キムチョヨプのレビュー一覧

  • 惑星語書店

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    世界観を作り込まなきゃいけないSFにおいて、こんなに短い文章でその世界の想像ができることがすごいなと思った。
    チョヨプさんは堅苦しくないけど現実すぎない、自分にとって心地よいSFを描いてくれるので好き。

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    2026年01月22日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    SFにハマり、昨年末からゆっくりと読んでいました。SFだけれどもどこか懐かしく、優しさに包まれた1冊でした。
    韓国語訳だからか、それとも私がSFに読み慣れていないからかか、はじめは読むリズム?ペースを掴むのが難しかったのですが、集中して読めるようになってからはこの世界観にハマってしまいました。

    「わたしたちが光の速さで進めないなら」と「館内紛失」が好きです。
    今年はたくさんのSFに触れたいので、また他の作品も読みたいと思います。表紙も可愛いので集めたくなりますね。

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    2026年01月20日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    少し切なくあたたかい。SFで近未来的な内容が多いなかで原始的な人とのつながりにフォーカスしているこのバランスが好き。私たちが見る社会や他者を別の角度から捉え、向き合うヒントを与えてくれる作品。

    一番は「スペクトラム」あとは「共生仮説」「館内紛失」あたりが特に好き。

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    2026年01月12日
  • 惑星語書店

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    一作数ページ~数十ページのSF短編集。
    違うもの同士が出会い、ひととき過ごして、また違う道を歩いていくというような、大きな事件はおきないけれど、胸がじんわりするような話が多い。とても好きな感じ。

    自分とは違う相手に触れて、相手のことが理解できるようなできないような、それはそれでいい。
    出会って別れて、それは心に刻まれて。この不寛容な時代に染みる。
    世の中には私の知らない素敵な作家さんがたくさんいるんだなあ。他の本も読みたい。

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    2026年01月09日
  • 地球の果ての温室で

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    読んでてなんとなく『星の王子さま』の言葉を色々と思い出してた。

    〝君が僕のために時間を使ってくれたから〟

    〝君のバラは君にとって特別なんだ〟

    幸福を感じながらも、そこにはたった一人以外には消し去れない寂しさがある。。。

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    2026年01月06日
  • 本と偶然

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    いわゆる〝エッセイ〟と呼ばれるジャンルに手を出したことがなかったのでこれがエッセイなのかとなりつつそれにしたって楽しかった!著者の考えやその基盤がどのように出来ていったのか、膨大な読書記録から生まれていく思考、感じる親しみ、全部興味深かった。この本は翻訳発売されないと思ってたので本屋で見つけたのは嬉しい偶然だったし、おかげで著書をまた読み返したくなったね。
    紹介されてた本でいちばん読んでみたいと思ったやつはどうやら翻訳ないようで残念。

    しかしこうやって一読者らの想像する小説家が出来ていくんだな

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    2026年01月02日
  • 惑星語書店

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    とても新鮮な読後感だった。ここには、まだ知らなかった価値観と日常が描かれている。

    全部で十四の短編が収録されているが、それらは大きく二つのカテゴリに分けられていた。
    『互いに触れないよう気を付けながら』と銘打ったものが八つ。『ほかの生き方もあることを』と冠されたものが六つである。
    最初のカテゴリにはさまざまな存在同士のコミュニケーションが描かれていた。人とロボットの時もあるし、隣の次元の人間同士の場合もある。
    表題の「惑星語書店」はすべての言語が翻訳できるモジュールが当たり前に使われている宇宙の話。そこでは人々は別の星の言葉を何の苦労もなく読めるし、話せるし、理解できる。ただ一軒、翻訳モジュ

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    2025年12月10日
  • この世界からは出ていくけれど

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     本屋に並ぶ背表紙にこのタイトルを見つけたとき、すぐにキム・チョヨプさんの作品だとわかった。棚から抜取りレジに向かう。タイトルの勝利だ。

     今回の作品は差別的に分断された集団同士でも、個人の単位で向き合えば、わかりあえる、愛することができると言えば大きく括りすぎだろうか。

     建付けはSFだが、描かれているのは人の心だ。星間ロケットが飛ぼうが、脳の外に記憶装置を持とうが、他の惑星で亜種に進化していようが、寿命ある生物である限り、切なさはなくならない。社会を形成する動物である限り他者を想う心はなくならないと信じたい。本作品を読めばそれが良くわかる。対立する集団同士でも、身近で会話をすれば信じあ

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    2025年12月07日
  • 地球の果ての温室で

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    韓国人著者のSFを読むと独特な気分になる。その世界の中に入り込むような没入感がありつつも、描かれる世界とは距離を少し置くような感じ。世界観には引き込まれるが、その中の当事者になる事はない。幽霊みたいにプカプカしている。この感じが好きだ。

    これまで読んできたものは短編が多く、世界を移ろうさすらいの幽霊感があったが、こちらは長編。ひとつの世界に長く留まる地縛霊の気分になった。

    読んでいてヒントや手がかりは散りばめられているのに、この本が提示する謎が解けない。幽霊でも分からないことがあるんだな。

    ありそうでなさそうでありそうな世界の傍観者、として楽しむことが出来た

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    2025年11月30日
  • この世界からは出ていくけれど

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    個人の世界とまた別の個人の世界とが重なる瞬間、すれ違う瞬間を感じた。
    わたしたちが人と関わるときに感じるズレや一致を思い出す。どの短編も心に響くものがある。自分はとくに「マリのダンス」「認知空間」が好き。

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    2025年11月02日
  • サイボーグになる テクノロジーと障害,わたしたちの不完全さについて

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    障害を持つ著者2人が、医療テクノロジーと社会のあり方を問う。完全な治療は素晴らしいことだが、達成するにはまだ時間もかかる。それに最新医療は高額であり誰もが受診できるおのではない。
    それよりも障害者が障害者のままで、快適に生きるためのテクノロジーはどうあればよいのか。そも障害者を非障害者に合わせるのではなく、障害者を基本とする社会を目指せないのか、などが提言されている。

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    2025年10月29日
  • 惑星語書店

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    視点の切り取り方の目新しさや、特に女性同士が築く関係性の描き方の豊かさが特徴的なように感じている作者の新刊。こちらもこれまでの作品同様の温かさと新鮮さが感じられた短編集でした。すべてSF作品ではあるんですが、血の通ったSFというか、必ず人の感情が影響して物語が成り立っているので、目新しい設定でもすんなりと入り込めるように思います。
    他のだれもが読めない本を並べる書店にやがて読める人が訪れる奇蹟を描いた表題作で運命的な邂逅に心を躍らされる一方、「サボテンを抱く」では物理的な感覚と内からの感情に乱される哀れさをただ切なく受け止める。

    この本のお話では「外から来た居住者たち」が一番好きです。不可思

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    2025年10月17日
  • サイボーグになる テクノロジーと障害,わたしたちの不完全さについて

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    とても興味深く読んだ。本書では、障害者が身体とテクノロジーを結び付けることを「サイボーグ(ないし障害者サイボーグ)」と呼ぶ。

    作者の一人キム・ウォニョンさんは弁護士にして俳優であり、骨形成不全症のため車椅子生活をしている。もう一人の作者キム・チョヨプさんはSF作家であり、後天的な聴覚障害者である。世代も障害も異なる二人の当事者が、客観的に、また時に主観的に、正常性の規範を押し付けられる障害者の在り方を綴る。それは韓国の障害者事情でありながら、普遍的なテーマである。

    本書からはいくつかの刺激的な論考がすくいとれる。
    どこまでが人間の身体なのか。一握りの富裕者しか使えないテクノロジーに意味はあ

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    2025年10月17日
  • この世界からは出ていくけれど

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    “わたしたちが光の速さで進めないなら”に続き、またも印象的なタイトルと表紙に惹かれて購入。
    初っ端から最後のライオニに涙腺を緩ませられました。他の短編もやっぱりどこか切ないものばかりでしたが、それだけではなくじんわりあたたかい優しさも持ち合わせた作品ばかりで、読んで良かったです。

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    2025年10月08日
  • この世界からは出ていくけれど

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    『私たちが光の速さで進めないなら』が良かったので期待してこちらも購入。文庫化たすかる。

    たとえ同じ人間という種族であっても違う個体であれば本当に理解し合えない部分というものは存在する。様々な理由からどうしたって一緒にはいられないけれど、あなたはかけがえのない存在で互いの芯の部分に触れ合えたような気がした瞬間や一緒に居れた時間をギュッと抱きしめて、あなたの幸福を祈りつつ私は自分の人生を生きていくよ、といったような寂しさを描くのが本当に上手だなと思う。
    好きだったお話は『ブレスシャドー』と『古の協約』。

    『ブレスシャドー』は全然馴染めなかった故郷と、そんな中でも仲良くしてくれた数少ない友人を思

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    2025年09月25日
  • この世界からは出ていくけれど

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    色んな意味での旅立ちや別れがそれぞれの短編で起きるので、どうしてもものさみしい気持ちになる。
    同じ場所で、あなたと変わらずこのままで、が叶わない世界。
    だけどそれは決して絶望的な別れではなく、互いのことを想いあった上でのままならない別れであったりもするから、読み終わったあとに残る感情は決してネガティブなものではない。

    不思議。
    別れの中でも死別が最も大きなものと私は捉えてしまうけれど、今なら「またね」と言える気がする。もう会えない、交わらない時間のことだけを想って絶望する私ではなくなったような感じがする。

    地球が舞台の短編の方が少ないくらい、あくまでもしっかりSFなんだけど、舞台がどこかな

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    2025年09月22日
  • 派遣者たち

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    ネタバレ

    他者との共生とそこで発生する問題についてしっかりと描かれていた。氾濫体に対する嫌悪感の描写が昨今の移民問題や過去の迫害の問題に繋がっていることがすごい。
    確かに個人という意識、国のアイデンティティ、そういうものにずっと囚われていては争いはいつまでたっても終わることがないよな
    人間という生き物をイゼフが象徴していると思う。自分や自分の守りたいものを守るため正義の名の下に他者を傷付ける。

    相変わらず翻訳がとても読みやすい

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    2025年08月05日
  • 惑星語書店

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    掌編集でどれも読みやすいし著者自身が序文で語っている通り、掌編だから思い切って細かい設定や背景の描写はすっ飛ばしてる潔さもあって読みやすい。
    過去作同様マイノリティへの優しい視線や普遍的な人生観を扱っているけれど掌編故にメッセージがむき出しで迫ってくるのも良い。
    デイジーとおかしな機械、惑星語書店、とらえられない風景、外から来た居住者たち、が特に好きだった。

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    2025年07月21日
  • 派遣者たち

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    面白かった。SFは苦手だと思ってたけど、恐い描写があるわけではなく、綺麗であたたかい世界の中でストーリーが流れていって、読んでて心地よかった。

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    2025年07月13日
  • 惑星語書店

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    掌篇集ということで、キム・チョヨプさん特有の抒情性は少し薄れるものの、あいかわらずのやわらかな筆致。ワンアイデアで広がる豊かなイマジネーションがすばらしい。
    絵画から着想を得たもの、特殊な五感を持つ人、20年ごとにバラードが流行る謎の調査、アナログへと回帰することで捉えられるもの。
    表題作の『惑星語書店』はふたりのこの先も見てみたくなるようなわくわく感があった。

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    2025年07月07日