荻堂顕のレビュー一覧

  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    歴史とは、現実であり虚構。
    歴史とは、過去であり未来。
    歴史とは、呪縛。

    過去を“抹消”された国家、《イグノラビムス》を舞台とするSF作品。

    「私」を「私」たらしめている要素とは?
    土地。民族。家系。
    性別。年齢。家族構成。
    身長。体重。髪の色。

    どれかが変わったら「私」ではないのか。
    どれが欠けたら「私」でなくなるのか。

    全てを白紙にしたら、人類には何が起こるのか。

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    2026年02月14日
  • Jミステリー2025~FALL~

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    いろんな切り口のミステリーの集まりで、ボリューム薄めなので、サクッと読みやすい。
    誉田さんの『それはない』でスタートするのが良かった。こじれた話だけど、全体的に温かめのストーリー。
    葉真中さんの『21グラム』のオバケが見える設定、荻堂さんの『コンカフェ探偵ロゼ』のオクスリオッケーな設定、といった、事件内容は現実的だけど、基本設定が異常、が良かった。
    中山七里さんのミステリーを楽しみにしてたけど、私的にはミステリーというよりも、ヒューマンドラマを見ているような、このストーリーでは、脇役の善吉中心の温かいドラマにつながる“ゼロ”的な要素のストーリーな感じがして、とても良かった。この後佐知子さんと一

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    2026年02月11日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    ディストピア系。過去の虐殺の歴史を先進国から糾弾され、歴史ごとクレンジング、リネームされた国の人々、断絶させられた歴史や文化、その中で発生した子供達の奇病。国連生存機関の主人公が病気の原因を探る中で過去の文化的風習に辿り着いたり、テロと戦う展開は映画のよう。それでいて、ベースのテーマは家族関係の根深い問題や、親と子の関係
    。子供は欲しいとは思えないが、親にはなりたいと思った、という最後に繋がる、壮大な物語だった。
    作者が20代と知って驚いた。

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    2026年02月09日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    綺麗な表紙のデザインと大好きな伊坂幸太郎の帯で即決購入した本だったが、読んで大正解の一冊でした。
    外国人の名前やおそらく武器の名前?みたいなのがなかなか覚えられず読み進めるのに少し苦戦したが、まるで一本の大作映画を見終わったような満足感と喪失感。

    メモに残しておきたいセリフがたくさんあった。
    生きる目的は何か。戦争とは何なのか。
    重たく複雑なテーマをいろんな人種や宗教やバックグラウンドを持つ登場人物達から考えさせられる良書でした。
    日本人の作家作品とは思えないほどの大きなスケールのお話でした。
    物語もとても素晴らしい。ハリウッドとかで映画化されたらいいな。

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    2026年02月08日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    過去に民族浄化ともいえる大虐殺を行ったことで、国連から国を《抹消》された国家。
    国民は完全にアメリカナイズされた国に住み、その《以前》のことを恥の歴史として口にすることでも罰せられる。
    そんな国で突然蔓延的に起こり出した、少年少女の、意識なく横たわり食欲も消えていく発作。
    中にはその発作によって亡くなる子も出てきて、
    そこに国連から派遣されてきた調査団。
    彼らもそこにいたるまでの人生にそれぞれに抱えてきたものがあって…

    登場人物は多くないのだが、いかんせん馴染みにくい海外の名前でなかなか入ってこないが、
    登場人物に慣れると、
    物語は一気に進むし、世界観にどっぷり。
    SFでありながら、登場人物

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    2026年02月06日
  • いちばんうつくしい王冠

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    「鏡の孤城」と「ニ人一組に…」を少し思い出しながら夢中で読んだ
    相手の気持ちを考えるのは勿論、謝っても許されるとは限らないに激しく共感

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    2026年01月12日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    取っ掛りにくいかなと思ったけど、
    ストーリーだけでなく、登場人物の会話、提起される問題、すごく沢山の要素が盛り込まれ、一見ばらばらのことが思考としてひとつに結ばれていく、作品自体の厚みが凄くて、良い本を読んだなと思えた。
    アルフォンソの思考がベースだが、かたくなな個人の主観ではなく、色んな人の思想や人生への興味、それを経て自分の思考を常に広げていく姿勢は、読んでいる私の思考のステップにもなった。
    国家や文化、大きな切り口からアイデンティティや家庭、個人的な問題、生を受けること生み出すことから目の前の人と関わること、マクロとミクロの入り交じる面白い描き方。
    すごく好きな作品になったし、また読み返

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    2026年01月07日
  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)

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    現代のSFのお手本のような傑作で、伊藤計劃さんを想起させた。抹消、反出生主義、疫病調査等を主軸として国と人と組織の思惑が交差する骨太なSFに仕上がっていて読み応えがある。
    歴史を抹消された国で起きた原因不明の病気を調査するうちに、隠された真実に向き合うことになるアルフォンソ。彼と仲間が本当に魅力的だ。
    哲学や人文学の知識も盛り込まれていて、作者の描く世界観に引き込まれた。
    映画一本見終わったような、何か大きな事件に携わり、それを終えたような達成感が読んだ後に残った。

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    2025年12月29日
  • いちばんうつくしい王冠

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    ネタバレ

    いままでのハードな世界観から一転したような青春物語。
    これまでのものとはテンションがぜんぜん違う!(笑)
    これはほとんどの人が読んでも楽しめると思う。

    はじめはどうして集められ、閉じ込められたのかも分からなくて、そこから徐々にお互いのことを知り、演劇をすることの理由が分かっていく過程が面白い。
    自分がしていたことに気づき、しかもそれに向き合うなんて誰もが出来ることではないはず。
    劇の結末はどうするかを自分たちで考えて、こうするしかないって答えを劇中劇で指し示すなんてまじスマート!カッコイイ。シンシンって映画の演劇練習とかに近い感じなのもよかったですね。

    今作に出てくる子供たちの家族は決定的

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    2025年11月08日
  • 飽くなき地景

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    やっと追いついた!
    4冊読むのに何年もかかってしまった。
    最初はループオブザコードを読むために走り始めたのに、2作も新作が出て嬉しい悲鳴です。
    今年発売のはすぐに読める!準備万端!




    荻堂顕さんの文章、キャラクター、セリフはほんとにカッコイイ。退屈なところが1行もなかった。
    序盤に出てくる藤永って男がめちゃくちゃ良くて、彼が言う言葉は全部メモっとくぐらいいいですね。

    今回は二段ではなくなった分、1ページ毎にみっしり文章が詰まってて、安心の濃厚さ。
    ストーリーはSF、アクション、サスペンスが盛りもりやった前3作とは毛色が違って、終戦前から2000年代まで1人の男が生きた道筋を辿る話。

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    2025年09月07日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    ネタバレ

    第二次大戦後の琉球と台湾を舞台にしたSFアクション
    ループオブザコードとかなり雰囲気が似てて、この物語の描き方いいっすね!最高です。
    4作目はちょっと違う雰囲気を感じるけどどうなんかな。読むのが楽しみ。
    2段組なのもスペシャル感あっていいですね、講談社ノベルスとかを思い出してなんとなく嬉しいし、なにより分厚くなくて読みやすい!

    サイバーパンク小説といえば熱量が凄そうやなと思ったら案の定とんでもない物量で、欲しいもの全て詰め込まれてぎっしりです。
    義体化、電脳化、首の後ろにプラグ挿入口がありと映画やゲームでお馴染みの設定。
    最近だとサイバーパンク2077がもろにこんな感じで、チップを入れたら人

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    2025年06月13日
  • 飽くなき地景

    匿名

    荻堂顕――その筆致は、東京という都市の多層的な地層を、刀剣の地景のように一筋一筋切り出す。

    都市の「継ぎ目」や歴史の断面を、鋭い審美眼で描き出す新進気鋭の作家だ。

    世田谷成城で育ち、早稲田大学で学びながら、バーテンダーや格闘技インストラクターなど異色の職歴を重ねてきた。

    まるで都市の迷宮に点在する路地裏のような経歴は、彼の物語世界にも独特の奥行きを与えている。

    この代表作『飽くなき地景』では、旧華族の血脈や名刀の来歴、東京の変貌が複数の時代のレイヤーとして交錯。

    刀剣の「不均一」を美とする感性を、都市や人間の歴史の「継ぎ目」へと拡張し、そこに真の美を見出す慧眼が光る。

    また、『ルー

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    2025年06月01日
  • 飽くなき地景

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    直木賞候補作。祖父から鎌倉時代の刀工、粟田口久国の刀を受け継いだ烏丸治道の半生。東京オリンピックや汐留シビックセンター等、現実の戦後の東京の変遷を織り込み、マンション供給による東京の街の変化を刀剣の武器から美術品への変化になぞらえ、烏丸一族の愛憎史、生家のゼネコンの発展と危機対応と盛りだくさんの内容。受賞は逃したようだが読み応えがあり面白かった。

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    2025年02月09日
  • 飽くなき地景

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    1944年~2002年間、時代と共に移り変わる大都市東京と人を描く。膨大な資料を読み込み、当時の象徴を物語に融合させる著者の技量に唸る。戦後の復興、旧華族の没落、骨肉の争い、親子の愛憎…急所満載。第172回直木賞候補作。

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    2025年01月21日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    何を云っているのだと思われるかも知れないが本作は«ハードボイルドSFアクションほんのりミステリー歴史スペクタクル»である。いや、本当に何を云っているのだろう。事実てんこ盛り作品なのだから、これで間違いは有るまい。どんなキャラクターに対しても人物描写が丁寧で世界観が広くて深い。それ故SFに馴染みの薄い私ですらのめり込んでしまう。世界観も良ければ、文句無しのラストがたまらなく素晴らしい。ネックはあまりお手軽な長さではないくらいかな。日本推理作家協会賞受賞作。

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    2024年11月04日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    読み応えあった。米軍占領下の与那国島が舞台ということでハードボイルド系かと思ったら、サイボーグ…。推理作家協会賞も受賞なら、その要素も出てくるかと最後までワクワク。途中、月村さんも降臨…。「自由を守るためには兵士が必要」今の世界情勢眺めていると、複雑な思い。

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    2024年09月26日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    時代設定からすればサイボーグ化した人間の存在は明らかに間違っているがあの時代にもしいたら又外国もその製造に手を付け様としていたら---こんな日がいつか来るかも。中国語や沖縄独特の言葉を小生少々知っている分面白く読んだ。

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    2024年01月17日
  • 不夜島(ナイトランド)

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    なんて愚かなんだろうか。いくらでも上手く立ち回ることはできたし、武にとってもっと幸せな結末を迎えることだって叶ったはず。それでも、それが武の生き方だし、台湾人や琉球人が持つマブイの在り方なんだろう。怪しい貿易業で急速に発展を遂げた島を舞台に、一介のブローカーが達成困難なミッションに挑む。ネオンで照らされたシティ、印象的な酒や煙草、どれも魅力的。そしてなによりも人物とセリフがたまらない。「食人飯、犯人問」「指は内にぞ折れる」間違いない。これからも何度も読み返すことになるだろう。新年初っ端から嬉しい誤算だ。

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    2024年01月06日
  • いちばんうつくしい王冠

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    「自分で気づかないと意味がないんです」
    自分がしてきたことの罪を自分で気づくよう仕向けられた環境やグループワーク、そして演劇の台本。
    かなり恐ろしいシチュエーションに引き込まれて読んだ。
    特に2回目のクイズで、コタロウにみんなが本当の気持ちを伝えるシーンとホノカへのソウマの言葉がいい。ただ楽しく遊ぶだけが友達じゃないと思うけど…という座長の言に強く共感。

    中高生時代に読んでみたかった。



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    2026年02月11日
  • いちばんうつくしい王冠

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    夏休みの初日に体育館に集められた中学生たち。
    彼等は、ひとつの芝居を作るべく合宿を強制される。
    登場人物の中学生が、ニックネームと役名で呼ばれるので、人物相関図を覚えるのか大変だった。
    タイトルの意味がわかってくる頃にようやく人物を識別できるようになった。もっと若い時に出会いたかった。

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    2026年02月06日