荻堂顕のレビュー一覧

  • 不夜島(ナイトランド)

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    なんて愚かなんだろうか。いくらでも上手く立ち回ることはできたし、武にとってもっと幸せな結末を迎えることだって叶ったはず。それでも、それが武の生き方だし、台湾人や琉球人が持つマブイの在り方なんだろう。怪しい貿易業で急速に発展を遂げた島を舞台に、一介のブローカーが達成困難なミッションに挑む。ネオンで照らされたシティ、印象的な酒や煙草、どれも魅力的。そしてなによりも人物とセリフがたまらない。「食人飯、犯人問」「指は内にぞ折れる」間違いない。これからも何度も読み返すことになるだろう。新年初っ端から嬉しい誤算だ。

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    2024年01月06日
  • Jミステリー2025~FALL~

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    短編集なので、少し前からチマチマ隙間時間に読んでた。
    短編のミステリーで読み応えがすごいです!作家さんの書き方文体を少し味わうのにピッタリです。好きな作家さんが見つけられそうな本です。

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    2026年03月22日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    サイバーパンクを核に多くの要素がてんこ盛りコッテリ濃厚で、且つ余分な描写が無いスピーディーな展開な男の浪漫の世界。先が気になって一気読みした。登場人物たちがとても個性的で魅力的。孤島先生の善良さが切なかった。後半の大尉の扱いがあまりに雑で可笑しくて。玉城にサトウキビのように背負われてる姿が目に浮かんでシュールすぎて笑った。

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    2026年03月22日
  • 擬傷の鳥はつかまらない(新潮文庫)

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    前半はハールドボイル、後半は異世界の話。
    前半は面白く、舞台が新宿なので、一瞬新宿鮫みたいになるのかなと思いきや、後半は異世界、精神世界のストーリーになるや、これ大丈夫かなって心配しながら最後まで読み切った。
    やや、強引なところがありながら、作家の筆力が凄かった。
    この後の作品が、みんな賞の候補または受賞したりする所を見ると、筆力は半端ではない。
    26/03/18 15冊目

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    2026年03月18日
  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

    読後、翠とホノカの関係性が以前とは全く違うものになったことが強く印象に残った。
    あの過酷な経験を通してホノカの考え方が変わったからこそであり、あの時間がなければ、彼女がこうした変化を迎えることは決してなかっただろう。
    ​その変化が正解なのかどうかは、誰にもわからない。
    生きていれば誰もが、「あれは正しかったのか」「なぜあんなことをしたのか」と過去を振り返り、後悔することがある。だが、どれほど悔やんでも過去はどうしようもない。結局のところ、人は「今」を生きることしかできないのだ。
    ​過去を振り返ることは決して無駄ではない。そうした苦い記憶も含め、さまざまな「箱」を抱えて今の自分が存在している。今

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    2026年03月09日
  • いちばんうつくしい王冠

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    朝、目覚めたら、見知らぬ体育館にいた。見知らぬ男女7人と一緒に。共通点は中2ということだけ。
    そこには着ぐるみを着た謎の大人がいて、8人で劇をしてもらうと言う。劇が完成するまで家には帰れない。昼間は劇の練習をして、夜は1人部屋に入れられ外からカギがかけられる。部屋にはトイレ、シャワーはあるけれど窓がない‥‥
    もう、このあらすじだけで、閉所恐怖症の私は圧迫感が_:(´ཀ`」 ∠):
    本書には登場人物紹介のページがあって、顔のイラストまであるので、すんなりと頭に入ってくるかと思ったものの、劇中の役名も一緒に書かれていてもう混乱しっぱなし。それに、着ぐるみの謎の大人がふざけた話し方をしたりして、軽さ

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    2026年02月24日
  • いちばんうつくしい王冠

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    「自分で気づかないと意味がないんです」
    自分がしてきたことの罪を自分で気づくよう仕向けられた環境やグループワーク、そして演劇の台本。
    かなり恐ろしいシチュエーションに引き込まれて読んだ。
    特に2回目のクイズで、コタロウにみんなが本当の気持ちを伝えるシーンとホノカへのソウマの言葉がいい。ただ楽しく遊ぶだけが友達じゃないと思うけど…という座長の言に強く共感。

    中高生時代に読んでみたかった。



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    2026年02月11日
  • いちばんうつくしい王冠

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    夏休みの初日に体育館に集められた中学生たち。
    彼等は、ひとつの芝居を作るべく合宿を強制される。
    登場人物の中学生が、ニックネームと役名で呼ばれるので、人物相関図を覚えるのか大変だった。
    タイトルの意味がわかってくる頃にようやく人物を識別できるようになった。もっと若い時に出会いたかった。

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    2026年02月06日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    本書を購入した理由は帯買い!
    太めの帯と伊坂幸太郎のコメントで読みたくなってしまった!!


    20年前に全てを抹消された独裁国家!
    全てを抹消された為、国名も言葉も文化も歴史も人々の名前も地名も全てが抹消されたため、何処の国かもわからない・・・

    全てを抹消された国は【イグノラビムス】という国に生まれ変わり、全てが再定義され、人々は理想郷のように平和に暮らす。

    しかし突如、児童達200名以上が原因不明の謎の奇病を発症する!!?

    世界生存期間より派遣された主人公のアルフォンソ・ナバーロは現地調査で人々の抱える闇に近づく事になる!!

    そして、イグノラビムスでアルフォンソ達を待ち受けるのは奇病

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    2026年01月28日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    とにかく壮大な物語でした。
    個人としての生、民族としての生という重たいテーマを扱いながら、それを謎の病やテロというサスペンスで包み込み、イグラノビスという国を舞台に徹底的にリアルに描き切る、そんな物語でした。参考文献に並んだ書籍を眺めるだけで、この重奏的な物語の特色を感じることができます。

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    2026年01月10日
  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

    泣いた。

    かがみの孤城チックな、問題のある子供を夜中に攫ってきて体育館に閉じ込めて演劇をさせる。

    演劇をさせる中で、自分の罪に気付かせ、自分でどうすれば良いかを脚本作成を通じて更生させる。

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    2026年01月01日
  • いちばんうつくしい王冠

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    いつか許してもらえるなんて、期待するのは辞める。
    この言葉に自分軸として生きていく決意を感じた。
    思ってもいない所で人を傷つけたりすることもある。それに気づいたとき自分はどうするだろうか。あからさまな過ち、過去の行いを人に許してもらう、期待する。人間関係、人の強さと弱さを考えさせられた。

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    2025年12月26日
  • 飽くなき地景

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    荻堂顕さん著「飽くなき地景」
    著者の作品は初読み、日本推理作家協会賞受賞第一作とのこと。

    物語は1944年~1979年、戦後の昭和の中期から後期にあった旧華族の物語。
    高度成長期の日本が舞台、設定や背景がどことなく旧西武鉄道グループの堤家に似ているなと感じていたが、調べてみればやはり著者の中でモチーフにしていたらしい。

    時代背景が全面に出ている作品で、最初の東京オリンピックや高度成長していく東京の町並みと国民の歩みが物語のバックボーンとして読み応えがある作品だった。

    ただこの物語の背骨になるであろう刀剣の
    件りはなんだか自分には切れ味が感じられずにいた。
    何かを比喩しているのであろうか?

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    2025年12月19日
  • いちばんうつくしい王冠

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    後半、終盤までめーっちゃ面白!かったんだけど、結末がもったちなく、、、思えてしまった。かといって、どんな結末なら納得ができたのか、、、ここまで話が広がりすぎるとなかなか難しいものかもしれない。かがみの孤城に雰囲気が似てた。

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    2025年12月16日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    人は皆、属性を持って産まれる。それはアイデンティティとなり、呪いとなる。歴史が〈抹消〉された嘗ての独裁国家に於いて、子供たちに起きる発作の原因は何か。現世界の延長線上にある近未来を舞台に、生命倫理と生存の円環、その他多くのテーマが扱われる。疫学調査に係る鋭利な会話劇、他者との関係性を巡る繊細な心理描写、国際的諜報譚の緊張感。面白かった。

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    2025年12月10日
  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

     夏休みの初日に集められた少年少女7人。目覚めたら見知らぬ体育館。不気味な着ぐるみは言う。みんなで劇を完成させてもらう。それ以外にここから出る術はないと。

     よくあるデスゲーム系かと思って読み進めれば違った。面白かったです。

     ここまでしないとダメなのかと。ここまでしないと自分がした事を客観的に見れないのかと。悲しい現実。反省しなさいと言うのは簡単だけどやられた方はそうじゃないと思うんだろうな。でも立場は固定じゃないし気づかないうちに逆転してることもある。誰かの被害者はもしかしたら誰かの加害者かもしれない。そう考えるといたたまれないし苦しい。

     該当する人たち全員にこんなことはできない。

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    2025年12月06日
  • Jミステリー2025~FALL~

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    今年ももう1か月半足らずで終わってしまいます。
    1年間に読める冊数が少ないので色々な作家さんの作品に触れたい時にはいいですね。
    6人の作家の書き下ろしです。
    葉真中 顕さんの「21グラム」最後ちょっとぞっとする感じで面白かったです。
    五十嵐 律人さんの「万藤の灯火」も良かったです。

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    2025年11月19日
  • 飽くなき地景

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    ネタバレ

    なんかこう、地味な話のわりに読ませる一冊でした。旧華族に生まれた治道が父や腹違いの兄と反目しつつも自身の夢につきすすめようと生きる。青年期こそ、青臭いながらもまっすぐであったのにだんだんと・・・な感じがなんとも言えない読み心地。そして彼が敵視している父親が読んでる限りそんなに悪い人物にも思えない。むしろ令和の時代からすると彼の経営方針は時代に沿いつつも先を見据えた的確なものともいえるし、ところどころで治道に対してきちんと道を示している。まあ母親に手を上げたり愛人つくりまくったりとかはあるにせよ直接的な描写があんまりないからなあ。
    いっそ治道のほうがいろんな意味であやうさを抱えてる感じがしました

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    2025年06月09日
  • 飽くなき地景

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    力作だけど主人公の行動チグハグで共感、理解出来ない場面しばしば。同族企業のファミリーヒストリーに突然、談合の元締め植良会長等の実名が飛び出しモヤモヤ感も募る。都心の風景を「無数の思惑の結果として建てられた卒塔婆の群れ」「不揃いが出来上がったのではなく、不均一が街を形作っていた。それこそが東京の地景だった」東京の地形、地景など蘊蓄や新鮮な比喩は楽しめた。

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    2025年06月03日
  • 飽くなき地景

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    ネタバレ

    祖父から三代続く父子の確執、受け継がれる守り刀に纏わる怨念じみた物。物語自体は面白く、刀剣に関する蘊蓄には興味津々。だが主人公の自分勝手な正義感やこだわりが鼻についた。登場する女性たちがあり得ないほど不幸なのと、円谷選手を思い出させる高橋選手が気の毒だった。

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    2025年05月25日