯火」も良かったです。

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    2025年11月19日
  • 飽くなき地景

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    ネタバレ

    なんかこう、地味な話のわりに読ませる一冊でした。旧華族に生まれた治道が父や腹違いの兄と反目しつつも自身の夢につきすすめようと生きる。青年期こそ、青臭いながらもまっすぐであったのにだんだんと・・・な感じがなんとも言えない読み心地。そして彼が敵視している父親が読んでる限りそんなに悪い人物にも思えない。むしろ令和の時代からすると彼の経営方針は時代に沿いつつも先を見据えた的確なものともいえるし、ところどころで治道に対してきちんと道を示している。まあ母親に手を上げたり愛人つくりまくったりとかはあるにせよ直接的な描写があんまりないからなあ。
    いっそ治道のほうがいろんな意味であやうさを抱えてる感じがしました

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    2025年06月09日
  • 飽くなき地景

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    力作だけど主人公の行動チグハグで共感、理解出来ない場面しばしば。同族企業のファミリーヒストリーに突然、談合の元締め植良会長等の実名が飛び出しモヤモヤ感も募る。都心の風景を「無数の思惑の結果として建てられた卒塔婆の群れ」「不揃いが出来上がったのではなく、不均一が街を形作っていた。それこそが東京の地景だった」東京の地形、地景など蘊蓄や新鮮な比喩は楽しめた。

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    2025年06月03日
  • 飽くなき地景

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    ネタバレ

    祖父から三代続く父子の確執、受け継がれる守り刀に纏わる怨念じみた物。物語自体は面白く、刀剣に関する蘊蓄には興味津々。だが主人公の自分勝手な正義感やこだわりが鼻についた。登場する女性たちがあり得ないほど不幸なのと、円谷選手を思い出させる高橋選手が気の毒だった。

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    2025年05月25日
  • 飽くなき地景

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    ネタバレ

    主人公は旧華族の烏丸家の嫡男である治道。大叔父が作り、一族の暮らしを支える建設会社を継ぐ気はない。祖父の遺した美術品を管理して後世に伝えたいと考えていた。烏丸建設をより大きくしたのは父の道隆だった。彼は治道よりも数日早く生まれた庶子の直生を跡取りとすべく建築の道へ進ませていた。経営者として冷徹だが当然の判断だった。
    祖父が亡くなった時、治道は父から遺書はない、と告げられた。その後しばらくして、祖父の形見であり家の守り神と教えられていた日本刀が無くなっていることに気づく。友人である重森の機転によりなんとか刀のありかを突き止めたが、そこは愚連隊の松島組の事務所だった。藤永という男は父から刀をもらっ

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    2025年04月21日
  • 擬傷の鳥はつかまらない(新潮文庫)

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    荻堂顕『擬傷の鳥はつかまらない』新潮文庫。

    驚愕のクライムミステリー。全く予想外の展開に兎に角驚いた。


    訳ありの依頼者へ名義を貸し、別人へと変える『噓の仕立て屋』を生業とするサチの元に大金を持った二人の少女が訪ねて来る。サチには『嘘の仕立て屋』の裏で依頼者を逃亡させる仕事も行なっていたのだ。その噂を聞いた二人の少女はサチに自分たちも逃亡させて欲しいと頼み込む。

    その数日後、少女の一人が転落死を遂げた。サチは残された少女を逃亡させるべく、事件の鍵を握る男を探し始める。次第に明らかとなる驚愕の真相と命を懸けた騙し合いの果てに、サチの抱える過去と全ての真相が明らかになる。

    本体価格900円

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    2025年03月24日
  • 飽くなき地景

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    観念的夢想的な主人公と、現実的即物的な父、兄との確執。

    祖父が遺した蒐集品、特に一家の守り刀という無銘の粟田口久国の保存に一生を捧げる主人公は、久国が写しだと知り、家庭を放棄し、理解者である愛人と別れ、兄の極めて現世的な不祥事を揉み消すために大学時代からの盟友との関係を代償にし、兄が精魂を傾けて建てた汐留の高層ビルに自らが追い求めた刀剣の神髄を感じてしまう。

    ノワールとの謳い文句だったので大学時代の愚連隊藤永との因縁がその後の人生を狂わすのかと思ったが、違った。

    全編に漂う厭世観や虚無感。三島由紀夫にも通じる無常観。

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    2025年03月10日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    ネタバレ

    ハードボイルド・サイバーパンク…。
    男の子ってこういうのが好きなんでしょ…?好きです!

    体も思いも機械に置き換わってしまった男と、味方も理解者もいなかった少年。今と過去を結ぶものは何だったのか?
    それは「回憶(フイイー)」であり「魂(マブイ)」だった、というわけですね。綺麗な終わり方で割と満足。
    第3部までは洋書っぽさを感じてたというか、この話回収されないんだろうなーと思ったら第4部で全てが回収されて超興奮。いや、ホント全部が綺麗に収まったね。

    でも俺、主人公とトキコが2人で京都料理をやるイフストーリーも見たかったよ…。

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    2025年02月11日