キムチョヨプのレビュー一覧

  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    『この世界からは出ていくけれど』に次いで著者を読んだのは2冊目かな。
    この本がデビュー作なので、順番としては逆転してしまったけど、テーマを考えると『この世界からは出ていくけれど』から読むのもそんなに間違ってなかったのかな、とか思ったり。

    『この世界からは出ていくけれど』は、他者との間にあるどうしようもない断絶を(どちらかと言えば)悲劇的に書かれていることが多かった印象。
    対して『わたしたちが光の速さで進めないなら』は、この理解できない他者がそれでも「愛すべき誰か」であった、という部分に善性が感じられて非常に良い。
    時が変わっても場所が変わっても、何かを愛する人間性というものは共通しているはず

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    2026年04月02日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    透明感のあるSF小説であった。
    ワクワクしながら、自分の中の歴史の中の既視感を撫でられる、そんな物語たちであった。

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    2026年03月24日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    不思議な世界観で入り込むのに若干時間かかったけど描いているのは現実世界に通ずるものが多いから少しは共感できる。

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    2026年03月19日
  • 本と偶然

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    アイデアはランダムな行動から湧いてくるものだ、というようなことを森博嗣が書いていたのを思い出した。
    無数の本に触れられることがいかに心強いか。これからも自由に読んでいこうと思う。

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    2026年03月16日
  • 本と偶然

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    SFだとか、ホラーだとかにどこかずっと偏見があったように思う。読者をびっくりさせることで読ませようとする感じが、インパクトのあるサムネで再生数を稼ごうとするYouTuberのように思えていたのかもしれない。それすらも偏見なのかもしれないが。

    著者のSF作家としての生き残りをかけた奮闘記のようなものだと思って読み始めた本書だが、最初の数ページでそのイメージは覆された。非人間に真摯な向き合うこと、それがSFというジャンルと合わさったときに、面白かったで終わらない、とてつもないエンタメが生まれるのかもしれない。
    「SFは人間中心主義という長きにわたる天動説を覆すものなのかもしれない」これはもしかし

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    2026年03月16日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    しっかりと練られたSF世界が舞台でいながら、そこに暮らす人々への眼差しは公平で優しい
    作者の作品は2冊目だけれど、人間の弱さを静かに愛おしむ姿勢がとても好き
    どちらも短編集だったので、今度は長編も読んでみたい

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    2026年03月14日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    新しい技術、進化した人類、でもいまだ埋まらぬ他者との溝。

    相手を理解しようとしてもうまくいかない時もある。
    それでも歩み寄る努力、相手のことを思う時間は、相手への愛情の深さだと。

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    2026年03月14日
  • この世界からは出ていくけれど

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    初めて読んだ著者の作品は『私たちが光の速さで進めないなら』でした。それも良かったけど、本著もとてもよかった……俺の大好きな悲壮感溢れててなんか好きなんですよね。なんというか、「同じ場所では生きられないけど、それでも互いを想っているのは同じだよね」と言っているみたいな感じというか。

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    2026年03月10日
  • この世界からは出ていくけれど

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    前作『わたしたちが光の速さで進めないなら』が大変良かったのでこちらも。旅立つ者と、見送る者の7つの短編集。

    広大な宇宙にある無数の星々、多様な外見、テクノロジー、死生観、多数派と少数派…それぞれの理解と無理解。家族であれ恋人であれ友人であれ、お互い譲らない(譲れない)一線があり、愛していても理解、許容できないこともある。
    互いに分かり合えなくても相手を愛すること、相手を思いやることはできる。

    どの話も良いのだけど個人的なお気に入りは「キャビン方程式」
    文字を追いながら静かに揺さぶられるような感覚。繊細な翻訳も素晴らしい。
    寂しさの中に一滴の優しさがふわりと溶け込んだような読後感の一冊。

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    2026年02月27日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    設定からはSFのエッセンスを十分に感じるのに、謳い文句にある通り、包容力のある優しさを感じる作品だった。ハヤカワ文庫SFではなくNVに分類されているのも頷ける。
    「スペクトラム」で描かれた異星人との心の繋がりと、「共生仮説」のSF的でありながらもハートフルでありどこか寂しさも感じる文章が特に印象に残った。

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    2026年02月23日
  • 本と偶然

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    だいすきなSF作家キム・チョヨプさんのお仕事エッセイ。独特の抒情性とやわらかな筆致から、文系で感性派の方かと勝手に思っていたら、バリバリの理系(化学科卒)でとてつもない勉強家だった!

    とにかく「ここまで手の内をさらしていいの!?」というほど、ことこまかに創作の過程を明かしてくれている。アイデアの泉などないから、とにかく自分の外にある材料を集め、世界を拡張する、と。

    影響を受けた本についても、作法書や現行韓国SFまで挙げていて、すごくまじめで正直な方だなぁとますます好きになった。最初はオンラインギルドやボードゲームサークルの仲間と書き始めた、というサブカル文脈もすごくいい。

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    2026年02月04日
  • 惑星語書店

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    “ネタ帳”感覚のSFショートショート
    未来のほんの一コマの風景を、登場人物たちの会話で柔らかく包んだ、甘くて苦いチョコ詰め合わせ

    この作家独特な面白さで、スッと物語に入っていける。

    頭の中ではどれをとっても長編へ飛躍できる、が、一瞬で刺激の来る超短編だから、これもいい。

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    2026年01月28日
  • 惑星語書店

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    世界観を作り込まなきゃいけないSFにおいて、こんなに短い文章でその世界の想像ができることがすごいなと思った。
    チョヨプさんは堅苦しくないけど現実すぎない、自分にとって心地よいSFを描いてくれるので好き。

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    2026年01月22日
  • 惑星語書店

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    一作数ページ~数十ページのSF短編集。
    違うもの同士が出会い、ひととき過ごして、また違う道を歩いていくというような、大きな事件はおきないけれど、胸がじんわりするような話が多い。とても好きな感じ。

    自分とは違う相手に触れて、相手のことが理解できるようなできないような、それはそれでいい。
    出会って別れて、それは心に刻まれて。この不寛容な時代に染みる。
    世の中には私の知らない素敵な作家さんがたくさんいるんだなあ。他の本も読みたい。

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    2026年01月09日
  • 地球の果ての温室で

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    読んでてなんとなく『星の王子さま』の言葉を色々と思い出してた。

    〝君が僕のために時間を使ってくれたから〟

    〝君のバラは君にとって特別なんだ〟

    幸福を感じながらも、そこにはたった一人以外には消し去れない寂しさがある。。。

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    2026年01月06日
  • 本と偶然

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    いわゆる〝エッセイ〟と呼ばれるジャンルに手を出したことがなかったのでこれがエッセイなのかとなりつつそれにしたって楽しかった!著者の考えやその基盤がどのように出来ていったのか、膨大な読書記録から生まれていく思考、感じる親しみ、全部興味深かった。この本は翻訳発売されないと思ってたので本屋で見つけたのは嬉しい偶然だったし、おかげで著書をまた読み返したくなったね。
    紹介されてた本でいちばん読んでみたいと思ったやつはどうやら翻訳ないようで残念。

    しかしこうやって一読者らの想像する小説家が出来ていくんだな

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    2026年01月02日
  • 惑星語書店

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    とても新鮮な読後感だった。ここには、まだ知らなかった価値観と日常が描かれている。

    全部で十四の短編が収録されているが、それらは大きく二つのカテゴリに分けられていた。
    『互いに触れないよう気を付けながら』と銘打ったものが八つ。『ほかの生き方もあることを』と冠されたものが六つである。
    最初のカテゴリにはさまざまな存在同士のコミュニケーションが描かれていた。人とロボットの時もあるし、隣の次元の人間同士の場合もある。
    表題の「惑星語書店」はすべての言語が翻訳できるモジュールが当たり前に使われている宇宙の話。そこでは人々は別の星の言葉を何の苦労もなく読めるし、話せるし、理解できる。ただ一軒、翻訳モジュ

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    2025年12月10日
  • この世界からは出ていくけれど

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     本屋に並ぶ背表紙にこのタイトルを見つけたとき、すぐにキム・チョヨプさんの作品だとわかった。棚から抜取りレジに向かう。タイトルの勝利だ。

     今回の作品は差別的に分断された集団同士でも、個人の単位で向き合えば、わかりあえる、愛することができると言えば大きく括りすぎだろうか。

     建付けはSFだが、描かれているのは人の心だ。星間ロケットが飛ぼうが、脳の外に記憶装置を持とうが、他の惑星で亜種に進化していようが、寿命ある生物である限り、切なさはなくならない。社会を形成する動物である限り他者を想う心はなくならないと信じたい。本作品を読めばそれが良くわかる。対立する集団同士でも、身近で会話をすれば信じあ

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    2025年12月07日
  • 地球の果ての温室で

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    韓国人著者のSFを読むと独特な気分になる。その世界の中に入り込むような没入感がありつつも、描かれる世界とは距離を少し置くような感じ。世界観には引き込まれるが、その中の当事者になる事はない。幽霊みたいにプカプカしている。この感じが好きだ。

    これまで読んできたものは短編が多く、世界を移ろうさすらいの幽霊感があったが、こちらは長編。ひとつの世界に長く留まる地縛霊の気分になった。

    読んでいてヒントや手がかりは散りばめられているのに、この本が提示する謎が解けない。幽霊でも分からないことがあるんだな。

    ありそうでなさそうでありそうな世界の傍観者、として楽しむことが出来た

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    2025年11月30日
  • この世界からは出ていくけれど

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    個人の世界とまた別の個人の世界とが重なる瞬間、すれ違う瞬間を感じた。
    わたしたちが人と関わるときに感じるズレや一致を思い出す。どの短編も心に響くものがある。自分はとくに「マリのダンス」「認知空間」が好き。

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    2025年11月02日