荻堂顕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいままでのハードな世界観から一転したような青春物語。
これまでのものとはテンションがぜんぜん違う!(笑)
これはほとんどの人が読んでも楽しめると思う。
はじめはどうして集められ、閉じ込められたのかも分からなくて、そこから徐々にお互いのことを知り、演劇をすることの理由が分かっていく過程が面白い。
自分がしていたことに気づき、しかもそれに向き合うなんて誰もが出来ることではないはず。
劇の結末はどうするかを自分たちで考えて、こうするしかないって答えを劇中劇で指し示すなんてまじスマート!カッコイイ。シンシンって映画の演劇練習とかに近い感じなのもよかったですね。
今作に出てくる子供たちの家族は決定的 -
Posted by ブクログ
やっと追いついた!
4冊読むのに何年もかかってしまった。
最初はループオブザコードを読むために走り始めたのに、2作も新作が出て嬉しい悲鳴です。
今年発売のはすぐに読める!準備万端!
荻堂顕さんの文章、キャラクター、セリフはほんとにカッコイイ。退屈なところが1行もなかった。
序盤に出てくる藤永って男がめちゃくちゃ良くて、彼が言う言葉は全部メモっとくぐらいいいですね。
今回は二段ではなくなった分、1ページ毎にみっしり文章が詰まってて、安心の濃厚さ。
ストーリーはSF、アクション、サスペンスが盛りもりやった前3作とは毛色が違って、終戦前から2000年代まで1人の男が生きた道筋を辿る話。
ル -
Posted by ブクログ
ネタバレ第二次大戦後の琉球と台湾を舞台にしたSFアクション
ループオブザコードとかなり雰囲気が似てて、この物語の描き方いいっすね!最高です。
4作目はちょっと違う雰囲気を感じるけどどうなんかな。読むのが楽しみ。
2段組なのもスペシャル感あっていいですね、講談社ノベルスとかを思い出してなんとなく嬉しいし、なにより分厚くなくて読みやすい!
サイバーパンク小説といえば熱量が凄そうやなと思ったら案の定とんでもない物量で、欲しいもの全て詰め込まれてぎっしりです。
義体化、電脳化、首の後ろにプラグ挿入口がありと映画やゲームでお馴染みの設定。
最近だとサイバーパンク2077がもろにこんな感じで、チップを入れたら人 -
匿名
荻堂顕――その筆致は、東京という都市の多層的な地層を、刀剣の地景のように一筋一筋切り出す。
都市の「継ぎ目」や歴史の断面を、鋭い審美眼で描き出す新進気鋭の作家だ。
世田谷成城で育ち、早稲田大学で学びながら、バーテンダーや格闘技インストラクターなど異色の職歴を重ねてきた。
まるで都市の迷宮に点在する路地裏のような経歴は、彼の物語世界にも独特の奥行きを与えている。
この代表作『飽くなき地景』では、旧華族の血脈や名刀の来歴、東京の変貌が複数の時代のレイヤーとして交錯。
刀剣の「不均一」を美とする感性を、都市や人間の歴史の「継ぎ目」へと拡張し、そこに真の美を見出す慧眼が光る。
また、『ルー -
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Posted by ブクログ
ネタバレ夏休みの初日に集められた少年少女7人。目覚めたら見知らぬ体育館。不気味な着ぐるみは言う。みんなで劇を完成させてもらう。それ以外にここから出る術はないと。
よくあるデスゲーム系かと思って読み進めれば違った。面白かったです。
ここまでしないとダメなのかと。ここまでしないと自分がした事を客観的に見れないのかと。悲しい現実。反省しなさいと言うのは簡単だけどやられた方はそうじゃないと思うんだろうな。でも立場は固定じゃないし気づかないうちに逆転してることもある。誰かの被害者はもしかしたら誰かの加害者かもしれない。そう考えるといたたまれないし苦しい。
該当する人たち全員にこんなことはできない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんかこう、地味な話のわりに読ませる一冊でした。旧華族に生まれた治道が父や腹違いの兄と反目しつつも自身の夢につきすすめようと生きる。青年期こそ、青臭いながらもまっすぐであったのにだんだんと・・・な感じがなんとも言えない読み心地。そして彼が敵視している父親が読んでる限りそんなに悪い人物にも思えない。むしろ令和の時代からすると彼の経営方針は時代に沿いつつも先を見据えた的確なものともいえるし、ところどころで治道に対してきちんと道を示している。まあ母親に手を上げたり愛人つくりまくったりとかはあるにせよ直接的な描写があんまりないからなあ。
いっそ治道のほうがいろんな意味であやうさを抱えてる感じがしました -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は旧華族の烏丸家の嫡男である治道。大叔父が作り、一族の暮らしを支える建設会社を継ぐ気はない。祖父の遺した美術品を管理して後世に伝えたいと考えていた。烏丸建設をより大きくしたのは父の道隆だった。彼は治道よりも数日早く生まれた庶子の直生を跡取りとすべく建築の道へ進ませていた。経営者として冷徹だが当然の判断だった。
祖父が亡くなった時、治道は父から遺書はない、と告げられた。その後しばらくして、祖父の形見であり家の守り神と教えられていた日本刀が無くなっていることに気づく。友人である重森の機転によりなんとか刀のありかを突き止めたが、そこは愚連隊の松島組の事務所だった。藤永という男は父から刀をもらっ -
Posted by ブクログ
荻堂顕『擬傷の鳥はつかまらない』新潮文庫。
驚愕のクライムミステリー。全く予想外の展開に兎に角驚いた。
訳ありの依頼者へ名義を貸し、別人へと変える『噓の仕立て屋』を生業とするサチの元に大金を持った二人の少女が訪ねて来る。サチには『嘘の仕立て屋』の裏で依頼者を逃亡させる仕事も行なっていたのだ。その噂を聞いた二人の少女はサチに自分たちも逃亡させて欲しいと頼み込む。
その数日後、少女の一人が転落死を遂げた。サチは残された少女を逃亡させるべく、事件の鍵を握る男を探し始める。次第に明らかとなる驚愕の真相と命を懸けた騙し合いの果てに、サチの抱える過去と全ての真相が明らかになる。
本体価格900円 -
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