荻堂顕のレビュー一覧
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ネタバレ読後、翠とほのかの関係性が以前とは全く違うものになったことが強く印象に残った。
あの過酷な経験を通してほのかの考え方が変わったからこそであり、あの時間がなければ、彼女がこうした変化を迎えることは決してなかっただろう。
その変化が正解なのかどうかは、誰にもわからない。
生きていれば誰もが、「あれは正しかったのか」「なぜあんなことをしたのか」と過去を振り返り、後悔することがある。だが、どれほど悔やんでも過去はどうしようもない。結局のところ、人は「今」を生きることしかできないのだ。
過去を振り返ることは決して無駄ではない。そうした苦い記憶も含め、さまざまな「箱」を抱えて今の自分が存在している。今 -
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朝、目覚めたら、見知らぬ体育館にいた。見知らぬ男女7人と一緒に。共通点は中2ということだけ。
そこには着ぐるみを着た謎の大人がいて、8人で劇をしてもらうと言う。劇が完成するまで家には帰れない。昼間は劇の練習をして、夜は1人部屋に入れられ外からカギがかけられる。部屋にはトイレ、シャワーはあるけれど窓がない‥‥
もう、このあらすじだけで、閉所恐怖症の私は圧迫感が_:(´ཀ`」 ∠):
本書には登場人物紹介のページがあって、顔のイラストまであるので、すんなりと頭に入ってくるかと思ったものの、劇中の役名も一緒に書かれていてもう混乱しっぱなし。それに、着ぐるみの謎の大人がふざけた話し方をしたりして、軽さ -
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本書を購入した理由は帯買い!
太めの帯と伊坂幸太郎のコメントで読みたくなってしまった!!
20年前に全てを抹消された独裁国家!
全てを抹消された為、国名も言葉も文化も歴史も人々の名前も地名も全てが抹消されたため、何処の国かもわからない・・・
全てを抹消された国は【イグノラビムス】という国に生まれ変わり、全てが再定義され、人々は理想郷のように平和に暮らす。
しかし突如、児童達200名以上が原因不明の謎の奇病を発症する!!?
世界生存期間より派遣された主人公のアルフォンソ・ナバーロは現地調査で人々の抱える闇に近づく事になる!!
そして、イグノラビムスでアルフォンソ達を待ち受けるのは奇病 -
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荻堂顕さん著「飽くなき地景」
著者の作品は初読み、日本推理作家協会賞受賞第一作とのこと。
物語は1944年~1979年、戦後の昭和の中期から後期にあった旧華族の物語。
高度成長期の日本が舞台、設定や背景がどことなく旧西武鉄道グループの堤家に似ているなと感じていたが、調べてみればやはり著者の中でモチーフにしていたらしい。
時代背景が全面に出ている作品で、最初の東京オリンピックや高度成長していく東京の町並みと国民の歩みが物語のバックボーンとして読み応えがある作品だった。
ただこの物語の背骨になるであろう刀剣の
件りはなんだか自分には切れ味が感じられずにいた。
何かを比喩しているのであろうか? -
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ネタバレ夏休みの初日に集められた少年少女7人。目覚めたら見知らぬ体育館。不気味な着ぐるみは言う。みんなで劇を完成させてもらう。それ以外にここから出る術はないと。
よくあるデスゲーム系かと思って読み進めれば違った。面白かったです。
ここまでしないとダメなのかと。ここまでしないと自分がした事を客観的に見れないのかと。悲しい現実。反省しなさいと言うのは簡単だけどやられた方はそうじゃないと思うんだろうな。でも立場は固定じゃないし気づかないうちに逆転してることもある。誰かの被害者はもしかしたら誰かの加害者かもしれない。そう考えるといたたまれないし苦しい。
該当する人たち全員にこんなことはできない。 -
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ネタバレなんかこう、地味な話のわりに読ませる一冊でした。旧華族に生まれた治道が父や腹違いの兄と反目しつつも自身の夢につきすすめようと生きる。青年期こそ、青臭いながらもまっすぐであったのにだんだんと・・・な感じがなんとも言えない読み心地。そして彼が敵視している父親が読んでる限りそんなに悪い人物にも思えない。むしろ令和の時代からすると彼の経営方針は時代に沿いつつも先を見据えた的確なものともいえるし、ところどころで治道に対してきちんと道を示している。まあ母親に手を上げたり愛人つくりまくったりとかはあるにせよ直接的な描写があんまりないからなあ。
いっそ治道のほうがいろんな意味であやうさを抱えてる感じがしました -
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ネタバレ主人公は旧華族の烏丸家の嫡男である治道。大叔父が作り、一族の暮らしを支える建設会社を継ぐ気はない。祖父の遺した美術品を管理して後世に伝えたいと考えていた。烏丸建設をより大きくしたのは父の道隆だった。彼は治道よりも数日早く生まれた庶子の直生を跡取りとすべく建築の道へ進ませていた。経営者として冷徹だが当然の判断だった。
祖父が亡くなった時、治道は父から遺書はない、と告げられた。その後しばらくして、祖父の形見であり家の守り神と教えられていた日本刀が無くなっていることに気づく。友人である重森の機転によりなんとか刀のありかを突き止めたが、そこは愚連隊の松島組の事務所だった。藤永という男は父から刀をもらっ -
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荻堂顕『擬傷の鳥はつかまらない』新潮文庫。
驚愕のクライムミステリー。全く予想外の展開に兎に角驚いた。
訳ありの依頼者へ名義を貸し、別人へと変える『噓の仕立て屋』を生業とするサチの元に大金を持った二人の少女が訪ねて来る。サチには『嘘の仕立て屋』の裏で依頼者を逃亡させる仕事も行なっていたのだ。その噂を聞いた二人の少女はサチに自分たちも逃亡させて欲しいと頼み込む。
その数日後、少女の一人が転落死を遂げた。サチは残された少女を逃亡させるべく、事件の鍵を握る男を探し始める。次第に明らかとなる驚愕の真相と命を懸けた騙し合いの果てに、サチの抱える過去と全ての真相が明らかになる。
本体価格900円 -